• 【第4位】プロが選んだ名作SF映画BEST100!【未知との遭遇】

    2014-11-04 20:50
    第4位は未知との遭遇です。それでは拙いご紹介ですがよろしくお願いいたします。
    ソースはこちらhttp://www.timeout.com/london/film/the-100-best-sci-fi-movies-10-1?pageNumber=7



    【第4位】  未知との遭遇 (1977)
              Close Encounters of the Third Kind



    監督 :スティーヴン・スピルバーグ

    脚本 :スティーヴン・スピルバーグ

    音楽 :ジョン・ウィリアムズ

    出演: ロイ・ニアリー :リチャード・ドレイファス
        クロード・ラコーム :フランソワ・トリュフォー
        ロニー・ニアリー :テリー・ガー
        ジリアン・ガイラー :メリンダ・ディロン
        バリー・ガイラー :ケリー・ガフィー
     

      

     昔、バミューダ・トライアングルで行方不明になっていた戦闘機や船舶がメキシコの砂漠で当時と全く変わらぬ姿で発見された。
     そのころアメリカでは謎の飛行物体が各地で目撃され、主人公ロイもそれに伴う停電の復旧作業に向かう途中で不思議な飛行物体と遭遇する。
     奇妙な体験後、憑りつかれたようにロイはあるイメージにこだわるようになった。何をしていてもふと頭の中にイメージが浮かび上がりそれを形にしないと気が済まないようになっていた。そのせいで家族との関係も悪化し妻は子供を連れて家から出て行ってしまう。
     一方インディアナ州に住む少年バリーは、夜中に家の中で何かが徘徊しているのに気付いた。家中のおもちゃが突然勝手に動きだしバリーはその正体を確かめようとするが、何者かの手によって誘拐されてしまう。バリーを連れ戻そうと家を飛び出したバリーの母ジリアンもまたロイと同じ奇妙なイメージに憑りつかれるようになるのだった。
     増加の一途をたどるUFO事件にフランスのUFO研究家クロード・ラコーム博士は、
    「第三種接近遭遇」に向けた計画を立ち上げ調査を開始する。そして”彼ら”から発信される
    電波から、ある場所が特定された。
     テレビでは山で発生した有毒ガスによって入山規制がひかれ地元の人々が退避している様子を映しだしていた。たまたまそれを見たロイはその山が自分の憑りつかれているイメージと
    うり二つであることに気付く。
     その山はデビルズタワーと呼ばれ、すでにラコーム博士のチームが基地を作り「その時」を待ちわびていた。
     デビルズタワーに近づこうとして軍に拘束されたバリーとジリアンは決死の覚悟で脱走し、山の頂上を目指した。そんな彼らの前に、様々な形と色のUFOたちが集まってくる。
     そして、超巨大UFOが山頂付近に現れた。時が来たと感じたラコーム博士は彼らと
    コミュニケーションをはかろうと5つの音階を鳴らしメッセージを送る。するとマザーシップから大音量でメッセージの返答が返されたのだった。




