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第13回インターバルレクリエーション…富士総合火力演習(オンライン)
レクが実施されたのは2021年の5月22日(土)、雨模様のお世辞にも良い天気とは言えない中、ZoomのURLをクリックしたのが朝9:30頃。普段であれば夜8:00頃からスタートのインターバルレクリエーションが、この日に限って朝からだったのがやけに記憶に残っています。なぜこんな書き方になっているのかというと、このレポートを書いているのは2022年2月12日(土)、もう半年以上も前の事を思い返しながらのレポートとなります。
この日MAAメンバーで集まったのは、自衛隊が一般公開をしている訓練「富士総合火力演習」のネット放送を見るためでした。「総火演」と略される事が多い、この演習は1961年(昭和36年)から行われているもので、もともとは陸上自衛隊富士学校の学生に火力戦闘の様相を認識させる目的で始まり、1966年(昭和41年)からは自衛隊に対する国民の理解を深める目的で一般公開を行っています(Wikipediaより引用)。
私自身は富士総合火力演習(以下総火演)に参加したことはないのですが、一度は行ってみたいと思っていたイベント。MAA会員の中には参加したことがある人がいたので、レク中にその時の感想や、撮影した写真を共有してもらったりしました。大変うらやましく、次に機会があれば絶対に参加したいと思ったものです。
今回の総火演は前年に引き続き、コロナ禍ということで一般の現地参加はなく、オンラインでの一般公開のみ。新型コロナが落ち着いてくれば、また一般開放も出来るのでしょうが、いつになるのでしょうか。2022年2月12日時点では東京の罹患者は日あたり2万人弱と、まだまだ光は見えていない状況です。
ネットでの観覧という事で、正直迫力は求めていなかったのですが、実際に見ると迫力がすごく、すぐに会場の一種ピリピリとした雰囲気に飲み込まれるように見入ってしまいました。私は自衛隊の装備品には詳しくないのですが、要所要所に差し込まれる説明資料や解説アナウンスにより「次は何の目的で何をする」や「ここは見所」といった事が良く分かりました。また、現地に行っていたら逆に豆粒ほどにしか見えなかったであろう場面も、望遠レンズのおかげでよく見え、逆にオンラインだからこそ享受できる利点もあることが分かりました。
演習の終盤、本来であれば「空挺降下(パラシュート部隊の降下)」が見られるのですが、あいにくの天候のため中止となり見られなかったのが心残り。現地で見られるようになる事を願いながら総火演のスケジュールは無事終了となりました。
総火演のネット観覧が終了した後、Zoomにて会員同士で感想会を行いました。会員に詳しい方がいたため、途中のかけ声のタイミングや、現場での雰囲気などについてのレクチャーなどもあり、大変熱量のある感想会となりました。ネットレクリエーションで毎回出る話題なのですが、「現地に行ってみたい」「現物に接したい」という意見が今回も異口同音に発せられました。もちろん有事がおきず、これらの訓練があくまで訓練で済む世界であれば良いという意見があった事も付け加えさせて頂きます。このレポートを書いているのはウクライナ危機真っ只中という事もあり、平和を祈念せずにはいられません。
最後に普段であれば経験できないイベントに参加するきっかけを作ってくれたMAAの会と、参加者の皆様に感謝の意を表させて頂きます(普段気恥ずかしくて言えないのでw)。
記:uehatsu
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第20回インターバルレクリエーション…ニコニコ美術館「ウポポイ国立アイヌ民族博物館を巡ろう」
今回のインレクは、ニコ美でタイムシフト視聴できる「ウポポイ(民族共生象徴空間)国立アイヌ民族博物館を巡ろう」 (https://live.nicovideo.jp/watch/lv327832483)を視聴しての感想会でした。時間は約2時間と結構長い番組でしたが、あっという間に見終わってしまった、と感じるほど、楽しく知見の広がるものでした。さて、まずは番組の概要から。進行を博物館展示企画室長である田村将人さん、解説を田村さんの恩師でもあるアイヌ語研究者、千葉大学教授の中川裕さんというキャストで、博物館のエントランスから始まります。冒頭で、展示物に添付される解説文についての話があり、ここに一つの特徴があります。解説文が多国語(最大8カ国)で書かれているのはよくあることですが、アイヌ語での説明文が一番上に書かれています。アイヌ文化を集めた、アイヌが主役であるということの現れですね。また、外国語で表現する場合、日本語で作られた解説文を他の国の言葉に訳すのが普通だと思います。当然、日本語をアイヌ語に訳したんだと思うでしょうが、この博物館ではアイヌ語が最初。まずアイヌ語ありきで解説文を作り、それを日本語なら、こういう言葉になる、というアプローチをしているそうです。さて、ここでひとつ問題が。アイヌ語は文字がない無文字言語なのに、どうやって解説文を書いたのか?回答としては、多くの研究者やアイヌ自身が文字表記を模索しており、そのうちの一つがカタカナ表記だった、ということになります。同じカタカナ表記でも小文字の代わりに半濁点のような小さな丸を上付き文字で付けている(ト゜)ものもあります。