• ここ最近観た映画の感想☆彡 『ジョーカー』

    2020-02-08 21:285
    今更ですけど感想書いていきます(・ω・)ノ

    ジョーカー


     話題になったバットマンの宿敵「ジョーカー」の誕生秘話を描いた映画。
    中身はアメコミの皮を被った社会派映画でしたね・・・・。悪のカリスマになったんじゃなく勝手に仕立て上げられたって言った方が正解のような気がします。
     
     ジョーカーというキャラクターは作品によってそれぞれ性質が違っていてややこしいんですが、今回の映画【ジョーカー】はコミック【キリング・ジョーク】の設定をベースにアメリカン・ニューシネマやロバート・デ・ニーロが主演したマーティン・スコセッシ監督作【タクシー・ドライバー】【キング・オブ・コメディ】の要素を取り入れた作品になっています。またチャップリンの【モダン・タイムス】や監督が若い頃に観た70~80年代の映画からの影響も伺えます。

     ストーリーに関しては少しベタに感じました。主人公がどんどん病んでいき最後どこにいきつくのかという最終地点が非常に分かりやすかったです。まぁ「ジョーカー誕生」の映画なんで最後どうなるか大体予想はつくと思うのでしょうがない部分もありますが・・・・。

     しかし物語の展開の仕方はとても丁寧に作られています。こういうタイプの映画は健全で幸せな人物が破滅と絶望によって悪人になるってのがよくあるパターンなんですが、主人公のアーサー自身最初から不幸で病んでる人物として描かれていて更なる不運や自身の知られざる秘密を知って狂気に走るといった展開は感情移入がしやすく、「人々の感情を揺さぶる危険な映画」と言われるのもすごく納得できます。最後のジョーカーの演説もコメディを得意としたトッド・フィリップス監督ならではの風刺が効いていてよかったです。



     映画内容もよかったですが、この映画最大の魅力はアーサー扮するホアキン・フェニックスの怪演でしょう。今までのバットマン映画ではジャック・ニコルソン、ヒース・レジャー、ジャレッド・レトといった名優が様々なタイプのジョーカーを演じてきましたが今回の映画で完璧な役作りをしたホアキン・フェニックスは一人の精神不安定な青年が『怪物ジョーカー』になるまでを極限の演技で見せてくれました。ガリガリの身体が気色悪く動くシーン煙草を吹かしながら見せる階段でのダンスシーンは演出を含め素晴らしかったです。

     ホアキン・フェニックスは以前にも【ザ・マスター】【ビューティフル・デイ】といった映画で心に深い傷を持つ役を演じて高い評価を得ていました。今回のアーサー役は正にハマリ役でホアキン・フェニックス自身最高の演技といっても過言じゃありません。



     ジョーカーが社会派映画と言われるのには映画の背景に貧困層と富裕層の対立が描かれてる点にあると思います。70年代~80年代のニューヨークをモデルにしたと思われる今回のゴッサム・シティはバットマン作品至上最悪の治安の悪さで、とある事件をキッカケに映画終盤では貧困層による大規模な暴動が発生します。60~70年代のカウンター・カルチャーを彷彿させますね。

     今回のジョーカーの舞台は1981年。80年代アメリカと言えば誰もが『明るく活気のある時代』と想像すると思います。レーガン大統領の政策によりアメリカの景気は回復、映画界では70年代終盤に『ロッキー』や『スター・ウォーズ』が公開されると内容の暗いアメリカン・ニューシネマが終焉しSFや青春映画がブームになりました。そしてMTVによるミュージックビデオの流行、ビデオゲームの登場などアメリカのポップ・カルチャーは全盛期を迎えます。



     しかし80年代アメリカにも負の側面がありました。当時、不景気脱却を目的としたレーガン大統領の政策【レーガノミクス】によりアメリカは減税政策を行っていました。しかしこの減税政策は富裕層のみを対象としており貧困層には行われなかったのです。結果、所得格差は広がり富裕層は更に儲け貧困層の生活は貧しいままに。貧困層の治安は悪化、犯罪は多発しドラッグが流行しました。

     更に【強いアメリカ】を打ち出す為に多くの予算が軍事費に割かれます。その分予算が削減されたのは社会保障費教育費でした。教育費が削減されると公立学校の質は低下し富裕層の子供は私立に移り、貧困層の子供は這い上がる事が難しくなりました。そして女性の社会進出も相まって80年代の多くの子供が両親の離婚を経験します。富裕層に生まれなければ夢を掴めない、そんな80年代に青春時代を過ごしたアメリカ人の世代を【ジェネレーションX】と呼びます。成人した多くの【ジェネレーションX】世代は就職難にあった事から日本で言う【団塊ジュニア】世代とよく比較されます。

     トッド・フィリップス監督も丁度【ジェネレーションX】の世代です。このジョーカーにも80年代の負の側面が反映されているように思えます。


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     アメリカン・ニューシネマ的な作品であるジョーカーが大ヒットした事を考えると多くの現代人が今の世の中にどれだけ不満を持っているのか伝わりますね・・・・。個人的には丁寧な演出とホアキン・フェニックスの演技が見事な作品だと感じました。それにラストシーンがまんま【キング・オブ・コメディ】でしたね。ホアキンはオスカー確実だと思います。


