ニコ生人気配信者の外部サイト移籍は、画質のせいって本当ですか?
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ニコ生人気配信者の外部サイト移籍は、画質のせいって本当ですか?

2017-03-10 19:23
    今日の項目はこんな感じです。
    ・配信者離脱の原因は画質ではない
    ・SNSの台頭によって、配信者の軸足が移った
    ・配信サイトのスイッチングコストが低下した
    ・いろんな配信サイトを活用する方が、多くの視聴者を獲得できる
    ・そんなわけでまとめ


    ニコニコ動画のプレミアム会員数が初めて減少に転じたのは、皆さんご存知の通りです。

    ニコニコ動画、プレミアム会員数が初の減少
    http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1702/09/news136.html
    1年前には予想できていたので、さほど驚きませんでした。ニコニコでは常に大量の入会者と退会者がいます。プレミアム会員導入時の会員数は、急激な上昇カーブを描いていたものの、だんだん角度がなだらかになり、2年ほど前からほぼ横ばいでした。退会が入会を追い越すのは時間の問題だったのです。恒例だったプレミアムアカウント増加発表が、一時期から音沙汰ないのはこのせいです。

    この件に関して、多くの人気配信者が他所に行ったからだ。そして、配信者が他に流れた理由は、画質が悪いからだという安易な批判が目立ちますが、本当にそうでしょうか?僕の見解では、原因はツイッターが一定数普及したからです。まずは画質についてから話していきましょう。


    配信者離脱の原因は画質ではない
    ニコニコ動画や生放送の画質は良いのかと問われれば、ツイキャスよりは綺麗ですし、YouTubeやabemaTVに比べれば荒いというのは、明白です。

    しかし、元々ニコニコの画質が優れていたことなどありません。画質の良いサービスが増えつつはありますが、元々画質では中の下のサイトです。「彼氏の顔がイマイチだから別れるわ」と言われても、「付き合う前からブサイクだけどな!」としか返しようないですよね。「むしろなんで今まで別れなかったの?」ということがポイントになりそうです。

    そもそもなぜニコニコは配信者に人気があったのか。その理由は、視聴者を自分で用意しなくても良い仕組みと、トップページやランキングの強い導線です。これは例え全く無名の配信者だったとしても、目を引くアイコンやタイトルがあれば目を止めてもらえるし、そこで面白い放送ができれば、必ず視聴者が獲得できるということです。

    動画・静画・ブロマガなど多くのサービスがありますが、それは例えれば多数のユーザーが回遊する大きな水槽です。配信者はトップページやランキング、リコメンド機能からのリンクという釣り針を垂らすことで、簡単に視聴者を獲得できる仕組みになっているのです。結果として、リアルや他のサイトから集客する必要がなく、放送に集中できます。このメリットで選ばれていたのです。

    それでは、なぜこうして視聴者を積み上げた人気配信者が、他のサイトで配信するようになったのでしょうか。


    SNSの台頭によって、配信者の軸足が移った
    ニコニコの配信者達は、以前は運営BAN(規約違反の放送をして削除)で放送ができなくなる以外の理由で、他の配信サイトに行くことは滅多にありませんでした。また、出ていった者の多くが出戻りしています。

    これには2つの大きな理由があります。まずは前項で述べたニコニコの視聴者獲得システムが強かったことです。もう一つは、ニコニコで築き上げた視聴者資産が、他のサイトに効率よく移転できなかったことです。普段使わないお知らせにURLを掲示して、それをクリックしてもらい、行き先でまた登録してもらうハードルが高いのです。

    よく日本でお金を貯めて、物価の安い海外で遊ぶという人がいますが、これは日本での資産をわずかな手数料で外貨に換金できることで成立しています。これがもし、日本のお金は換金できず、海外で使えないならば、誰もこんなことはしないでしょう。それと同じことです。

    しかし、この状況を大きく変えたのが、ツイッターを始めとするSNSの台頭です。特に匿名性の高いニコニコでは、同じく匿名性の高いツイッターとの結びつきが強いので、ツイッターに絞って話をします。

    人気配信者にとって、ツイッターは視聴者換金所として機能します。ツイッターをフォローしてもらえば、どこの配信サイトを使おうとも、自分が獲得した視聴者を呼び集めることができます。もちろんツイッターをフォローしてもらうのも多少のハードルがあるのですが、ここでニコニコにはこれを後押しするオウンゴールな機能があります。