     スピルバーグが宇宙に興味を持ったのは5歳のころだったといいます。ある日の夜中、父親に叩き起こされ連れて行かれた野原で、見事な流星雨を見ました。そのときから宇宙への尽きぬ興味を胸にスピルバーグは映画監督になりました。
     若いころスピルバーグはUFOと宇宙人の存在を信じていたそうです。いつかUFOの
    映画を撮りたいと考えていた彼は、長年企画を温めていました。それがこの「未知との遭遇」でした。
     原題の「Close Encounters of the Third Kind」というのは造語で日本語では第三種接近遭遇という何だかよくわからない言葉で訳されます。第三種ということは第二種、第一種もあんのかよ!と皆さんが思われる通り、実はあります。一体これは何なのかというと、空飛ぶ
    円盤、あるいは未確認飛行物体と呼ばれるもの(と、それに関係する物体)を目撃、接触した際の科学的な分類を表しています。
     まず、第一種接近遭遇は空飛ぶ円盤あるいは未確認飛行物体を至近距離で目撃した場合、第二種接近遭遇は空飛ぶ円盤あるいは未確認飛行物体がその周囲に何らかの物理的な影響を及ぼした場合、そして第三種は空飛ぶ円盤あるいは未確認飛行物体の乗組員と接触した場合に分類されます。
     この三種類の分類方法は、J・アレン・ハイネック博士が提唱したもので、映画のタイトルも博士の言葉からとられていています。科学顧問としてこの映画にも参加し、エキストラとして映画のなかにも登場しています。
     J・アレン・ハイネック博士は、1940年代アメリカ各地でアメリカ各地で発生していたUFO(未確認飛行物体)事件を専門的に扱うアメリカ空軍調査機関プロジェクト・サイン、
    グラッジ、ブルーブックという組織に、科学コンサルタントとして参加していました。
     UFO現象を頭から否定するのではなく、徹底的な調査によって真偽を確かめる科学的アプローチはその後CUFOS(Center for UFO Studies)に受け継がれ、現在も調査が行われています。
     さて、ハイネック博士によると、UFO目撃情報の9割以上が見間違いや勘違いで、ほんの
    わずかなケースが、科学でも説明できない何かがあったということになるそうです。その何かを映画にしたのがこの「未知との遭遇」です。
     UFOを題材にした映画はそれまでいくつもありましたが、どれも子供だまし的なもので、
    一般にはくだらないものと考えられていました。同時期にジョージ・ルーカスがスターウォーズでリアルなSF映画を撮っていたのと同様にスピルバーグもリアルなUFO映画に取り組もうとしていました。そこで白羽の矢が立ったのが、J・アレン・ハイネック博士の「第三種接近
    遭遇」だったのです。
     ハリウッドで最も省エネな監督であるスピルバーグにとってこの「未知との遭遇」はかなり異質な作品です。制作のスタイルも長期にわたる撮影期間もスピルバーグらしからぬやり方はこだわりにこだわりぬいたもので、映画の公開後も映画スタジオに頼み込んで追加シーンを
    撮影したくらいでした。
     劇場版、特別編、ファイナルカットなど数種類のバージョンがあるのも彼のこだわりが今も続いていることを伺わせます。
     映画では、実際に起ったとされるUFO現象をモデルに主人公たちが、第一種、第二種、
    そして第三接近遭遇する過程をドキュメンタリータッチで描きだします。
     主人公の配役には当初、スティーブ・マックイーンが考えられていました。熱心に口説いたスピルバーグでしたが、自分には求められる演技ができないとやんわり断られてしまいます。他のビッグネームの役者にも断られ、困っていたスピルバーグに声をかけたのは「ジョーズ」(1975)で一緒に仕事をした友人のリチャード・ドレイファスでした。
