NUKEとAEの違いについてザックリと解説
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NUKEとAEの違いについてザックリと解説

2015-04-15 14:53

    【2015/12/31追記】http://ch.nicovideo.jp/mo-ving/blomaga/ar859502
    NUKE無償版解説本を自作しました。よかったら買っていただけたら!

    コンポジットソフト「NUKE」が無償版公開
    https://www.thefoundry.co.uk/products/nuke/non-commercial/
    http://cgtracking.net/archives/35491

    「NUKEってなんぞ?」
    「話は聴いたことあったけど・・・」

    こういう人、割りといらっしゃるようで。
    1年弱ですが、AEと併用して使ってきた身として、同じコンポジットソフトのAfterEffectsとの差異などについてツラツラと書いていこうかなと。

    あくまで個人的な見解なので、間違っている箇所等あるかもですが、そういったことはコメント等でご指摘いただければと思います。
    後、割りとAEのライトユーザー向けなつもりで書いてます。
    ちなみに、国内の代理販売店ですと、1ライセンス約40万~という大変高級ソフトですので、個人で使用する分には無償版で扱える範囲に限られるかもです。


    ○NUKE無償版の制限(CGトラッキング様から引用・加筆)
    ・出力解像度はHDに限定
    ・いくつかのノード(AEでいうところのエフェクトのような物)が使用できない
    ・書き出しの際にH.264形式に非対応
    ・商用版で読み込む事が出来ない、暗号化されたファイル形式
    ・コマンドラインレンダリングの無効
    ・ビデオモニター出力が無効
    ・サードパーティープラグインの使用不可


    ●15/04/14 追記

    インストールすると、こういう状態でどれを起動したら・・・ってなると思います。
    基本的に「Non-commercial」版が無償版なので、これがついているのを使いますが、各バージョンについても説明します。
    「Nuke(無印)」:一番スタンダードな奴。一番安定して機能が使えます。基本的にはこれ。
    「NukeX」:最上位版。無印よりも機能が増えているが、正式ライセンスだとメチャクチャ高い。無償で使えるうちにこれマスターしておけば、現場では大活躍!
    「NukeAssist」:下位版。無印よりも機能が制限されているが安いので、マスク抜きを人海戦術でこなす時などに投入される。
    「NukeStudio」:最近追加された。PremiereとNukeを合体させたような、ノードベース編集ソフト。タイムラインが追加されている。


    ○NUKEって何?
    AfterEffectsと同様「コンポジットソフト」と呼ばれる合成に特化しているソフトウェアです。
    AEのレイヤー方式とは違い、ノード方式というやり方で合成を行っていきます。

    ノードとは、AEのエフェクトのようなもので「こういう作業をしてくれ」という命令が詰まった箱みたいなやつで、これを順番につなげていくことで最終的な画を作っていきます。
    AEでレイヤーを重ねればすぐにできることも、二つの素材を用意して「Marge」ノードを仲介しなてやらないと合成できません。
    また、AEの「タイムライン」の概念が存在しないため、編集ソフトのような使い方は難しいです。(近しい物は一応ある。9.0より追加されたStudioではAEのような使い方ができるらしい。記事主はStudio使用経験なし)
    編集的な使い方が難しい以上、カット単位でプロジェクトファイル(NUKEではnkスクリプトと呼ぶ)が必要になります。別途カットごとをつなげる編集作業が必要にもなります。

    しかし、AEとは違い、見た目に頼ることの多かった色調補正が数値によって管理されていたり、常にリニアで色管理ができたり、AEの上位互換のような機能が多数ついていたり・・・
    かなりいいことずくめです。


    ○全体的な長所短所
    ・長所
    リニアでの色管理が数値化、グラフ化されて見えるので、理論立てて合成ができます。
    そのため、実写を扱う際にとてつもない威力を発揮。
    3D空間の扱いが実際の3Dソフトに近く、オブジェクトへのプロジェクション等AEでは難しいことも軽くこなせる。
    「Roto」「RotoPaint」によるマスク作り、フッテージ修正の作業が非常に楽。
    自動保存がメチャクチャ優秀。

