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【第4位】プロが選んだ名作SF映画BEST100!【未知との遭遇】
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【第4位】プロが選んだ名作SF映画BEST100!【未知との遭遇】

2014-11-04 20:50
    第4位は未知との遭遇です。それでは拙いご紹介ですがよろしくお願いいたします。
    ソースはこちらhttp://www.timeout.com/london/film/the-100-best-sci-fi-movies-10-1?pageNumber=7



    【第4位】  未知との遭遇 (1977)
              Close Encounters of the Third Kind



    監督 :スティーヴン・スピルバーグ

    脚本 :スティーヴン・スピルバーグ

    音楽 :ジョン・ウィリアムズ

    出演: ロイ・ニアリー :リチャード・ドレイファス
        クロード・ラコーム :フランソワ・トリュフォー
        ロニー・ニアリー :テリー・ガー
        ジリアン・ガイラー :メリンダ・ディロン
        バリー・ガイラー :ケリー・ガフィー
     

      

     昔、バミューダ・トライアングルで行方不明になっていた戦闘機や船舶がメキシコの砂漠で当時と全く変わらぬ姿で発見された。
     そのころアメリカでは謎の飛行物体が各地で目撃され、主人公ロイもそれに伴う停電の復旧作業に向かう途中で不思議な飛行物体と遭遇する。
     奇妙な体験後、憑りつかれたようにロイはあるイメージにこだわるようになった。何をしていてもふと頭の中にイメージが浮かび上がりそれを形にしないと気が済まないようになっていた。そのせいで家族との関係も悪化し妻は子供を連れて家から出て行ってしまう。
     一方インディアナ州に住む少年バリーは、夜中に家の中で何かが徘徊しているのに気付いた。家中のおもちゃが突然勝手に動きだしバリーはその正体を確かめようとするが、何者かの手によって誘拐されてしまう。バリーを連れ戻そうと家を飛び出したバリーの母ジリアンもまたロイと同じ奇妙なイメージに憑りつかれるようになるのだった。
     増加の一途をたどるUFO事件にフランスのUFO研究家クロード・ラコーム博士は、
    「第三種接近遭遇」に向けた計画を立ち上げ調査を開始する。そして”彼ら”から発信される
    電波から、ある場所が特定された。
     テレビでは山で発生した有毒ガスによって入山規制がひかれ地元の人々が退避している様子を映しだしていた。たまたまそれを見たロイはその山が自分の憑りつかれているイメージと
    うり二つであることに気付く。
     その山はデビルズタワーと呼ばれ、すでにラコーム博士のチームが基地を作り「その時」を待ちわびていた。
     デビルズタワーに近づこうとして軍に拘束されたバリーとジリアンは決死の覚悟で脱走し、山の頂上を目指した。そんな彼らの前に、様々な形と色のUFOたちが集まってくる。
     そして、超巨大UFOが山頂付近に現れた。時が来たと感じたラコーム博士は彼らと
    コミュニケーションをはかろうと5つの音階を鳴らしメッセージを送る。するとマザーシップから大音量でメッセージの返答が返されたのだった。