     彼はジョーズの撮影中、この「未知との遭遇」の企画を聞き、主人公の座をずっと狙っていました。主人公ロイを演じられるのは自分しかいないと確信していたからです。
     しかし、スピルバーグは首を縦に振りませんでした。ジョーズのイメージが強すぎたため、ドレイファスには似合わないと思っていたのでした。半年の交渉の(口説いた)末、ドレイファスは主人公ロイに抜擢されます。
     映画の登場人物はどれも重要なものですが、なかでもとくに重要なキャラクターが、二人いました。物語をけん引するキャラ、フランス人UFO研究家ラコーム博士とエイリアンに誘拐される少年バリーです。
     スピルバーグにはどうしても一緒に仕事がしたいと熱望していた映画監督がいました。
    フランスヌーヴェルバーグの巨匠フランソワ・トリュフォーです。
     彼は堅物として知られていました。暴力は嫌いだから戦争ものや西部劇はとらない、政治には全く興味はない、SFは大嫌いと公言していたからです。一か八かでトリュフォーに自分の
    脚本を送ったところ、拍子抜けするほどあっさりと引き受けてくれたのでした。
     彼は噂とは180度違い、人格者でユーモアがあり、仕事に協力的で、それに大の子供好きでした。トリュフォーがこの映画に参加したことで、「未知との遭遇」はただのうさんくさいUFO映画ではなく、哲学的なテーマを持った高尚な芸術映画へと格上げされました。
    それほど彼の影響力は大きかったといえます。
     もう一人は、未知の生命体と初めて接触し誘拐されるという極めて難しい演技が要求される少年バリー役です。難しいオーディションの末二人の子供が残りました。そのうちの一人が
    ケリー・ガフィーです。とてもおとなしく聡明な当時3歳の少年ケリーは、全く演技の経験が
    なく、それどころか映画というものが何なのかさえ知りませんでした。
     しかし、彼は我々の記憶に残る名演技をこの映画で披露してくれます。彼への演技指導は
    ごくごく単純な物でした。ここに立ってとか、あっちを向いてとか、3歳の子供ならだれでもできる簡単な指示です。彼はただそこに立ち、指示された方向に向くだけ。
     ところがカメラには未知の生命体に驚き、怯え、笑い、そして涙するという難しい演技を
    見事に演じる彼の姿がありました。これには少しばかりトリックがありました。カメラに
    映っていないところでスタッフたちの涙ぐましい努力があったのです。時にはゴリラやピエロの着ぐるみを着て彼を脅かし、時にはおもちゃをちらつかせて笑顔にしたり、彼の表情を引き出すために様々なことが行われていました。
     彼は演じているのではなく本当に驚いたり笑ったりしていたのです。スタッフの苦労のかいがあって、彼は真に迫った演技(反応)を我々に見せ、この映画をリアリティあふれるものにしました。そんな工夫を施した撮影はドラマ部分を先にすべて撮るという方法で行われました。
     特撮に関する部分はデザインを始め全く白紙の状態で製作は進行していました。なので、
    役者は目の前に存在しないUFOやエイリアンを相手に演技しなければならず、大変な苦労を
    味わうことになりました。
     主要な撮影が終了してから本格的な特撮の撮影に入りました。特撮スタッフにはダグラス・トランブル、デニス・ミューレンなどスターウォーズにも参加した一流のスタッフが呼ばれました。
     まず最初に行われたのは当然ながらUFOのデザインです。当初は50年代SFに出てくる
    シンプルな円盤をモチーフにしていましたが、これではリアリティが出ず、すぐに方向性の
    転換がはかられました。企業のロゴやマークをモチーフにしたものをつくったりしましたが
    うまく行きません。
     そんな試行錯誤の中スピルバーグは闇の中に浮かび上がるまばゆい光のイメージをひらめきました。サーチライトのように強烈な光が様々な色を放ちながら乱舞するイメージです。
