KMD Forumで体験したオキュラスリフトを使った遠隔ロボットによるVR体験が凄かった話
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KMD Forumで体験したオキュラスリフトを使った遠隔ロボットによるVR体験が凄かった話

2014-11-26 11:50



    先日、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科で行われた第5回KMD Forumを覗いて来ました。「最新の研究成果を一般公開するイベント」と言うと堅苦しく聞こえますが、体験型の発表が多く学園祭のようなオープンな空気があります。「光学迷彩×攻殻機動隊」なんて展示もあったり。5年後10年後には当たり前になっているかもしれない未来の種がばら撒かれた空間はとても刺激的でした。

    さて今回はバーチャルリアリティ向けヘッドマウントディスプレイのオキュラスリフトを使った展示も多く出展されていました。被れば誰でも超人的な跳躍体験ができるお馴染みHiyoshi Jumpの進化版、成層圏まで飛べちゃう成層圏ジャンプなどが人気でした。その中でエンタメ・ゲーム系が目立つオキュラス界隈ではあまりお目にかかれない展示があり非常に面白い体験が出来ましたので記事に残しておきます。

    Enforced Telexistenceという名前の展示でしたが、離れた場所に存在している感覚を作り出すといった意味になるでしょうか。僕は専門ではないのであまり難しい話は出来そうにありません。技術的な話は公開されている論文等を調べて頂く方が良いかと思います。

    概要を説明しますと、両目カメラ・マイク・スピーカー・自分の姿が映るディスプレイ画面を搭載したロボットを遠隔操作し、双方向で転送される映像や音声を使ってロボット側の周囲の人とコミュニケーションが取れます。何やら非常に難しそうですね。

    実際することは単純です。体験者はまず椅子に座ってPCと接続されたオキュラスリフトとヘッドフォンを装着すれば準備完了です。操作は極めて直感的で、体を傾けた方向にロボットは移動し、首を向けた方向にカメラも向いてそちらの映像が見えます。これはオキュラスリフトに備わったヘッドトラッキング機能(傾きセンサーで頭の向きを検出)と、距離センサーと連携したものです。映像と音声はスカイプの要領で普通に会話できます。

    体を傾けて移動する感覚は、セグウェイやホンダのUNI-CUB(=「OK Go」のPVに出てくるアレ)に乗ったときとほとんど変わらず。映像のヘッドトラッキングに関しても、高速モーターで瞬時に追従し、3Dプリンタ等を使い自作された回転機構の稼動範囲は実際の首と同程度で、遅れやズレによる酔いなどは皆無でした。この辺の詰めは素晴らしかったです。

    やり始めて10秒程度で直感で操作することが可能でした。ついロボットの周囲の人に普通に声をかけてしまうほど違和感がなく、また相手からも自然に認識されていて、ロボットから自分を見たときには幽体離脱のような不思議な感覚になりました。現段階では実際にモノを取ったりは出来ずバーチャルハンドの表示のみとのことでしたが、今後はリアルハンドの実装も視野に入っているそう。別で首を乗り出す機構を備えたロボットもあり、視点の移動というよりも遠隔コミュニケーションの再現性を高める方向なのがいいですね。

    現在アメリカではIT企業を中心に自宅勤務が広まっていること、また国土の広さからWEB会議がかなり一般化されていると聞きます。そういう流れから既にテレプレゼンス・ロボットと呼ばれる会議代理出席ロボ的なものが実際に稼動しています。スータブル・テクノロジーズのBeamなどが代表的です。要件を伝えるだけではなかなか人の心は動かないという溝を埋める技術と言えるでしょう。

    今回体験したものが進化していけばビジネスのような用途だけでなく、遠くの子供や老いた両親と生身に近いコミュニケーションを取るためにロボットが使われるなんてこともありえるかも知れませんね。もちろん軍事技術を考えたときに、人の為に作られた建物や街の中を移動するのに現在開発が進んでいるマルチコプター型の小型ドローンでは不十分であり、そういう場所で人型に近いロボットを人が操作していく未来と言うのも存在するのかもしれません。


    さて、幽体離脱のように離れたまま動けて、目の前にいるかのようなコミュニケーションが取れるロボットを手に入れたら、皆さんはどんなことに使いますか?
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