テレパシー(詩)
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テレパシー(詩)

2014-08-13 13:54

    むかーしむかし

    人々はテレパシーを持っていた

    人々はみな言葉を使わず意志疎通し

    心の喜びや痛みも分かち合えるようになっていた

    自分の意志は共有され

    他人の意志が入り込んでくる

    いわゆる心の声が声そのものだった





    あるとき一人が敵意を表したことがきっかけで争いが起きた

    そのやり取りは皆に共有されている

    皆はそれを観戦していた

    争う者の心は丸見えで

    観る者の心も丸見えで

    コミュニケーションによる心理戦そのものが戦いだった

    次第に観る者どうしで争いがおきるようになった

    争う者に与する者とそうでない者に分かれ争うようになった





    これを見た神は激怒し

    人々からテレパシーを奪った

    そして今があるのだが

    これには少しだけ続きがある





    テレパシーをなくした人々は

    初めて秘密の本心というのを自覚するようになる

    思ったことがすべて共有されていたときにはなかったことだ

    一部の人々は自分の本心が共有されないことに寂しさを感じていた

    そして

    彼らは秘密の本心を共有しようと努めた





    歌が言葉に変わった

    しかし本心をありのままに表現するに能わず

    むしろ違った意志疎通を生み出し

    より多様な刺激のある伝達方式が生まれた

    言語の誕生である





    彼らはこれに喜び

    意志疎通の多様性に喜び

    交わりの奥深さに目覚めたのである





    一方、他の人々は無を重んじ

    言葉を使わない意志疎通の研究に励んだ

    非言語の誕生である

    同じく彼らは意志疎通と交わりの深遠さに喜びを見出していた





    神はこれを見て不安になった

    この二種類の意思疎通がいつか交錯するとしたら?

    そして現代に至る





    対立は、まだまだ続く















    【注意】この詩はフィクションです。うp主の想像した部分が含まれています。


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