    こうして出来上がったのがネオンサインのようなUFOたちです。なかには実際に目撃されたUFOの形状をしたものがあったり、バスみたいな形のものがあったり、種類は千差万別。
     とりわけ異彩を放つのが、この映画のメインキャラクターともいうべき、”マザーシップ”
    です。スピルバーグ曰く”石油プラントのような構造物”の下に中華鍋みたいな丸いふたがついた(スタッフ曰く母親のおっぱい)とてつもなく巨大なUFOは映画のクライマックスを飾るのにこれ以上ない驚きを我々に与えてくれました。
     実際、撮影に使われたマザーシップの模型も巨大なもので全長150センチ重さは100キロ弱にもなりました。スモークを炊いた中での撮影は過酷で10分ごとにスタッフが入れ替わりで行われました。スモークには有毒成分が含まれ、長時間居ると危険だったからです。
     そんなマザーシップにはお遊びとしてR2D2が搭乗しているのはご存知でしょうか?ちらっとしか映らないので機会があれば探してみてくださいね。
     クライマックスのエイリアン登場シーンは色々なパターンが考えられた面白いシーンです。エイリアンを単なる人間の模倣にしたくなかったスピルバーグは、オランウータンに着ぐるみを着せることを思いつきました。
     しかし実際撮影を始めると、オランウータンは飼育係の言うことを全く聞かずセットの
    ライトにおびえて撮影どころではなかったそうです。次に小さな女の子に着ぐるみを着せ、
    カメラの撮影スピードを変えてエイリアンの異質さを表現しようとしました。カメラを低速で撮影し子供たちが素早く動くことで、通常のスピードで再生すると、エイリアンたちが高速で動いて見えるというトリックでした。
     エイリアンの動きは意図したものになりましたが、逆に人間の動きが不自然になってしまい(スローモーションで演技したもののうまくいかなかったようです)人間との”共演”はボツとなりました。
     続いて思いついたのは500人もの操者をつかった操り人形でした。手足の異常に長いエイリアンはインパクトたっぷりでしたが、どうやっても500本の糸を画面上から消すことは
    できず(今ならCGでちょちょいのちょいですね)残念ながらこれもボツとなりました。
     最後に試みたのは精巧なメカトロニクスを使った撮影でした。カルロ・ランバルディの
    作った人形はリアリティがあり、素晴らしい出来でした。
     後にカルロ・ランバルディは「E.T.」を手掛けます。このように様々なやり方で撮られた10万フィートにも及ぶエイリアンの撮影フィルムは、巧みな編集によって感動的なファーストコンタクトシーンとなったのでした。
     スピルバーグは絵だけでなく音にもこだわる監督です。「未知との遭遇」でもスピルバーグのこだわりが名シーンを生みました。エイリアンが挨拶として使う5音のフレーズはかなり
    初期の段階で完成していました。12個の音から5つを選び5つの音から旋律を作る。その組み合わせは13万4000通りもあります。ジョン・ウィリアムズは無限とも思える組み合わせの中からあの音階を選んだのです。この選び抜かれた音に合わせて映画の撮影は行われました。
     マザーシップが音に合わせて明滅するシーンは、フィルムに合わせて音を鳴らしているのではなく、音に合わせてマザーシップが明滅しているのです。
     スピルバーグが細部にわたってこだわり続けた「未知との遭遇」は大ヒットし”WATCH THE SKIES!”(遊星よりの物体Xからの引用)は合言葉になりました。
     スピルバーグが”夜空を見て”心をときめかせたのと同じように我々も「未知との遭遇」を見て宇宙の可能性に心ときめかせたのです。我々は孤独ではないと。
     
