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トークライブイベント「アーケードゲーム雑談2」レポート(後編)
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トークライブイベント「アーケードゲーム雑談2」レポート(後編)

2018-12-06 12:00

     全国800万人のアーケードゲームファンのみなさま、こんにちは。「ゲーセンミカド」ブロマガ編集班です。

     11月某日、新宿のネイキッドロフトさんにてトークライブイベント「アーケードゲーム雑談2」が開催されました。イベントの前半では、株式会社モスの代表取締役社長を務める駒澤氏に、セイブ開発在籍時から手がけきたタイトルの開発秘話や裏話を披露していただきました。

     後半では、来場者から集った質問・アンケートに目を通しながら、イケダ店長、松倉氏、駒澤氏が返答をしていくというQAセッションに移行。お金の使い方から、アニメやゲームを文化としてアーカイブすることについて、御三方の意見や考えはいったいどのようなものなのか、今回は議事録形式でご紹介します。


    ■出演(写真左から)
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    イケダミノロック(ゲーセンミカド店長)
    駒澤敏亘氏(株式会社モス代表)
    松倉友二氏(アニメプロデユーサー) 


    ■その1
    ソーシャルゲームに毎月1、2万円は課金しています。お金をかけて得るのが「データか物か」というお話もありますが、みなさんはどうお考えでしょうか?


    駒澤氏:要はいかに自分のカタルシスを得られるかってことですよね。昔はその方法が物しかなかったけど、今は物以外にもデータとかいろんな方法があるだけなんじゃないかな? データだからダメとか、物だからいいっていうのはあんまり関係ないのかもしれない。

    イケダ店長:ちなみに駒澤さんより映画のフィギュアを持ってる人っているんですか?

    駒澤氏:ぜんぜんいるよ。俺の場合は、家や会社でゴミ扱いされるようなものを「SF-BAR FLUX(神田店新宿店)」で使おうという考えがあったけど、ストイックに集められている方もいる。でも、50代を超えてるコレクターも多いので、断捨離というか終活も始めるんですよ。そうすると、オークションとかに出る前にコレクター内のコミュニティ(10、20人)でそういう噂が流れてくるので、電話やメッセージで「何を出すんですか? 先に見せてくださいよ」って連絡する。最近は中国のコレクターがすごくて、俺が出そうとした値段の倍以上を平気で出してくる。

    イケダ店長:聞いてて思ったんですけど、アーケードゲームの基板と変わらないですよね。捨てられたり、壊れたりで数が減ってるし、海外のコレクターに買われてることで定価と変わらない値段になってる。10年前に俺が『グラディウス』のROM版を買った時は25万円ぐらいだったのが、今だと170万円ですもん。

    駒澤氏:歳をとって思うのは、物ってあの世に持っていけないんだよね。周りで終活する人が増えているから、“お金を払って保管役をしていたんだ”ってことに気づいた。だからデータと何が違うんだろうって。

    松倉氏:物を残すという意味では、アニメ業界でもメディアの移行として話題になるんですよ。フィルムはクオリティの高い保存メディアではあるけど、劣化や保存の難しさみたいなのがあって、マスタリングやテレシネをどうやるのかで費用もバーッと上がる。何をアーカイブするのかという議論になった時、面白いのもつまらないもの残すという話になるんですが、当時のクライアントが倒産して権利がいろんなところに移ってるものもあれば、「(諸般の事情で)本当にやめていただきたい」っていうものもあったりで。

    駒澤氏:臭いものにフタをするのではなく、臭いものもありましたっていうのがアーカイブだよね。

    イケダ店長:よくセイブ開発の浜田社長とも話すネタのひとつに「製品か、作品か」っていうのがあって。ゲームセンターに儲かってもらう「製品」であることが大前提で、稼がないゲームなんてそもそもアーケードゲームとして存在してる意味がないんですよ。だから僕は残さなくてもいいんじゃないかなと思うんです。『爆突○銃艇』とか『ピストル大名○冒険』とか(笑)。でも、駒澤さんが言ったように「アーカイブする」となった時、そういう作品もないとねじれちゃうんだよね。

    ■その2
    アニメ『ハイスコアガール』面白かったです! 続きを楽しみにしてます!