     スピルバーグが宇宙に興味を持ったのは5歳のころだったといいます。ある日の夜中、父親に叩き起こされ連れて行かれた野原で、見事な流星雨を見ました。そのときから宇宙への尽きぬ興味を胸にスピルバーグは映画監督になりました。
     若いころスピルバーグはUFOと宇宙人の存在を信じていたそうです。いつかUFOの
    映画を撮りたいと考えていた彼は、長年企画を温めていました。それがこの「未知との遭遇」でした。
     原題の「Close Encounters of the Third Kind」というのは造語で日本語では第三種接近遭遇という何だかよくわからない言葉で訳されます。第三種ということは第二種、第一種もあんのかよ!と皆さんが思われる通り、実はあります。一体これは何なのかというと、空飛ぶ
    円盤、あるいは未確認飛行物体と呼ばれるもの(と、それに関係する物体)を目撃、接触した際の科学的な分類を表しています。
     まず、第一種接近遭遇は空飛ぶ円盤あるいは未確認飛行物体を至近距離で目撃した場合、第二種接近遭遇は空飛ぶ円盤あるいは未確認飛行物体がその周囲に何らかの物理的な影響を及ぼした場合、そして第三種は空飛ぶ円盤あるいは未確認飛行物体の乗組員と接触した場合に分類されます。
     この三種類の分類方法は、J・アレン・ハイネック博士が提唱したもので、映画のタイトルも博士の言葉からとられていています。科学顧問としてこの映画にも参加し、エキストラとして映画のなかにも登場しています。
     J・アレン・ハイネック博士は、1940年代アメリカ各地でアメリカ各地で発生していたUFO(未確認飛行物体)事件を専門的に扱うアメリカ空軍調査機関プロジェクト・サイン、
    グラッジ、ブルーブックという組織に、科学コンサルタントとして参加していました。
     UFO現象を頭から否定するのではなく、徹底的な調査によって真偽を確かめる科学的アプローチはその後CUFOS(Center for UFO Studies)に受け継がれ、現在も調査が行われています。
     さて、ハイネック博士によると、UFO目撃情報の9割以上が見間違いや勘違いで、ほんの
    わずかなケースが、科学でも説明できない何かがあったということになるそうです。その何かを映画にしたのがこの「未知との遭遇」です。
     UFOを題材にした映画はそれまでいくつもありましたが、どれも子供だまし的なもので、
    一般にはくだらないものと考えられていました。同時期にジョージ・ルーカスがスターウォーズでリアルなSF映画を撮っていたのと同様にスピルバーグもリアルなUFO映画に取り組もうとしていました。そこで白羽の矢が立ったのが、J・アレン・ハイネック博士の「第三種接近
    遭遇」だったのです。
     ハリウッドで最も省エネな監督であるスピルバーグにとってこの「未知との遭遇」はかなり異質な作品です。制作のスタイルも長期にわたる撮影期間もスピルバーグらしからぬやり方はこだわりにこだわりぬいたもので、映画の公開後も映画スタジオに頼み込んで追加シーンを
    撮影したくらいでした。
     劇場版、特別編、ファイナルカットなど数種類のバージョンがあるのも彼のこだわりが今も続いていることを伺わせます。
     映画では、実際に起ったとされるUFO現象をモデルに主人公たちが、第一種、第二種、
    そして第三接近遭遇する過程をドキュメンタリータッチで描きだします。
     主人公の配役には当初、スティーブ・マックイーンが考えられていました。熱心に口説いたスピルバーグでしたが、自分には求められる演技ができないとやんわり断られてしまいます。他のビッグネームの役者にも断られ、困っていたスピルバーグに声をかけたのは「ジョーズ」(1975)で一緒に仕事をした友人のリチャード・ドレイファスでした。
     彼はジョーズの撮影中、この「未知との遭遇」の企画を聞き、主人公の座をずっと狙っていました。主人公ロイを演じられるのは自分しかいないと確信していたからです。
     しかし、スピルバーグは首を縦に振りませんでした。ジョーズのイメージが強すぎたため、ドレイファスには似合わないと思っていたのでした。半年の交渉の(口説いた)末、ドレイファスは主人公ロイに抜擢されます。