     この映画の壮大なオーケストラには「星に願いを」のフレーズが一部使われています。
     映画のラストで主人公ロイは、妻も子供たちも心の通じ合うジリアンも眼中になく、憑かれたようにマザーシップに乗って自分の夢をかなえるために宇宙へと旅立ちました。
     このシーンをスピルバーグは若気の至りだったと言います。年を取り守るべきものが多く
    なってから見直すと、あんなにあっさりとすべてを捨てて旅立つことはできないというの
    です。
     若き日のスピルバーグは、ロイのように後先考えずただひたすら自分の夢を追いかけ、
    無我夢中で
    映画を撮り続けていました。
     そして今ハリウッドで成功し何もかもが順風満帆に見える彼が、ふと後ろを振り返ったとき
    何を思ったのでしょう。
     5歳の時に見たあの流星雨にスピルバーグは何かを願ったはずです。その星への願い通り、夢はかなったのでしょうか?それともまだ夢はかなわず、追いかけ続けているのでしょうか?




    いよいよ次回からはベスト3のご紹介となります。プロが認めるベストSF映画は何か!次回をお楽しみにー
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  • 【第5位】プロが選んだ名作SF映画BEST100!【エイリアン2】

    2014-11-02 16:04
    ただ今編集中・・・ソースはこちらhttp://www.timeout.com/london/film/the-100-best-sci-fi-movies-10-1?pageNumber=6



