オプジーボ(ニボルマブ)の薬価改定について
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オプジーボ(ニボルマブ)の薬価改定について

2016-11-17 17:25

    皆さんはオプジーボ(一般名ニボルマブ)という抗がん剤をご存知でしょうか?
    はい、最近薬価で色々騒がれてた薬です。
    ※薬価:簡単に言えば薬の価格。これは製薬会社が決めるわけではなく、国が決めるものなので公定価格とも言えます。

    この薬は抗体製剤で、かつ画期的な作用機序だったため、効果が優れており、当初の適応だった「根治切除不能な悪性黒色腫(皮膚のがん)」の患者さんには嬉しい話でした。

    ただ、抗体製剤であり、画期的な作用機序ともなれば、相応の薬価になります。
    事実、点滴静注20mg製剤は15万200円、100mg製剤は72万9849円でした。これは他の抗体製剤と比べても遜色ない価格です。
    (ちなみに他の抗体製剤で有名どころである、悪性リンパ腫治療薬のリツキサン(一般名リツキシマブ)は10mg/ml,50ml入り1瓶で21万3815円です。実際の負担価格は、投与スケジュール:レジメンによって変化するし、高額医療給付があるのでもっと安くなりますが、単純な価格だけの参考として挙げておきます。)

    ただ、このオプジーボ、何が問題かというと・・・この価格が日本人でよく発生する「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」に適応拡大されてしまったことなんです。

    非小細胞肺がんは肺がんの約80%を占めており、肺がんはがんの死亡原因の第1位です。そしてがんは日本人の死亡原因の第1位です。

    ・・・分かりますよね?日本にどれほど多くの非小細胞肺がんの患者さんがいるかという事が。
    それ全員に何も考えられずに、オプジーボを使用されたら・・・日本の保険制度が崩壊しかねない。そういう危機感があったからこそ、今回11月16日に中央社会保険医療協議会がオプジーボの薬価を50%引き下げる事を発表しました。

    この発表自体異例なんですが、本来は年度更新ごとに薬価が改定されてほぼ全ての薬剤の薬価が下がります。けれど、このオプジーボだけはそれを待たず2月1日から薬価改定が適応されるという更に異例な事態を起こしてます。

    それほどまでに危惧された問題だったわけです、オプジーボの一種の濫用が。

    ちなみにこの50%引き下げという数値には根拠が無いそうです。ただ、厚労省曰く「厳しく予想額を見積もるため」の設定だとか。
    こんなに薬価が引き下げられる薬はそう無いですよ。相当厳しく見積もられたなぁ、と思ったりもします。

    まあ、個人的には適正に使ってもらって、それで救われる患者さんが増えるなら良いんじゃないだろうか、とも思いますが、あくまで「国民皆保険制度を崩壊させない」という前提のもとで考えます。
    崩壊しちゃったら別のところで救われる命が救われない・・・なんて事態も引き起こしちゃうでしょうし。

    以上の長文になりましたが、ここまで読んで下さった方、有難う御座いました。
    次回は何を書こうかなぁ。


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