     映画の登場人物はどれも重要なものですが、なかでもとくに重要なキャラクターが、二人いました。物語をけん引するキャラ、フランス人UFO研究家ラコーム博士とエイリアンに誘拐される少年バリーです。
     スピルバーグにはどうしても一緒に仕事がしたいと熱望していた映画監督がいました。
    フランスヌーヴェルバーグの巨匠フランソワ・トリュフォーです。
     彼は堅物として知られていました。暴力は嫌いだから戦争ものや西部劇はとらない、政治には全く興味はない、SFは大嫌いと公言していたからです。一か八かでトリュフォーに自分の
    脚本を送ったところ、拍子抜けするほどあっさりと引き受けてくれたのでした。
     彼は噂とは180度違い、人格者でユーモアがあり、仕事に協力的で、それに大の子供好きでした。トリュフォーがこの映画に参加したことで、「未知との遭遇」はただのうさんくさいUFO映画ではなく、哲学的なテーマを持った高尚な芸術映画へと格上げされました。
    それほど彼の影響力は大きかったといえます。
     もう一人は、未知の生命体と初めて接触し誘拐されるという極めて難しい演技が要求される少年バリー役です。難しいオーディションの末二人の子供が残りました。そのうちの一人が
    ケリー・ガフィーです。とてもおとなしく聡明な当時3歳の少年ケリーは、全く演技の経験が
    なく、それどころか映画というものが何なのかさえ知りませんでした。
     しかし、彼は我々の記憶に残る名演技をこの映画で披露してくれます。彼への演技指導は
    ごくごく単純な物でした。ここに立ってとか、あっちを向いてとか、3歳の子供ならだれでもできる簡単な指示です。彼はただそこに立ち、指示された方向に向くだけ。
     ところがカメラには未知の生命体に驚き、怯え、笑い、そして涙するという難しい演技を
    見事に演じる彼の姿がありました。これには少しばかりトリックがありました。カメラに
    映っていないところでスタッフたちの涙ぐましい努力があったのです。時にはゴリラやピエロの着ぐるみを着て彼を脅かし、時にはおもちゃをちらつかせて笑顔にしたり、彼の表情を引き出すために様々なことが行われていました。
     彼は演じているのではなく本当に驚いたり笑ったりしていたのです。スタッフの苦労のかいがあって、彼は真に迫った演技(反応)を我々に見せ、この映画をリアリティあふれるものにしました。そんな工夫を施した撮影はドラマ部分を先にすべて撮るという方法で行われました。
     特撮に関する部分はデザインを始め全く白紙の状態で製作は進行していました。なので、
    役者は目の前に存在しないUFOやエイリアンを相手に演技しなければならず、大変な苦労を
    味わうことになりました。
     主要な撮影が終了してから本格的な特撮の撮影に入りました。特撮スタッフにはダグラス・トランブル、デニス・ミューレンなどスターウォーズにも参加した一流のスタッフが呼ばれました。
     まず最初に行われたのは当然ながらUFOのデザインです。当初は50年代SFに出てくる
    シンプルな円盤をモチーフにしていましたが、これではリアリティが出ず、すぐに方向性の
    転換がはかられました。企業のロゴやマークをモチーフにしたものをつくったりしましたが
    うまく行きません。
     そんな試行錯誤の中スピルバーグは闇の中に浮かび上がるまばゆい光のイメージをひらめきました。サーチライトのように強烈な光が様々な色を放ちながら乱舞するイメージです。
    こうして出来上がったのがネオンサインのようなUFOたちです。なかには実際に目撃されたUFOの形状をしたものがあったり、バスみたいな形のものがあったり、種類は千差万別。
     とりわけ異彩を放つのが、この映画のメインキャラクターともいうべき、”マザーシップ”
    です。スピルバーグ曰く”石油プラントのような構造物”の下に中華鍋みたいな丸いふたがついた(スタッフ曰く母親のおっぱい)とてつもなく巨大なUFOは映画のクライマックスを飾るのにこれ以上ない驚きを我々に与えてくれました。
     実際、撮影に使われたマザーシップの模型も巨大なもので全長150センチ重さは100キロ弱にもなりました。スモークを炊いた中での撮影は過酷で10分ごとにスタッフが入れ替わりで行われました。スモークには有毒成分が含まれ、長時間居ると危険だったからです。