    【第5位】 エイリアン2 (1986)
             Aliens





    監督 :ジェームズ・キャメロン

    脚本 :ジェームズ・キャメロン

    音楽 :ジェームズ・ホーナー

    製作 :ゲイル・アン・ハード

    出演: エレン・リプリー:シガニー・ウィーバー

        ニュート(レベッカ・ジョーダン):キャリー・ヘン

        ビショップ:ランス・ヘンリクセン

        ドウェイン・ヒックス:マイケル・ビーン

        ウィリアム・ハドソン:ビル・パクストン

        カーター・J・バーク:ポール・ライザー





    ノストロモ事件から57年後、コールドスリープ状態で宇宙をさまよっていたリプリーは、サルベージ船に救出される。貨物船の所有者であるウェイランド社にリプリーは詰問され、エイリアンのことも妄想だと決めつけられてしまう。エイリアンを発見した惑星LV-426で住民が消息を絶ったと知らせが入る。海兵隊のアドバイザーとして救出任務に参加したリプリーは、唯一の生き残り少女ニュートを発見する。襲い掛かるエイリアンの群れに海兵隊員たちは次々と殺され、ついには宇宙船に帰還する手段さえも失ってしまう。運の悪いことに降下船が墜落したことで施設の電気系統がシャットダウンし、核融合炉の冷却システムが止まり、4時間後に爆発することが分かった。タイムリミットが迫る中、予備の降下船を呼び寄せるまでリプリーとエイリアンの最後の戦いが始まる。





  • 【第6位】プロが選んだ名作SF映画BEST100!【スターウォーズ(新たなる希望)】

    2014-10-31 16:23
    投稿が遅れました申し訳ありません。
    それでは第6位 スターウォーズ(新たなる希望)のご紹介です。
    よろしくお願いいたします。

    ランキングのソースはこちらhttp://www.timeout.com/london/film/the-100-best-sci-fi-movies-10-1?pageNumber=5

    【第6位】 スター・ウォーズ(エピソード4 新たなる希望)                         (1977)

              Star Wars Episode IV A New Hope




    監督 :ジョージ・ルーカス

    脚本: ジョージ・ルーカス

    製作総指揮 : ジョージ・ルーカス

    製作 : ゲイリー・カーツ
        リック・マッカラム (特別篇)

    音楽 : ジョン・ウィリアムズ

    出演: ルーク・スカイウォーカー:マーク・ハミル
        レイア・オーガナ:キャリー・フィッシャー
        ハン・ソロ:ハリソン・フォード
        チューバッカ:ピーター・メイヒュー
        ダース・ベイダー:デビッド・プラウズ(演)
                 ジェームズ・アール・ジョーンズ(声)
        オビ=ワン・“ベン”・ケノービ:アレック・ギネス
        C-3PO:アンソニー・ダニエルズ
        R2-D2:ケニー・ベイカー
        グランド・モフ・ウィルハフ・ターキン:ピーター・カッシング





