公然の秘密
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公然の秘密

2019-02-09 22:32

    誰もがわかっているけれども、口に出さないこと。無いこととしていること。

    これは大きな闇の話なのですが
    戦後に活躍した作家の安部公房の小説に「公然の秘密」という小説があります。
     
    ストーリーを簡単に説明すると
    橋が架かっている水路から、ある日腐りかけた小象が這い出してきて街を練り歩きます。
    その小象の存在は、街の誰もが知っていましたが、無いものとして生活していました。
    小象が水路から這い出たことにより、問題が表面化し、直面しないといけないという話です。
     
    これは「笑う月」という随筆集の中に収録されている、短い小説です。
     
    小説曰く、
    「いないも同然だと信じていたからこそ、許せもしたんだ。」
    「しかし、存在しないものは、存在すべきじゃない。」 
    「弱者への愛には、いつだって殺意がこめられている。」
    と。


    闇を抱えている場合、そのようなところにはまり込んでいるケースは多いように思います。 
    その闇(公然の秘密)に落ち込んでしまったら、 
    そこから抜け出そうとしても、安部公房の小説の小象のように、世間の本音は
    そのまま腐っていればよいのに、ということになるようです。
     
    自分の身の回りを観察してみても、程度の差や、問題の大小はあれ、そういった不文律はよくあるように思います。

    その場合、問題を口に出して表面化しても、救いの手は現われない(表面的な同情はあるだろうが)ような気がします。
    水面下での自己変化か、そのまま腐るかの二択になるような気がします。

    闇にはまり込みそうになったら、初期の段階で自分の存在が公然の秘密にならないように注意したほうがよいでしょう。
    そうは言っても、気づいたらそうなっているというパターンは往々にしてありますが。

    抽象的な話になって恐縮ですが、最近そんなことを思いました。


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