「盲目物語(谷崎潤一郎著)」メモ
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「盲目物語(谷崎潤一郎著)」メモ

2020-03-17 19:00



    「浅井三代記」「太閤記」を種本として、盲目の法師を語り手に、彼が仕えたお市の方と、その娘たちの運命を描くという趣向。
     大河ドラマでもたびたび描かれている出来事だが、ああそういう流れだったのかとあらためて認識した部分が多々あった。
     また、人物をあまり聞かない呼び名にしている事が多く(織田信長を総見院、浅井久政が下野守など)、私は注を見なければ誰の事を言っているのかすぐわからなくなる。この注を著者がつけたのか編集部がつけたのかよくわからないが、注だけで40ページくらいあってかなりのボリューム。

     4歳で視力を失い、両親も10歳前後で相次いで失った盲人が揉み療治を覚えてなんとか生きていたところを小谷(おだに)の浅井長政の城に奉公する縁を得る。
     そこに二度目の妻としてやってきたお市の方に気に入られ、娘のお茶々の遊び相手もするようになる。やがて長政は義兄である信長と対立して自決。信長の元に戻されたお市母子に同行し、信長が討たれ明智が討たれ、清須会議で柴田勝家と秀吉がたもとを分かち、お市の方が勝家に嫁ぐとこれにもついて行く。やがて勝家が秀吉に敗れ城に引き上げてくるとなんとしてもお市の命を救いたいと豊臣方に魂を売ってしまい、城に火をつけてその間にお市母娘を連れ出させようとするがお市を逃がすのには失敗し、お茶々をおぶって逃げ延びる。
     秀吉には歓迎されるが彼になついていたお茶々は彼を裏切り者と知ると憎むようになり、逃げるように城を去り、そのあとは世の変転を遠くから眺めて秀吉の死、お茶々の死、家康の死を見届ける。
     彼の見知った長政や勝家、お市の人柄が語られ、これに最後まで従った人、裏切った人、敗れた人の様々が語られる。

     付されている地図にお市が長く滞在した三つの城の位置をアバウトに入れるとこんな感じ。
     この頃の天下は琵琶湖周辺でぐるぐると戦いが続いていたんだな、みたいに思う。


     青空文庫で読める。ただし図や注は入っていない。すると編集者がつけたということか。
    https://www.aozora.gr.jp/cards/001383/files/56868_58745.html

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