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標題=チューブラベルズ
掲載媒体=ロッキングオン11号
発行会社=ロッキングオン社
執筆日=1974/05/15
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<シー・モンキー>とかいう生物が気になってしょうがない。大体からして、生物というものは、みずみずしいものであるという観念は、どうひっくり返したって変えようのない前提である。ミミズだって、きのこだって、つぶせば、何かしらの水分が出て来るのだ。今日にでも買いに行こう。
チューブラベルのレコードは、小林に借りたんだけど、2・3日聴いただけで(正確に言うと2・3夜)真崎・守のとこへ行ってしまった。ジギィーは岩谷宏に借りて関幸三に貸してしまった。でも岩谷宏は又別にどっかて借りて来たらしいから良いのだろう。誰だか知らないけど、渋谷から借りたサバスⅣを持ってた奴、返せ。坂元健二、ハンキィドリイ返してくれえ。
チューブラベルのレコードは、ざっと、こんなカンジで演ってるわけです。しかもこのオールドフィールドという人は、たった一人でこの<貸借関係>を続けているわけです。
自分が自分に関係を強いると、さてどうなるか。ジャケットの写真になるのです。天と海とを裂く水平線。正確に言うと、裂くのではなくて<融合>するわけだな。大部前だけど、真崎・守という人とバニシングポイントという映画を観た時、あの人は<僕のバニシングポイントは、点じゃなくて線だな。バニシング地平線、あはははは>あはははは。きっと、このジャケットのような海にシー・モンキーは棲んでいるのだろうな。
このレコードがエクソシストのバックに使われて、本人は大変、怒ってらっしゃるようらしいが、エクソシストって、すごく残酷でこわあい映画らしい。(だけど、四谷ライオン座のお岩さんほど恐いはずはない)そんなモロ残酷な絵より、本当は、チューブラベルの方がずうっとこわあいよ。なぜかというと、この音を聴き込んでいくと聴こえてくるのは、聴いている自分なのだから。
このレコードがロックなのは、このオールドフィールドという人も、解答者でも解説者でもなく、ひとりのソボクな質問者だからだ。最近は、朝のラジオの人生相談を、よく聞いているけれど、いつの場合だって、応答者よりは質問者の方が、ずうっとラジカル。
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橘川幸夫放送局通信
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