小説「ストレンジ・ランデヴー(平井和正著)」メモ
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小説「ストレンジ・ランデヴー(平井和正著)」メモ

2016-03-01 19:00
    ・買ったまま読まずにいた本の整理中。
     平井和正氏の作品というのは、桑田次郎氏と組んだ「エイトマン」「超犬リープ」「デスハンター」「エリート」、石森章太郎氏と組んだ「幻魔大戦」、坂口尚氏と組んだ「ウルフガイ」、池上遼一氏と組んだ「スパイダーマン」などを子供の頃に読んでいて、自然と少年・アダルトのウルフガイシリーズや当時早川文庫や角川文庫に収録されていた作品群などに移行した。
     やがて、SFアドベンチャーに「真・幻魔大戦」、野生時代に「幻魔大戦」を並行して連載するようなり、もの凄い執筆ペースで両作品を書き続け、ベストセラーになってアニメーション映画にもなり、SFアドベンチャーは平井和正特集号なども発行したと思うが、どちらもページ数はあるのに作中のストーリーというか時間が全然進行しなくなり、結局どちらも中途半端なところで連載は終わってしまう。途中さらに枝分かれした別次元の話なども増刊みたいなものに発表していたように思うが、もうあまり覚えていない。
     これと前後して宗教団体とも関係を持ち、その後離れたらしいが、最後の方の幻魔大戦にはその宗教団体をモデルにしたのであろう団体や人物が出て来る。そのあたりで、ついて行く読者と離れる読者が二分したように思う。また、もともとは幻魔大戦の中で使われた用語や理念が、別の某宗教団体にパクられて、悪用されたようにも思う。起源は別にあって、特に氏の造語ではないのだが、当時の十代がそういう用語を知るようになったのは、大部分が氏の作品を通じてだったと思う。
     SFアドベンチャーには少年ウルフガイの続編だという「黄金の少女」という連載が始まるが、犬神明は登場しないまま話が展開する。私が読んでいたのはこの頃までで、しばらくSFから離れたこともあってその後の平井氏の作品は読んでいない。
     この頃は書店の一番いい場所に、SFっぽい新書が何冊も平積みになっていたが、だんだん規模縮小し、雑誌も休刊が相次いで、そうした作品が発行される機会も減っていった時期になったと思う。作家には受難の時代になっていく。それまではいつでも買えた作品が、どんどん書店から消え、文庫などのラインナップからも消えていったと思う。いわゆるSF第一世代の作家の本は、だんだん見かけなくなっていったし、新刊もほとんど出なくなった。
     平井氏本人も一般書店ではなく、ファンに電子書籍や直接自主出版の形で作品を提供する、という方針になったらしく、一般書店に出ていない作品はずいぶんあるらしい。
     そんなわけで後半の氏の作品は全然読んでおらず、その私が読まなくなった後の作品をたまたま見かけたので買ったけど、そのまま本棚で埋もれていたもの。

     やけに子供が書いたみたいな印象だな、と思ったら、あとがきにこれは作者が中学~高校時代に書いた習作がベースになっているものだという。私は読んだことないけど、「月光魔術団」というシリーズを5年がかりで完結させて、一種の虚脱状態というか魂の彷徨状態にあった時に、自分の初心を取り戻そうとして書いたものらしい。
     
     短編が3つ収められているが、どれも10代後半の主人公から見たある女性の描写が中心になって、彼女に危機が迫り、主人公はそこで何をするか、ということになる。SFというわけでもない。ちなみにタイトルは以下の通り。
    ・ストレンジ・ランデヴー
    ・鏡の中の少女
    ・待っている

     のちの少年ウルフガイの犬神明の原型みたいに見える主人公もいるし、青鹿晶子あるいは斎木美夜を思わせるような女教師もいる。全く関連の無い短編に、同姓同名で登場したりするので、当時著者の周辺に居た、実在の人物をモデルにしたものなのかもしれない。

     主人公には、著者の思う無力な自分と、かくありたい理想の自分が、ヒロインには実在の、著者の当時あこがれていた人が、悪役にはおそらく周囲にいた嫌いな奴が、投影されているのだろうと思う。

     私がこの歳になって読んでも大きな感慨は無いのだけど、今10代の人が読むと、作中人物と似たような境遇にあって、大きく魅かれる人はいるかもしれない。

     最後の「待っている」が私には一番面白かった。他2作と違い、年配の人物が登場するからかもしれない。

     ニコニコ市場では見つからなかったので、アマゾンのリンクを貼っておく。
    http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%B4%E3%83%BC-%E9%9B%86%E8%8B%B1%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%B9%B3%E4%BA%95-%E5%92%8C%E6%AD%A3/dp/4087473767

     平井氏のホームページもあった。平井氏の作品はそんなわけで、一般書籍だけ探していると見つからなかったりするので、読みたい人はこちらから探すのがいいかもしれない。
    http://www.wolfguy.com/
     
     
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