     遠い昔、はるか彼方の銀河系で…
     伝説のジェダイの騎士が滅亡して以来、宇宙は邪悪な銀河帝国に支配されていた。
    反乱軍は激しい戦いの中、秘密基地から究極兵器「デス・スター」の設計図を盗み出す事に
    成功していた。
     しかし、その設計図を携えた反乱軍指導者レイア姫が帝国軍に捕まってしまう。レイア姫は敵の隙をついて同伴していたドロイドC-3P0とR2-D2にその設計図を託し脱出カプセルに乗せるのだった。
     二人のドロイドは辺境の惑星タトゥイーンに不時着する。砂漠の住民ジャワ族に捉えられた二人はルーク・スカイウォーカーという青年に引き取られることになった。
     そしてルークがR2-D2を修理している時、レイア姫のホログラフが現れる。彼女はオビ・
    ワン・ケノービという人物に助けを求めていた。ルークはよく似た名前の老人ベン・ケノービ
    なら何か知っているのではないかと考えた。
     ところがその晩R2-D2が逃げ出し、探しに行ったルークたちはサンド・ピープルに襲われてしまう。危機一髪のところで彼らを助けたのは、ベン・ケノービその人だった。
     彼はかつてオビ・ワンと名乗り、フォースという謎の力を操るジェダイの騎士であり、
    ルークの父親と共に戦ったと語る。そして帝国にはフォースの暗黒面に堕ち、寝返った
    ダース・ベイダーという男がいてルークの父親はその男に殺されたのだという。
     オビワンはルークに共に惑星オルデラーンに行こうと誘ったが、ルーク自身は乗り気ではなかった。ドロイドとベンを宇宙港モスアイズリーへ連れて行くことになったルークだったが道中、帝国軍に襲われたジャワの死体を発見する。慌てて家に戻ったルークだったが、時すでに遅く育ての親であるオーウェン夫妻は殺され家は焼き払われていた。
     すべてを失ったルークはオビワンと共に旅立ちジェダイの騎士になることを胸に誓ったのだった。



    「何もないところからものを創りだしていると思っているのは、人間の驕りだよ。生まれて
    から今までのどこかで耳にし、目にした何かが、知らず知らずに入り込んだ記憶が、何かの
    きっかけで呼び覚まされて動き出す。そうやって創造していくんだと思うよ」
     世界中の監督から尊敬される黒澤明監督のお言葉です。ジョージ・ルーカスの作り上げた
    スターウォーズも映画界の先達によってコツコツ築きあげられた技法、演出、そして物語が
    なければ生まれることはなかったでしょう。
     ジョージ・ルーカスがスターウォーズを作るきっかけとなったのは、以前にもお話した通り、「フラッシュ・ゴードン」の映画化権を取得できなかったことに始まります。
    フラッシュ・ゴードンとは1930年代アメリカの新聞に連載されていたコミックの名称で
    「バックロジャース」と並び人気のスペースオペラでした。連続活劇として映画化され、
    ジョージ・ルーカスはこの連続活劇が大好きでした。
     10分から20分程度の短い映画が週ごとに更新され、続きをみたければぜひまた劇場で!
    と観客を映画館にリピートさせるのが目的の、今でいうTVドラマのミニシリーズのようなものでした。そのため低予算でチープなものが多く、勧善懲悪の分かりやすい物語になっていて、
    映画のクライマックスは主人公が崖から落ちそうになってしがみつくところで次回につづく!というような(クリフハンガーと言います)お決まりの展開は特に子供や若者に好評でした。
     ジョージ・ルーカスはどうしてもこの連続活劇フラッシュゴードンを映画化したかったの
    ですが、結局夢はかなわずオリジナルの連続活劇”風”の映画をつくることにしました。
    「遠い昔、遥か彼方の銀河系で...」とはじまるスターウォーズのオープニングはこういった
    連続活劇へのオマージュでもあったのです。ルーカスが当初、9部構成、あるいは12部構成
    だと言ったのは連続活劇としてスターウォーズをイメージしていたからなのです。どうしても連続活劇映画が作りたかったルーカスは、自分の企画を各映画会社に売り込みます。
    が、まったく相手にされませんでした。いまどき(1970年代)SF映画なんて誰も見たがらないと思ったからです。当時SFは子供だましの低級な物という印象がありましたし、時代は
    アメリカンニューシネマとフィルムノワールそれにディザスターもので、難解でダークな刺激の強い物が売れると考えられていたのです。
     ほとんどの映画会社で門前払いされたスターウォーズの企画を面白いと思ったのは、たった一人だけでした。予算、スタジオ、ストーリーあらゆる面で首を縦に振らない20世紀FOXの
    重役を説得し、ルーカスのサポートを続けたアラン・ラッド・Jrだけが理解者でした。
     その後、資金を自分で調達しながらもシリーズ全てを20世紀FOXで作ったのはルーカスが
    アラン・ラッド・Jrに恩義を感じていたからです。ルーカスはこの強力な後ろ盾を得て、
    スターウォーズの制作に乗り出しました。物語は世界中の神話やファンタジーを参考に普遍的なものになりました。連続活劇はわかりやすさが命だからです。キャラクターにはルーカスの敬愛する黒澤明監督の名作「隠し砦の三悪人」から拝借し、肉付けしていきました。主人公は
    カリフォルニアの片田舎で厳格な父親の元、レーサーを目指していた若いころの自分の投影であり、チューバッカは彼の愛犬インディアナがモデルです。ハン・ソロはルーカスの青春「
    アメリカン・グラフィティ」に出てくるハリソン・フォードそのもの。レイア姫は「隠し砦の三悪人」の雪姫と自分自身がお姫様のような(父親は歌手、母親は女優でハリウッド育ちの)キャリー・フィッシャーが演じ、オビ・ワン・ケノービは、厳格なサムライ(黒澤映画の常連の三船敏郎)をイメージし、C3-P0とR2-D2は同じく「隠し砦の三悪人」の太平と又七のやりとりがモデルとなりました。