    ニコニコ生放送では、視聴者が配信者の放送をフォローする機能(旧コミュ参)があり、それが固定視聴者を獲得する仕組みですが、このフォロー機能には数の制限があります。この制限の緩和を餌に有料課金を勧めるようになっていますが、この回避策としてツイッターをフォローが機能しています。要するに、ニコニコが課金圧力を高めると、ユーザーはそれを逃れてツイッターで配信者を追いかけるようになるのです。

    また、ツイッターは直接配信者とコミュニケーションが取れます。ちょうど先日ニコレポへのコメント機能廃止が発表されました。すでに動画投稿がツイッターで告知され、そこに直接リプライがやり取りされる状態ですから、完全に代替されたと言うことでしょう。

    ちなみに、ツイッターによって多くの配信者と視聴者が直接繋がるようになると、ニコニコマイページへのアクセスも減り、合間にトップページやランキングを経由しなくなるので、前述の視聴者獲得機能が低下するという影響もあります。最近ニコニコトップページの固定広告枠が頻繁に売れ残っているのは、このせいではないかと予想しています。

    まとめると、配信者と視聴者が繋がる場所が、ニコニコの一部の機能の不便さから、普及が進んだツイッター上へと流出していったということです。


    配信サイトのスイッチングコストが低下した
    このようにツイッターで直接視聴者と繋がるようになった人気配信者たちは、配信サイトを選ぶ自由を持つようになりました。配信サイト切り替えのスイッチングコストが一気に下がったからです。

    配信サイトは画質以外にも、様々な個性があり、メリットが違います。視聴環境がPC寄りかスマホ寄りとか、視聴者の年代や趣味性とか、さらに収入を得られる方法などです。知らない初見視聴者に暴言を吐かれないとか、ちょっと悪口を言ったくらいでは規約違反でBANされないというようなのもあるあるです。配信者は、自分にとってどれが最適なシステムかを、手持ちの視聴者資産のことを考えずに選べるようになりました。

    「俺はニコニコ一筋だから、他のやつみたいにあっちこっちでは配信しない」と豪語したくせに、ツイッターを始めてフォロワーが増えたら、急に他の配信サイトに行った配信者。皆さんはそういう人をたぶんたくさんご存知だろうと思います(僕はあまり見ないので知りません~)。また、逆にSNSをあまり利用しないまま移籍してみたら、全く鳴かず飛ばずで帰ってきた大手配信者もたくさんいると思います。多くは実力的に通用しないとかではなく、資産が換金できないケースでしょう。


    もう一つスイッチングゴスト低下に貢献した要素があります。OBS(Open Broadcaster Software)のような、マルチプラットフォーム型のストリーミング配信ツールの普及です。どの配信サイトでも同じソフトで生放送が可能で、同時に複数のサイトに配信することもできます。

    もともとニコニコ動画で多く使われているのは、NLE(Niconico Live Encoder)というニコニコ動画が提供する、ニコニコ専用配信ツールです。これはXsplitという海外のマルチプラットフォーム型のストリーミング配信ツールのニコニコ機能制限版です。本家Xsplitを使って同時配信をやる人もいましたが、海外サイトからクレジットカードでライセンス購入する必要があるなど、非常にハードルが高いものでした。ここに無料で高機能なOBSが普及したのです。

    OBSはNLEと比較して、高機能で高画質で安定している上で無料です。他の配信サイトを使わずニコニコだけで放送する場合でも、画質や機能を求める場合は、OBSを導入しているケースが多いです。そして、OBSが使えれば、いつでも他のサイトで放送を始められる環境ができているということになります。

    今の項目を逆方向から見ると、ニコニコが大きく育てた生放送市場の視聴ユーザーを、配信者にインセンティブを出して勧誘生放送ツイッター経由で横取りできる環境ができたことで、中小の配信プラットフォームが乱立しているのです。生放送しか機能がないようなサービスが、もしニコニコ初期のような市場で投下されていても、全く商売にならなかったでしょう。

    いろんな配信サイトを活用する方が、多くの視聴者を獲得できる
    配信者が他の配信サイトを利用する理由として、メリット比較以外にも重要なことがあります。それは、複数の配信サイトを利用するほうが、多くの視聴者にアクセスできるということです。

    各配信サイトには、現在それぞれにランキング機能が備わっています。さらに、他の放送を見ているとき、見終わったときに表示されるリコメンド機能もあります。同時に多くの配信サイトを利用していれば、そのサイト毎の視聴者獲得機能が利用できます。視聴者層の違いによって、同じサイトでやっても拾えない視聴者が拾えるのです。

