ちょびの東京放浪記 その参
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ちょびの東京放浪記 その参

2015-05-08 21:24
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4月24日午前7時15分、新宿西口に着いた。予定通りの時間だ。高速バスやりおる。
しかし、ただでさえ重い体は10時間に及ぶ苦行でさらに重くなっていた。よろよろと
体を引きずりながらバスの外に出る。

荷物は放り出されるように添乗員に路上に置かれ、バスは次の目的地へと風の如く去って行った。新宿駅西口で降りた他の客もそれぞれの目的地へと無言で散らばっていく。

このバス停に立ち止っているのは僕一人だけとなった。ここが東京かあ。目の前のビルを見上げる。奇抜なデザインと天空にそそり立ついでたちに圧倒される。見渡せば、それに負けず劣らずの巨大な建築物が僕を囲んでいた。





あっけにとられて呆然としている僕のところに、颯爽と一人の女性が立ちははだかった。
「ちょびさんですか?」と明朗快活な発声でぼくの身元を確認してきた。「は、はい」と、
小さな声で返事をする。

その”颯爽”と現れた女性は「Kです」とこれまたはっきりとわかる口調で右手を差し出した。慌ててこちらも右手を差し出す。見た目によらずグッと力強く握手された。彼女は前日に
待ち合わせすることを約束していたK女史だ。

 彼女は三毛猫堂放送局のリスナーさんで、以前からずいぶんお世話になっていた方だったが、今回わざわざ仕事を半日休んで、ぼくの東京旅行に付き合ってくれたのだった。ありがたいことだ。

放送ではしょっちゅう(コメントを通じて)顔を合わせていたものの、実際お会いするのは
初めてだ。洗練された大人の女性という感じで、少しばかり緊張する。

 K女史によれば、バスから降りたち一人おどおどしている僕を、ニヤニヤしながら観察していたというのだ。なんというS気質なのだろう。東京の女性はやはりこわい。などと挨拶もそこそこに僕たちはその場から移動することにした。

 東京に着いて最初の目的地、それは東京都庁だ。新宿駅から目と鼻の先にあるということで、何気ない会話でお互いの緊張をほぐしながら、トコトコ歩いて向かう。先ほども書いたが、東京の建物はいちいちでかい。K女史にあれが都庁ですよと指差されてもどれだか分からない。

どれもでかくてメインの都庁が風景に埋もれてしまっているからだ。きょろきょろ探し回ってようやく都庁が目の前にあったことに気付いた。今まで映像でしか見たことのないものを目の前で現実に見るというのは何とも不思議な感覚だ。





凛としたその姿は都民1300万人の生活を支えるという気概で誇らしげにも見える。
残念ながら、早朝ということもあり展望台には登れなかったが、東京滞在1日目の最初にしてはいいものが見れた。

何とも言えない達成感を胸にさっさときびすを返して、僕たちは元来た道を引き返す。
まずはロッカーに無駄な荷物を預けることにした。重い荷物はつらかろうとK女史が提案してくれたのだ。

平日の早朝。東京はすでに忙しく動き始めている。通勤ラッシュの人混みの流れに逆らいながら、鯉の滝登りよろしく2匹の鯉は龍に成らんと新宿駅を目指すのであった。








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よくまぁ細かく憶えていらっしゃいますねw
S気質は認めますけどね、目線が違うといろいろ新鮮~と、 楽しく拝読させて頂いています。
58ヶ月前
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ども(・ω人)ども別段悪意はないので筆が滑ったと思って許してやってください。資料など見つつ、記憶を補強して書いているので実際とは微妙にずれがあると思います。私小説だと思って頂ければ幸いです(('ェ'o)┓ペコ
58ヶ月前
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