     そんなマザーシップにはお遊びとしてR2D2が搭乗しているのはご存知でしょうか?ちらっとしか映らないので機会があれば探してみてくださいね。
     クライマックスのエイリアン登場シーンは色々なパターンが考えられた面白いシーンです。エイリアンを単なる人間の模倣にしたくなかったスピルバーグは、オランウータンに着ぐるみを着せることを思いつきました。
     しかし実際撮影を始めると、オランウータンは飼育係の言うことを全く聞かずセットの
    ライトにおびえて撮影どころではなかったそうです。次に小さな女の子に着ぐるみを着せ、
    カメラの撮影スピードを変えてエイリアンの異質さを表現しようとしました。カメラを低速で撮影し子供たちが素早く動くことで、通常のスピードで再生すると、エイリアンたちが高速で動いて見えるというトリックでした。
     エイリアンの動きは意図したものになりましたが、逆に人間の動きが不自然になってしまい(スローモーションで演技したもののうまくいかなかったようです)人間との”共演”はボツとなりました。
     続いて思いついたのは500人もの操者をつかった操り人形でした。手足の異常に長いエイリアンはインパクトたっぷりでしたが、どうやっても500本の糸を画面上から消すことは
    できず(今ならCGでちょちょいのちょいですね)残念ながらこれもボツとなりました。
     最後に試みたのは精巧なメカトロニクスを使った撮影でした。カルロ・ランバルディの
    作った人形はリアリティがあり、素晴らしい出来でした。
     後にカルロ・ランバルディは「E.T.」を手掛けます。このように様々なやり方で撮られた10万フィートにも及ぶエイリアンの撮影フィルムは、巧みな編集によって感動的なファーストコンタクトシーンとなったのでした。
     スピルバーグは絵だけでなく音にもこだわる監督です。「未知との遭遇」でもスピルバーグのこだわりが名シーンを生みました。エイリアンが挨拶として使う5音のフレーズはかなり
    初期の段階で完成していました。12個の音から5つを選び5つの音から旋律を作る。その組み合わせは13万4000通りもあります。ジョン・ウィリアムズは無限とも思える組み合わせの中からあの音階を選んだのです。この選び抜かれた音に合わせて映画の撮影は行われました。
     マザーシップが音に合わせて明滅するシーンは、フィルムに合わせて音を鳴らしているのではなく、音に合わせてマザーシップが明滅しているのです。
     スピルバーグが細部にわたってこだわり続けた「未知との遭遇」は大ヒットし”WATCH THE SKIES!”(遊星よりの物体Xからの引用)は合言葉になりました。
     スピルバーグが”夜空を見て”心をときめかせたのと同じように我々も「未知との遭遇」を見て宇宙の可能性に心ときめかせたのです。我々は孤独ではないと。
     
     この映画の壮大なオーケストラには「星に願いを」のフレーズが一部使われています。
     映画のラストで主人公ロイは、妻も子供たちも心の通じ合うジリアンも眼中になく、憑かれたようにマザーシップに乗って自分の夢をかなえるために宇宙へと旅立ちました。
     このシーンをスピルバーグは若気の至りだったと言います。年を取り守るべきものが多く
    なってから見直すと、あんなにあっさりとすべてを捨てて旅立つことはできないというの
    です。
     若き日のスピルバーグは、ロイのように後先考えずただひたすら自分の夢を追いかけ、
    無我夢中で
    映画を撮り続けていました。
     そして今ハリウッドで成功し何もかもが順風満帆に見える彼が、ふと後ろを振り返ったとき
    何を思ったのでしょう。
     5歳の時に見たあの流星雨にスピルバーグは何かを願ったはずです。その星への願い通り、夢はかなったのでしょうか?それともまだ夢はかなわず、追いかけ続けているのでしょうか?




    いよいよ次回からはベスト3のご紹介となります。プロが認めるベストSF映画は何か!次回をお楽しみにー
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