第141回日商簿記2級試験について
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第141回日商簿記2級試験について

2015-11-25 23:30
    先日受験してきた結果、86点で無事合格することが出来ました。

    簿記検定ナビさまの合格率分析によると、12/3現在発表時点の合格率は12.0%で、歴代のワースト合格率二位(第124回:12.4%)を下回る(上回る?)結果となり、注目しています。ちなみに合格率が低くなった試験の次の試験(142回)は大幅に簡単になるというのが例年の流れです。

    簿記検定ナビさま 合格率分析
    http://www.boki-navi.com/data/141-2.html

    ここで問題となるのは「問題のレベルが高くて合格率が下がった」のか、もしくは「受験者のレベルが落ちて合格率が下がったのか」のか、ということです。
    問題のレベルの難易に関しては資格予備校の先生にでもお任せするとして、問題の解答を参照しながら難しかったかどうかを答えていきたいと思います。

    第一問
    問1:源泉所得税 問題:
    現在保有している海山商事株式会社の株式に対する配当金80,000円(源泉所得税20%を控除後)が、当社の普通預金口座に入金された旨の通知があった。

    解答:
    普通預金 80,000  / 受取配当金 100,000
    仮払法人税 20,000

    株式の受取配当金が、20%の控除を受けて当座預金に入金されるケースでした。
    上記簿記検定ナビさまの解説では、市販テキストに記述されていないので「捨て問」とされていましたが、20%控除分を「租税公課」にするか「仮払法人税等」にするかという2択を悩む程度だと思います。
    ま、私は間違えましたけどね!
    試験の後で調べたのですが、今回の20%控除分は決算仕訳において「法人税等」「租税公課」のどちらに入れても良いそうです。しかしそれは決算仕訳で考えることなので、当座預金への入金時点では「仮払法人税等」に入れるのが適切でしょう。私はそう結論しました。

    問2:固定資産の購入 問題:
    会社事務所の増設工事(工事代金9,720,000円は工事完成前に現金により支払い済み)が完成し、固定資産等の勘定に振替計上を行った。工事の明細は、建物が7,000,000円、構築物が1,500,000円、修繕費が500,000円、共通工事費が720,000円であり、共通工事費は各勘定の工事代金比で配賦することとした。

    解答:
    建物 7,560,000  / 建設仮勘定 9,720,000
    構築物 1,620,000
    修繕費 540,000

    事前に支払っていた工事で建物と構築物を建て、修繕を行ったというケースでした。
    「建設仮勘定」は市販問題集でも必ず出てくるので分かりましたが、私は「建設仮勘定で修繕費を払った扱いにしていいのか?」というのが一瞬悩みましたね、そう解く以外に選択肢が無いので悩むも何もないのですが。3級ならともかく、工業簿記を学んだ2級受験者なら配賦は問題なくできるでしょう。

    問3:仕入割戻を誤って未収金に計上していた取引の買掛金を支払うケース 問題:
    山川商事株式会社に対する買掛金3,000,000円の返済時に、同社からの仕入値引・仕入割戻の合計500,000円が未収金に含まれていることが判明したため、これを相殺した純額で支払うこととし、当座預金口座から支払った。

    解答:
    買掛金 3,000,000 / 未収金 500,000
              / 当座預金 2,500,000

    これも簿記検定ナビさまでは「捨て問」となっていました。確かに市販問題集では見たことありません。仕入れの割戻し(仕入割引ではありません)では本来買掛金と仕入を反対勘定で一部取り消すのですが、この買掛金差引分を誤って未収金に含めたようケースです。
    これは「誤って計上した未収金で買掛金を消す」仕訳と「買掛金を普通預金で支払う」仕訳を行えばいいので、整理して考えれば問題ないかと思います。
    (修正仕訳)
    買掛金 500,000 / 未収金 500,000
    (発生仕訳)
    買掛金 2,500,000 / 当座預金 2,500,000

    問4:仕入と研究開発費の支払(税抜方式) 問題:
    双葉商事株式会社から、商品1,200,000円と研究開発のために使用する情報機器備品800,000円を、月末払いの条件で購入した。これらに対する消費税の税率は8%であり、取引は税込方式により記帳する。

    解答:
    仕入 1,296,000    / 買掛金 1,296,000
    研究開発費 864,000 / 未収金 864,000

    私が市販の問題集で練習していたときは、たびたび税抜方式・税込方式で間違えていたので、念入りに復習していたのが功を奏しました。間違いそうな点として「研究開発費」と「開発費」の違いがありますが、問題文に「研究開発」とあるので間違うことはないでしょう。

    問5:商品保証(引当金あり)を貯蔵品の消費で行った場合。
    最初読んだ時は意味がわかりませんでした。「『貯蔵品』って除却した固定資産でしょ?修理にどう使うの?」と考えました。思考の末、「カーナビが壊れた人がいて、除却していた自社の車のカーナビを外して付けて直してあげた」というイメージになりました(新品つけろよ!)。
    商品保証引当金が入っているので若干面倒ですが、商品保証引当金は貸倒引当金同様に「前期以前」の債務を事前に負債に計上しておいて、「前期以前」の商品保証を行うときに「商品保証費」の代わりに使うものです。問題集頻出なので、まぁ間違えないでしょう。