    駒澤氏:めちゃめちゃ面白かったですよね。3Dで描かれてるし、精度も高いけど、制作費としては合ってるの?

    松倉氏:あまり詳しくは言わないけど、ぶっちゃけ赤字ですが、俺の大事なタイトルなのでいいんです!

    駒澤氏:胸打たれたのはそこなのよ。押切さんの絵がどういうふうに動くのか、けっこう心配してたんだけど、自分の予想を超えた形で動いてたから、すげえなって。

    イケダ店長:原作が完結しているので、これで続編をやらなかったら煮え切らないですよね。

    駒澤氏:あの終わり方はないよ! 80~90年代のアーケードシーンを照らしてるから子供に見せたいなと思うんだけど「ゲーム下手でもいいじゃん! モテるじゃん!」って思っちゃいそうだから見せられない(笑)。松倉さんとしては自分がプロデュースしたり作ってきたアニメで好きなのはあるの?

    松倉氏:これはもういろんなところ言ってるからいいんだけど、僕が20歳の時に『超時空世紀オーガス02』、25歳ぐらいの時に『少女革命ウテナ』を作ってるんですが、これに限らず、手がけた作品はみんな出来がいい子たちばかりなので全部好きですよ。

    駒澤氏:最近はNetflixとかamazonプライムの動画配信サービスがすごいけど、「なにか一緒にやりませんか?」って松倉さんのところに来たりしないの?

    松倉:企画の成り立ちとか商売によっていろいろ変わるんですよ。ネット配信とか海外への番販も引っくるめていろんなメディアでお金を発生させる手法が成り立ってて、物によっては1000枚ぐらいしか売れてないけど続編が決まるものもあるし、最初から分割2クールで決められているものもあったりするし、一概には言えないですね。

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    ■その3
    ミカド池袋店のオープンおめでとうございます! これからの入れ替えに期待してます!


    松倉氏:さっき楽屋でも話をしたんですが、先日「池袋ミカド」に行ったんですよ。なんか新橋感(※)がすごいですよね。

    (※)新橋駅前にある「ニューしんばしビル」の中にはゲーセンが数店舗あり、脱衣麻雀をはじめ『上海』『コラムス』といったタイトルが稼動。サラリーマン、おじさんゲーマーのオアシスとなっている。

    イケダ店長:僕も「池袋ミカド」をやる前にランブルプラザを見に行ったら「ここにもオアシスがあった! ここは新橋だ!」って感動しましたよ(笑)。昔は山手線の各駅には必ずゲーセンがひとつはあって、いわゆる「上海おじさん」たちも各地にいたんだけど、『麻雀格闘倶楽部』が出たぐらいから、おじさんたちのオアシスがなくなっていったんですよ。ただ、「池袋ミカド」は新しいゲームも古いゲームを遊べる「ごった煮感」が強みかなと思ってます。

    駒澤氏:『オンゲキ』とか新しいゲーム入ってるもんね。

    イケダ店長:たとえば、プラモ屋だったらガンプラだけじゃなくて『名古屋城』とか売っててほしいじゃないですか、絶対に買わないけど(笑)。それと同じような感じですね。あと、もし俺がプラモ屋をやるとしたら、入り口に「作る人お断り」って書きたいですもん(笑)。『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』と『機動戦士ガンダムUC』もちゃんと買ってるんですけど、嫁さんに「これ何なの?」って聞かれるんですよ。そのたびに「投資だから、大丈夫だよ」って(笑)。

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     イベントの最後にはプレゼント企画も催され、イケダ店長からはHEAVY METAL RAIDENの1st.LP、駒澤氏からは未開封のPS版『雷電プロジェクト』やXbox 360版『カラドリウス』、そして松倉氏からはアニメ『ハイスコアガール』の台本や、なぜかPCエンジンCD-ROM2の『No・Ri・Ko』などが振る舞われた。

     「アーケードゲーム雑談」はゲーセンミカドからの持ち込みではなく、ネイキッドロフトさんによる企画のため、第3回目の開催を待ち望んでいる方は、Twitterなどで『「アーケードゲーム雑談3」を待ってます!』と書き込めば、もしかしたら実現するかもしれません!

     というわけで、「アーケードゲーム雑談2」レポートは以上、終了っ! お読みいただきありがとうございました!

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