     今回の記事はジョーカーで埋まってしまったので他の映画の感想はまた別の日に・・・。





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  • 今後のニコニコやYouTubeでの動画投稿について

    2020-01-11 19:5612
    YouTubeに投稿したが削除されて警告が来ました


    切り取ったポルノ映像(性的な場面)の使用はポリシーに違反するってことらしいです。
    これ以外の動画もポルノだらけなんだよなぁ。
    それで現在YouTubeでのアカウントは2週間の停止処分を受けてるみたいです。
    一昨年ニコニコに投稿したものは大丈夫でした。
    スマホ規制してるくせにニコニコの削除基準はガバガバ、はっきり分かんだね。
    アク■ード関連がアウトだったのでしょうか?それとも年齢制限?
    削除基準に詳しい人いたら聞きたいけど、どうなんでしょうかね。
    別に娘はYouTubeに拘ってないのでそんなに問題じゃないですけど。

    ↓拘らない娘(イメージ図)



    YouTubeでの投稿頻度は以前より減ると思います。
    ニコニコは通常通り動画投稿していきます。

    今のところ娘は動画作成する予定は無いそうです。
    BB先輩アワードも娘の機嫌が良ければ作るかも。

    ↓機嫌の悪い時の娘(イメージ図)




    今回はとりあえずただのお知らせでした(^^)/
    次回のブロマガには映画感想か好きな洋楽の記事でも書こうと思います。
    映画だったら「ジョーカー」とかかな。洋楽はべタに「オアシス」とか。
    もし映画や洋楽のリクエストがあれば次回のブロマガ内で取り上げるかもしれません。

    という事でそれでは!



  • 映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」について

    2019-09-01 19:0411

     クエンティン・タランティーノ監督作。1969年のハリウッドを舞台に落ち目の俳優とそのスタントマンの日常を描いた作品。



     落ち目のTV俳優リック・ダルトンは映画スターを目指すがなかなか芽が出ず苦心する。そのスタントマンであり大親友のクリフ・ブースはリックの事を懸命にサポートしていた。そんなある日リックの家の隣に映画監督ロマン・ポランスキーとその妻の女優シャロン・テートが引っ越してくる・・・・・

     レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットの2大スターが初共演したことで話題になった映画。
    Wikipediaに「スリラー映画」と記述されていますが完全に「コメディ映画」です。ピークが過ぎ情緒不安定な元TV俳優とそれを必死に支えるスタントマンら1969年のハリウッドに生きる2人と1人の女優の運命が描かれます。この映画はタランティーノが一緒に仕事した年配の俳優とそのスタントマンから構想されました。

     バイオレンスな内容が多いタランティーノ作品に珍しく過激な描写は少ないです。登場人物に悪人が少ないのも異色かもしれません。ディカプリオ演じる落ち目の俳優リック不安になるとすぐ泣きわめいたり、子役の少女に褒められ涙ぐんだりとすごく情けないです。対照的にブラッド・ピット扮するクリフはリックにとって兄弟以上の存在で常にクールな非の打ち所がない良き親友。こんなにカッコいいブラピ見るのもファイトクラブ以来の様な気がします。

     タランティーノ自身が好きなものを全て混ぜ込んだ本作は当時のテレビ番組や映画が登場したり次々に名曲が流れきたりと60年代終焉のノスタルジーが詰め込まれています。観ているこっちもあの時代に引き込まれます。今回の映画は「レザボア・ドッグス」や「パルプ・フィクション」のようなものを求めている人には合わないかもしれません。1969年ハリウッドの日常を淡々と映していてストーリーもどこに向かっているか分からない内容になっています。タランティーノが愛する映画、俳優、音楽、カルチャーそして彼が過ごした少年時代の時代背景を知っておいた方がより楽しめると思います。


     
     60年代当時のアメリカではベトナム戦争に対する若者の反戦運動が起き、カウンターカルチャーそしてその中から既成の制度、慣習、価値観念に縛られることに反抗したヒッピー・フラワームーヴメントが生まれました。愛と平和、フリーセックス、東洋趣味と神秘主義に行き着いた末に始まったLSDなどのドラッグの流行、ロック黄金期・・・・。シリアルキラーが知られる前の時代なので街中でヒッピーの少女たちがのんきにヒッチハイクする姿が映画で登場します。

     そしてハリウッド映画界でも大きな変化がありました。ベトナム戦争の参入でアメリカ政府に国民が不信感と懐疑心を持ちました。そんな世相から勧善懲悪なストーリーとハッピーエンドが多かった以前のハリウッド映画から打って変わって60年代後半から反体制が体制側に反抗する、無軌道に生きる若者の前に不条理な現実が立ちはだかり破滅するといった「アメリカン・ニューシネマ」がヒットするようになります。特に不良俳優デニス・ホッパーピーター・フォンダが組んで制作した「イージー・ライダー」が1969年に公開されると、既存のスタイルではない低予算映画でありながら大ヒットし本格的なアメリカン・ニューシネマの時代が幕開けしました。