    第一問:16/20点 (1)○仮払法人税等→☓租税公課

    第二問:売買目的有価証券の残高式勘定記入問題
    あまり記憶が無いのですが、売買目的有価証券では決算時の合計を出して満足してしまい、次期の開始仕訳を書かなかったこと(-2点)と、未収有価証券利息という科目に馴染みがなかったので他の意味不明な自己流の方法で計算してしまったこと(-4)があったようです。
    計算は全て合っていました。見直しの時間を多く割けなかったので低得点を覚悟していましたが、14点取れたのは不幸中の幸いでした。
    この手の問題を解くときに思うのですが、独学者は特に帳簿記帳の問題が苦手だと思います。手元に実物の仕訳帳なんて無いわけですから、問題集の解答欄(実際の仕訳帳の抜粋)に指示に従うままに書き込むことしか出来ず、「摘要」欄に何を書くのか、「仕丁」番号欄に何を書くのか、チェックを入れるのはどういうときか、が理解しにくいと思います。一回でも実際の仕訳帳に記帳をした経験があるか無いかでは大きな違いがあると思いますね。

    第三問:精算表
    簿記3級の頃から精算表は一番好きでした。「期末残高に修正仕訳を入れてBSとPLに分割して純利益入れて完成!」の全体の流れを見やすく説明していると思います。
    唯一精算表で面倒なのが棚卸減耗損と商品評価損を商品原価に参入する仕訳がイメージしにくい点(この点は報告式BSが良いと思います)だと考えていて、商品原価に算入するパターンを熱心に勉強していたのですが、今回は両方共参入しないパターンでしたので、まぁ簡単でした。
    得意・好きな場所だったこともあり、最後の見直しで一番時間をかけたところでした。途中に計算を間違えていた(計算機入力ミス)ところに気づくことも出来て、満点を取れました。

    余談ですが、私は今回は本支店会計が必ず出題されないだろうという確信がありました。
    (もちろん本支店会計の勉強もしていましたよ)
    今度の日商簿記二級の検定範囲の改訂で、本支店会計の内部利益の仕訳が出題範囲から削除されるからです。「今回の試験で出題しない」という言葉を見つけたわけではありませんが、将来との整合性を考えてまず出ないだろう、今回は例年通り財務諸表だろうと考えていました。まさか2年(6回)ぶりに精算表が出るとは・・・。

    第四問:工業簿記(仕訳)
    問2~問5は工業簿記定番の仕訳のため大丈夫でしょう。
    問1では工場と本社が分かれている場合の仕訳で、後になって考えれば「買掛金」を「本店」と書く仕訳を知っているのか?という問題作成者の意図があった問題だと思うのですが、「倉庫に納入」の文面を読んだときに「倉庫?もう仕掛品になるんだな」と意味不明な勘違いしてしまい、「仕掛品 / 材料 」と仕分けしてしまいました。問2~問5まで製品を作るまでの仕訳だったため、問1もその流れに乗った問題だと勘違いしてしまいました。
    う~ん、悔しい。

    第四問:16/20点 (1)○材料 / 本社 →☓仕掛品 / 材料

    第五問:直接原価計算(CVP)
    第五問は勉強したほとんどの人が0点か20点だと思います。
    直接原価計算の報告式PLが提示されていて、損益分岐点ですとか安全余裕率を求める問題でした。まず最初に思ったのが「売上高はあるのに販売単価と販売個数が無い!」ということでした。結構パニックになりました。私は販売個数をXと置いて、Xを含めた報告式PLを書いてから解き始めるようにしていたのですが、販売単価も無いですし、販売個数も無いので計算で販売単価を求めることも出来ず、どうしよう、といった感じでした。
    報告式PLを自分でも書いてみて、売上高を2倍にすると貢献利益のところまで2倍になるのに気づいたので、損益分岐点では「貢献利益を何倍すれば営業利益が0になるのか?」などを考えていくことで、無事に満点をとることが出来ました。
    後になって考えれば、変動費率という着眼点で見れば簡単な問題だと思います。
    「細かいことは無視して売上を2倍したらが貢献利益が2倍だ」ってことは「変動費率が一定である」と言っているのと違いありませんもんね。

    以上、まとめると次のようになります。

    第一問:16/20点 (1)ミス 重点見直し箇所
    第二問:14/20点 3箇所ミス
    第三問:20/20点       最重点見直し箇所
    第四問:16/20点 (1)ミス
    第五問:20/20点
    合計: 86/100点 合格(70点以上で合格)

    前提:簿記3級合格(1年位前)・予備校通信教育一切なし・大学は理系
    勉強時間:30時間程度(読書時間を除く純粋にペンを持って机に向かった時間)
    使用教材:
     バブロフ2級(商業・工業)(10時間+読書)
     平成27年度日商簿記検定模擬試験問題集(20時間)

    以上です。ありがとうございました。
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