糸魚川の大規模火災が意外だったので色々調べてみた
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糸魚川の大規模火災が意外だったので色々調べてみた

2016-12-23 11:52
    まずは糸魚川市の火災で住む家や職場を失った方々に、心よりお見舞いを申し上げます。

    今回、平成の時代に地震でもないのに140棟以上を焼く大規模火災が起きたことはかなり衝撃的だった。さらには、本来冬の日本海側は、大陸の高気圧から時計回りに吹いてくる北風が、日本海で水蒸気を吸い上げてくることで、雪も積もるし湿度も高いという、火災と縁遠いイメージだったことで、さらに意外に感じた。そういうことで色々調べてみた。


    ちなみに西高東低のおなじみの気圧配置を描きました。大陸から風吹いて日本海で湿って雪を北側に降らせて乾燥し、山を越えてから吹き下ろすときに乾燥した分だけ温度が上昇した状態で吹き下ろすという感じ。


    そして火災当日はこんな感じ。低気圧が日本海側に入ったことで、反時計回りに風を吸い込みます。太平洋側は山間を中心に雨。山を越える段階で雨を降らせて乾燥した南風が日本海側へ。

    実際に糸魚川市の気象庁のデータを参考にしたところ。
    ・一週間ほど前に降雪、2日前には短時間の少雨
    ・普段の最高気温は平均でも10度を越えるくらいだが、当日は最高気温20度
    ・当日日中は10mを越える強い南風

    グーグルマップにて火元と発表されている場所付近にマーカーを置きました。



    見ての通り、各ブロックの中の道はかなり狭いものの、ブロックごとは狭くても4m、だいたい6m程度で片側1車線で歩行者も同時にすれ違えるさほど狭くない道が多い。古い町ではあるが、古くから都市としてある程度整備されている印象。東京のタクシー泣かせな一方通行だらけの古い住宅地と比べればかなり余裕がある。

    そして毎日新聞の写真特集を見るとこんな感じ。出火から4時間ほど後の様子。写真下が南、上が北の海側。火元の場所からほぼ真北に延焼して北の海側近くまで到達。各ブロック内の狭い路地の延焼より先に、広い道路も飛び越えて北に延焼している。ちなみに今朝のニュースを見る限り南の建物にはほぼ延焼しなかった模様。

    引用元・毎日新聞
    http://mainichi.jp/graphs/20161222/hpj/00m/040/004000g/1

    次に出火から10時間ほど経過した夜の様子。写真右上が南側、左下が海で北側、煙の向きが東向き。風の吸い込み先である低気圧が東に動いたことで、風の向きも東に変化。北に一直線に燃えた箇所から、東への面で延焼している。

    引用元・毎日新聞
    http://mainichi.jp/graphs/20161222/hpj/00m/040/004000g/1

    毎日新聞社のこちらの記事では、100m先に火の手が上がったという超遠距離な延焼が証言されている。何か燃えたまま巻き上げられて延焼したのかもしれない。
    http://mainichi.jp/articles/20161223/k00/00m/040/067000c


    今回の大規模火災の特徴的なところまとめ
    風が強ければ酸素の供給も早く、炎が強くなる。さらに風に煽られて道路を挟んだ建物にも延焼し易いし、さらに飛散物で遠くに火がつくこともある。火は水をかけ続けないとまた燃えるので、延焼の範囲が広くなると、延焼ペースに対し消火リソースが追いつかない。

    火災を防ぐためにできそうなことまとめ
    1.まず火元に注意して火災を未然に防ぐ。
    2.火災が起きても初期消火ができるように消火設備と、周囲の協力体制を用意しておく。
    3.強風では燃焼した飛散物で遠くに延焼することもあるので、煙で避難する場合も油断せず防火雨戸やシャッターがあれば閉めておく(普通に隣から延焼する際も熱によるガラス割れでカーテンから早期に延焼するのが防げます)。
    4.仕方がないときは命が大事なので逃げる。

    ちなみにwikipediaで糸魚川市の歴史を調べていたところ、この周辺では江戸時代から昭和初期にかけて300-700棟を焼く大火が頻繁に起きていた。古い町と言いながらやたら広範囲に区画整理されているのはこのせいなのかもしれない。

    ちなみに”火事と喧嘩は江戸の華”という言葉にもある、何度も江戸の街を焼き尽くした大火について。ほとんどの発生日時の冬で、日本海側で雪を降らせて乾燥した風が、山を下って関東平野に降りるフェーン現象によって延焼した可能性が高いとのこと。冬の日本海側の火災としてはレアケースでしょうが、逆に冬の関東ではいつ起きてもおかしくないケースなので、皆さん気をつけましょう!
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