    ・短所
    ともかく1カットのクォリティをあげることに特化したようなソフトなので、上でも述べたように編集がほぼできないです。(ゴリ押しでやれなくはないですが)
    キーフレームはうてますが、AEほどの使い勝手はなく、モーショングラッフィクスは苦手としています。
    AEと同じことをやろうとしても、ノードで手間数が増えることが多々あります。
    「チャンネル」の考え方を理解していないと途端に詰まることが多く、場合によってはそれら合成のために数式を考えることがある。
    解像度が上がった際に、写真サイズの画像レベルだと描画処理がAEよりも遅い。
    内部のスクリプト言語がPythonを扱っているため、AEとスクリプト・エクスプレッションの互換性が全くないです。
    後付で行うエフェクト足しにほぼ向いていないです。


    ○3DCGに対するNUKEの長所短所
    記事主が3DCGが得意ではないので、さわり程度しか解説できないですが軽く。

    最大の長所は「マルチレイヤーファイル」の取り扱いが非常に簡易に行えることでしょう。
    「LayerContactSheet」でマルチレイヤーファイル内部の情報の確認を行い、「Shuffle」等で必要なレイヤーのチャンネルを引っ張り出してくることができます。AEですとこれを扱うのに、まずは無償プラグインをひとつ導入するところからスタートになるため、若干敷居が高いです。
    また、モデルデータを直接読み込んで内部の3D空間で管理をすることもできます。
    この場合のモデルデータはAEの3Dレイヤーのような擬似的なものではなく、完全に3Dとして扱われます。
    さらに、簡単なプリミティブモデルなら内部で生成できるため、AEでシェイプ押し出し等で苦労する部分がさらっとできます。(E3Dの簡易版が標準でついてるような感覚と思ってもらえれば)
    テクスチャのプロジェクション、投映のようなこともでき、まさに3Dソフトのような感覚で扱えます。

    短所としては、3D空間管理すらもノードで、きちっとした配列を組まないと作れないため、慣れるまで時間がかかることです。
    自由度が高すぎて、設定に時間がかかってしまう状態です。
    また、無償版では「WriteGeo」ノードが使えないため、内部で作った3Dの情報を3Dソフトへ返すような作業が出来ないことがあります。


    ○実写に対するNUKEの長所短所
    記事主が一番やってる分野です。

    ともかく色管理が数値化、視覚化されているため非常に楽。実写と3Dの色合せも、簡易なものなら「Grade」ノードを使って2ステップでポンポンと終わらせることができます。
    キーイングもAEと同じ「Keylight」がついてます。扱い方がノードベースの分、AEよりも若干複雑ではあるが、マスクをチャンネル情報で代用できる事で自由度が高く、作業効率が上がっています。
    トラッキングも精度はAEの比にならないほど高く、オブジェクトトラックのような高度なことを必要としなければ、マッチムーブはこれでいいだろ!って言いたくなるレベルです。
    マスク切りも「Roto」「RotoPaint」ノードが非常に優秀で作業速度が格段に上がります。

    短所としては、数値化されているため、見た目ではなく理論で扱うということです。数字やグラフと向き合うのにアレルギーある人は厳しいかと。
    3Dカメラトラック後のカメラデータは「WriteGeo」ノードが使えないためにほかソフトへの書き出しができないです。
    マスク切りした情報がめちゃくちゃバグりやすく、NUKEが落ちるときの約半分の理由がマスク作業です。


    ○個人的な使用方法
    自分は実写を扱うのがほとんどなので、キーイングやマスク作り、簡易な色の調整をNUKEで行い、フッテージ素材として書き出してからAEへ移動させます。
    AEでエフェクトを足したり、最終的な画作りをして、編集まで済ませてから最終の書き出しという感じでワークフロー組んでいます。

    一度、ソフトを移動する時にフェイルに書き出しをする手間が入ってしまいますが、時間効率を考えるとこれが一番早いかなと思ってます。

    NUKEで、簡易な色調整をしてからAEへという作業を試したのが下記作品になります。
    元ネタのアニメ側の色情報を拾ってから再現実写側へ適用する作業をしましたが、AEでトーンカーブ使って十数分掛かりそうな作業が、NUKEで「Grade」ノードで3分程度で終わり、作業効率は圧倒的でした。


    いろいろ書いてきましたが、NUKEがAEとはかなり違うシロモノっていうこと、違うなりに役割分担させると効率化が図れるということ、この辺りが少しでも伝わったなら大変嬉しいです。



    追記:せむさんが「LayerContactSheet」について画像解説くれました。トンクス。

    また、Rotoノードのフェザーという機能も触れ忘れました。
    これは、AEのマスクの各アンカーポイントごとにぼかしの設定を変えられる物だと思ってもらえればわかりやすいかと。

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