     撮影準備が進む中、ルーカスにとって最も重要な事柄は特撮でした。この映画のため
    ルーカスは特撮専門の会社を立ち上げます。その名を「インダストリアル・ライト・アンド・マジック社」通称ILM。この新進気鋭の会社にはルーカスの要望に応えるべく若き才能が
    集まってきます。ジョン・ダイクストラ(スパイダーマン)を筆頭に、リチャード・エドランド(ゴーストバスターズ)、デニス・ミューレン(ジュラシックパーク)、フィル・ティペット(スターシップトゥルーパーズ)、ジョー・ジョンストン(ジュマンジ)、などなど。
    CGI部門ができたときにはあのジョン・ラセター(トイストーリー)も在籍していました。
     この映画のために開発されたモーションコントロールカメラを始め最先端の技術が費やされました。連続活劇が好きだったルーカスとはいえチープさをまねる事だけはやりたくなかったのです。最新の技術でB級スペースオペラ映画を撮る事が目標だったのです。しかし、彼らの力をもってしても、ジョージ・ルーカスの要求する”絵”は残念ながら出来ませんでした。
    余りにも要求が高すぎて、技術だけでは克服できなかったのです。特にカンティ―ナの酒場のシーンは最悪でした。豚鼻や着ぐるみ丸出しのエイリアンに、でかいカマキリ。ルーカスは
    頭を抱えます。自分の理想とあまりにかけ離れた”絵”に彼は「いやな予感」がしたのでした。 撮影は困難の連続でした。チュニジアの撮影では猛暑がスタッフたちを苦しめ、R2D2は、とにかく転びまくりました。出来上がったラッシュ(未編集のフィルム)を見て、ルーカスは確信します。スターウォーズは失敗したと。完成後、評論家たちからも散々な批評を受けルーカスは落ち込みます。しかし、「スターウォーズ」の噂を聞きつけていたSFファンたちの反応は全く違ったものでした。予告編や試写会で彼らは度胆を抜かれていました。これは今までのSF映画とは違うと誰もが感じていたのです。
     そして1977年5月25日、最初たった32館で公開された映画に長蛇の列ができていました(最終的には757館まで拡大)。噂が噂を呼び、スターウォーズは一大ムーブメントとなり世界を席巻します。1100万ドルで作られた映画は7億7500万ドルを最終的に稼ぎだしました。”いやな予感”は喜ばしいことに外れ、スターウォーズはファンたちに愛される存在になりました。評論家たちも手のひらを返したように、映画に革命を起こしたと絶賛しました。 映画演出・技術だけでなく、ルーカスはもう一つ革命を起こしていました。
    それは現在マーチャンダイズ商法と言われるものでした。ルーカスはスターウォーズの制作が始まったとき、ギャラの一部として映画の売り上げの一部をもらう代わりに、映画の
    パブリシティ権を20世紀FOXからもらうことを提案しました。当時の映画ビジネスは
    チケットの売り上げとパンフレット、そして映画館内の飲食代がすべてでした。
    映画のグッズなど作ってもだれも買わないというのが常識だったので、20世紀FOXは喜んでこの提案を受け入れました。ルーカスはこの権利を持つことで自分のスターウォーズ世界を
    守れると踏んでいたのです。
     ところが、これはルーカスに思いもよらない幸運をもたらします。映画のヒットに伴って
    ケナー社が販売したフィギュアが爆発的に売れたのです。これに味を占めたケナー社は映画に登場するありとあらゆるキャラクターをフィギュア化して販売します。その中にはボバ・
    フェットの姿もありました。彼は当初名前すらなくただ台本にバウンティハンターと書かれるだけの脇役でしたが、ファンから大人気となり名前が付けられ、のちに物語に大きな役割を
    果たします。フィギュアだけでなく、ありとあらゆるスターウォーズグッズが世界中にあふれかえりました。その売り上げはスターウォーズ3部作の興行収入をはるかに超えるものとなったのです。この利益を資金にルーカスは帝国とも言われるルーカスフィルム、スカイウォーカーランチ、ILMを拡大させ、プロデューサーとしての腕を発揮していくことになります。
    スターウォーズ以降、映画の技術だけでなく映画のビジネスも大きく変わっていくことになりました。すべてはここから始まったのです。
     ジョージルーカスが、ファンとスターウォーズ世界に関して大きな意見の差異があることは以前お話しました。なぜ彼はダークサイドに堕ちたと言われてまで、自分の作った世界に固執するのでしょうか?その答えのヒントが彼がスターウォーズ製作中の言葉にあります。「これは僕が12歳だった時のガラクタの集まりなんだ。好きだった本やマンガ、それに映画全部。プロットはシンプル-悪に対抗する善-で、僕の忘れられない楽しかったことやファンタジーなこと全部がひとつになるよう考えられてる。この映画の脚本(を書くこと)は楽しいよ。」スターウォーズは彼の思い出そのものだったのです。その思い出をそうじゃない!こうあるべきだ!とファンから指図されるのは彼にとって苦痛でしかなかったのでしょう。
     長年ファンとルーカスの間に確執が続きました。新作が公開されるたび、ファンは自分たちが求めているスターウォーズとは違うと文句を言い続けました。そんな中ファンを驚かせた
    事件が起こります。2012年、ディズニーがルーカスフィルムを買収したのです。
    これはルーカスが自分の大事な思い出をほかの者にゆだねることを決意したことを意味しました。これにファンは大きな不安を抱きました。自分たちのスターウォーズが、ディズニーに
    骨抜きにされるのではないか?と。いつのまにかスターウォーズはルーカスの思い出だけで
    なく彼らの思い出も内包するようになっていたのです。誕生から37年たちスターウォーズ・ユニバースは今、転換期を迎えています。
     ルーカスが子供のころ大好きだった映画や漫画によってスターウォーズが生まれ、当時
    スターウォーズが大好きだった子供たちが今、それぞれの新たな神話を作り始めています。
    ギャレス・エドワーズ、ニール・ブロムカンプ、J・J・エイブラムス、そして、ライアン・
    ジョンソンなど、SF映画界の”新たなる希望”は、未来の子供たちに「大切な思い出」の橋渡し役を担ってくれることでしょう。
     スターウォーズは未来永劫、我々の思い出(フォース)とともにあり続けるのです。



     スターウォーズはファンの方もたくさんいらっしゃるので私がつべこべ言うまでもありませんでしたね。新シリーズがとても楽しみです。さて次回は第5位のご紹介です。おたのしみにー