     そんな60年代の終焉に生きる俳優リックとスタントマンクリフは複数人の人物をモデルに作られたキャラクターとなっています。かつて西部劇のTVドラマで活躍したという部分ではスティーブ・マックィーン、バート・レイノルズ、クリント・イーストウッドなどなど多くの俳優を彷彿とさせます。因みにバート・レイノルズが演じたキャラクター「クイント」タランティーノ監督の名前の由来になっています(本作にレイノルズが出演予定でしたが撮影直前にお亡くなりになりました・・・・非常に残念です)

     そしてマックィーンやバート・レイノルズには相棒ともいうべきスタントマンがおり、大物コンビとして名を馳せていました。これらもリックとクリフのコンビの元になっており映画内の彼らも大物を目指しています。

     リックはアル・パチーノ演じるプロデューサーマーヴィン・シュワルツにイタリアのマカロニ・ウェスタンへの出演を推薦されます。シュワルツは実在の人物で実際に人気に陰りを見せた俳優をイタリアや日本映画に斡旋していた人物です。当時海外に出稼ぎに行く俳優は数多くいました。代表格はなんといってもドル箱三部作で国際的に人気になったイースト・ウッドが有名ですね。その他にチャールズ・ブロンソンがイタリア・フランス映画などに出演し海外スターの地位を築きました。バート・レイノルズもマカロニ・ウェスタンに出演しています。しかしこれらはあくまで成功例であって、海外映画に出るも成功せず落ちぶれていった元TV俳優ももちろんいました。



     今回の映画の舞台となった1969年という年、ヒッピーにあふれるアメリカ社会に衝撃を与える事件が起きます。それが「オルタモントの悲劇」「チャールズ・マンソン事件」です。この2つの事件は愛と平和のヒッピー・ムーヴメントに大きな疑念をもたらし、理想主義的な若者たちが現実に引き戻されヒッピーの時代が終焉を迎える一つの遠因となります。

     「オルタモントの悲劇」はローリング・ストーンズのフリーコンサート中に興奮した黒人の観客と警備をしていたバイク集団ヘルズ・エンジェルスのメンバーが乱闘を起こした末にナイフで殺害された事件です。40万人もの若者が集まったにも関わらず3日間1人も死人が出なかった「ウッドストック・フェスティバル」に対して、観客が暴徒化しそれを暴力でねじ伏せたうえ殺人が起き事故死含め4人が亡くなり多数の負傷者を出したこの事件はロック史の汚点となりました。

     「チャールズ・マンソン事件」チャールズ・マンソン率いるヒッピーのカルト集団「マンソン・ファミリー」が引き起こした残忍な殺人事件の事で、ワンス・アポン・ア・タイム...ではその事件の1つ「シャロン・テート殺害事件」を扱っています。

    事件の詳細はこのサイトを参考して下さい。
    https://www.madisons.jp/murder/text/manson.html

     ワンス・アポン・ア・タイム....では殺害される直前のシャロン・テートの何気ない日常が描かれます。そこにはドラマ性はなく1人の女性として描かれており、悲劇の側面でしか語られない彼女の別の部分にスポットを当てています。四苦八苦しながら生活するリックとクリフ、それとは反対に幸せの絶頂を過ごすシャロン・テートの日常が作りこまれたセットと和やかな雰囲気で明るく映し出されます。この映画にあるのは当時の暗いイメージのあるハリウッドではなくタランティーノ監督にとっての夢の時代だったハリウッドなのです。

     しかしそんな夢の時代に潜む闇「マンソン・ファミリー」の登場シーンでは雰囲気は一変し映画内に異様な空気が流れます。

     カウントダウンのように日にちが過ぎていき、後に起きる惨劇を知る観客たちの緊張感が高まっていきます。しかしタランティーノ映画が普通に終わるわけがなく超展開のクライマックスを迎えることとなります。そして何とも言えない余韻が残るラスト・・・・。今までタランティーノ監督の映画を観て「面白い映画を観た」と感じていたのが「良い映画を観た」と感想が変わりました。長年映画製作に携わったタランティーノ監督の集大成といえる作品だと思います。

     もちろん万人に受ける作品ではないです。事前情報ありきで観なければ理解できない映画です。しかし映画の本質を知ることができれば飽きずに2時間41分間あの時代のハリウッドを堪能することができるはずです。サウンド・トラックも名曲ばかりで最高!CD欲しくなりました!

     
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     2019年後半、ジョーカー映画やスコセッシ監督の新作などまだまだいろんな映画が楽しめそうです。そして問題作になりそうなスター・ウォーズの新作。前作の記事を書いた頃は賛否両論の中そこまで悪い印象はなかったんですがネットじゃ今でも叩かれてますね・・・・。まぁ批判されている部分は擁護しようがないです。ライアン監督の印象もいろんな発言で悪くなったし。処女作「ブリック」やブレイキング・バッドの傑作回を作りあげた彼はどこにいったのやら。

     なんだかんだ新作スターウォーズがどうなるのか気になるところです。頼むぞJ・J。