    また、視聴者を選択できるメリットもあります。ニコニコ生放送では、広く視聴者を呼び込む普通の放送以外に、コミュニティ限定放送機能という自分を常に見てくれている人向けが選べます。

    これと同じように、ツイキャスであれば自分のツイッターをフォローしている人に向けて放送できますし、LINE LIVEならLINE@フォロワー向け、逆に知らないところで知らない人達に向かって放送するなんていうやり方もあると思います。

    また普段ニコニコで見せているペルソナとは違う人間として、全く違う生放送をするなんて人もいるでしょう。昔はよくニコニコ生放送でも「裏垢での本音放送」が行われていました。何回やるかも分からないのに、別アカウントで課金して放送していたのです。最近滅多に見られないのは、無料で好きなところで配信できるからでしょう。

    結局ツイッターがもたらしたのは、配信サイトのコモディティ化です。どこでやっても人を集められるのだったら、どこでやっても同じ。スーパーで洗剤を選ぶときに、そのとき値引率の高くなっている商品を選ぶように、配信サイトを選ぶようになったのです。各サイトがキャッシュバック増額機能をやる度にそちらに移動して、それが終わるとまた違うところへ行く。そういうことが頻繁に行われるのはこのためです。

    多くの配信サイトを同時に使うほうが視聴者を多く獲得でき、そのとき得なサイトを選ぶのも簡単になった。それが現在の状況を作り出しています

    そんなわけでまとめ
    だいたい納得いただけたのではないかと思います。まとめるとこんな感じです。

    元々ニコニコ動画は画質悪かったが、集客機能が優秀だったので、配信者に人気があった。
    →ツイッターが普及すると、配信者と視聴者が直接繋がるようになった。
    →ニコニコと他のサイトのどちらにも配信できるツールが普及した。
    →獲得した視聴者を連れて簡単に他に行けるようになった。
    →配信者に金を渡して、視聴者を連れてくるように勧誘する配信サービスが乱立。
    →大手配信者は、そのとき優遇してくれるところを行き来する渡り鳥となった。

    ニコニコは、ビジネスモデルがSNS普及以前に作られたもので、老朽化しています。それでも、月額課金は仕組みを変えてしまうと一気に解約されます。月額課金はちょっとくらい不便になっても辞めにくいというのがメリットなので、仕組みを変えるよりは現状維持になると思います。

    僕も頻繁に解約してやろうかと思うのですが(すでに2年で2アカ解約済ですが)、今期は不便を解消できるようにインフラの改築に大金をぶっ込んでいるみたいなので、もう少し見守ろうと思ってます。これがまさに月額課金の慣性ですが。

    あと、恩を仇で返す配信者はやっぱりクソだな!って感じもしますが、これもユーザーチャンネルで配信者が十分に食える環境が整わなかったせいなので、批判できないと思います。人気配信者がニコニコ一本で食えないというのは、夢がないですよね。

    今は配信サイト戦国時代だから、他のサイトの金払いが良いです。しかし、決着がつく頃には、YouTubeの広告収益のように絞られるでしょうから、配信者は年を食った上で食い扶持を絶たれる運命にあります。収入が1/3になっても他に行くところがないから我慢する時代が来ます。ちびっこ諸君は「俺は大手配信者になる!」とか言ってないで、学校の勉強をしましょうね(配信王くらいになれば稼げると思います)。


    この記事に関する嘲笑・罵倒・脅迫はこちらまで(^^)/
    https://twitter.com/moss3rd

    おまけ
    去年行ってみたらけっこう面白かった、阿蘇神社の火振り神事というお祭り。なんと社殿が地震でぶっ潰れたままだというのに、今年もやるらしいので、オススメしておきますw残念ながら後ろの楼門は、使える木材等を選別してだいたい片付けられております…

    http://www.dydo-matsuri.com/list/tadukuri/


    超絶コスパ厨を演じていたら、本気で暴言という石を投げられまくった最近の記事。
    【情弱ども乙】イチゴ狩りって絶対元取れないし”やりがい搾取”でしょww
    http://ch.nicovideo.jp/moss/blomaga/ar1199912


    1年前に台湾に行ったときの、夜空に空飛ぶランタンを飛ばすお祭り。寝る前向きですよ!


    こちらからは以上です。
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