解説の中川教授が記した論文(http://www.aa.tufs.ac.jp/~asako/unwritten/01-nakagawa.pdf)によれば、アイヌ語の表記方法については定まっていない、というのが実態のようです。個人的にはカタカナ表記、中でも小文字を使った表現が、一般的な日本人には馴染みやすいことが、解説文をカタカナ&カタカナ小文字を使って表記した理由ではないかと思っています。この拙文を読んでいただいている方は、どうお考えになりますか?また、アイヌ語を訳しているわけではない、というのは、博物館のエントランスで最初に目に入る案内板でもわかります。番組で解説してくれていますが、展示室の平面図が書かれた案内板には、一番上にアイヌ語で「イコロトゥンプ(ロは小文字)」とあります。その下にある日本語は、「展示室案内」。慣れた外国語の翻訳の手法で考えると、「イコロ」が「展示室」で、「トゥンプ」が「案内」(またはその逆)と考えてしまいますが、アイヌ語での意味は、「イコロ」が「宝」で、「トゥンプ」が「部屋」。つまり「イコロトゥンプ」とは、「宝の部屋」という意味になります。展示室案内、とは似ても似つかない言葉ですが、でも言われてみればなるほど、と思いませんか?前段の繰り返しになりますが、このように「アイヌ語でどんな言葉になるか」で解説文を作り、日本語ではそれをどう表現するか、というアプローチで解説文が作られていますので、興味のある方は是非、アイヌ語の単語リストを見ながら読んでみてください。※リストによっては、先に書いた通り小さな文字の表現方法やンをムと表記するなど違うものがあります番組は、そこから展示室に続く通路を通って展示室に入り、様々な展示について解説をしていく、という流れで進んでいきます。内容を事細かにここで著していく、というのは、ネタバレにもなるので控えさせていただきますが、ニコ美ならではの流れるコメントの主たちを騒然とさせた事実についてのみ、書きたいと思います。中川教授は、マンガ「ゴールデンカムイ」の監修をされたことでも有名な方です。その「ゴールデンカムイ」のワンシーンが、事実とは違うことに、コメントがざわつきました。アイヌ研究者が監修したのに事実と違うとは!ということなんだと思いますが、それについては中川教授は「作者のオリジナル」と言われており、特に問題視してはいないようです。個人的にもマンガの表現としてはアリなんだろうな、と思います。そのシーンとは、アイヌ料理の一つである「チタタプ」(肉類のタタキ)を作る時、マンガではナイフで材料を叩きながら「チタタプ、チタタプ」と声を出してやるのだ、とヒロインが教えていたことが、事実とは異なるとのこと。実際には声を出すことはなく、黙々と叩くそうです。まあ、なんて事のない話ですが、マンガでそれをアイヌ文化だと信じていた方にとっては衝撃だったんでしょうね(笑)。「ゴールデンカムイ」についても、番組内では何度も言及されていたので、アイヌ文化をきっちり表現できている作品なんだろうなと思います。もう一つ、番組内では2020年の直木賞作品である「熱源」についても、言及していました。こちらも、北海道〜樺太の先住民族をしっかり調べて書かれた小説で、私も番組視聴後に読んでみました。小説なので、ストーリーは事実を元にした創作ですが、本当にあった事なんじゃ?と思わせる内容でした。実在の人物が多数登場していることも、そう感じさせる理由なのでしょう。…なんて書くと、初めからその辺りの背景を知っていたかのような口ぶりですが、実のところ、「熱源」は予備知識ゼロで読んでおり、物語の中心となる人物は創作だと思ってたんですね。それでも描かれる生き様はリアルだな、すごいな、と。ところが、今回のレポを書くにあたって色々調べているときに、たまたま見つけた中川教授の論文(http://www.aa.tufs.ac.jp/~asako/unwritten/01-nakagawa.pdf)に登場人物である山辺安之助や千徳太郎治、という人名があるのを見て実在の人物であると知り、本当の人生もある程度創作に反映させているのだろうか、させているとすれば、リアルに見えるのも当然だな、と自分の感想を補完してくれた気がします。「熱源」も、アイヌ文化やアイヌが日本やロシアから受けた仕打ちを、どぎつくならない程度に知ることができる良書だと思うので、興味のある方は、ぜひ読んでみてください。「熱源」は一気に1日で読み切りましたが、「ゴールデンカムイ」は、Amazonプライムビデオでやっているのを、少しずつ見てます(笑)。さすがに3シーズン36話一気見は、会社員には無理。さて、番組の説明や個人的な感想はこのくらいにして、レクの本番である感想会の話に移ります。十人十色とは、よく言ったもので、同じものを見てもメンバーそれぞれの琴線は異なり、それを共有することも感想レクの重要な目的ですが、今回もその趣旨は遺憾なく発揮されました。マキリ(小刀)の装飾木彫の技術がすごい、アットゥシ(木の内皮を糸にした織物)の柄が素敵、イナウ(祭具)と、九州太宰府天満宮の木鷽(きうそ)と作り方が似ているのはなぜ、などなど。実際、これらのアイヌ伝統の工芸品はとても美しく、高い技術力を感じさせます。また、文化交流があったとは思えないほど距離が離れた世界各地で、似たような工芸品が見られることは非常に多いですが、人間という生き物が根源的に求めるもの、考えることは近しい、つまるところ、人種なんてものは人間を分け隔てるものではなく、みんな同じ人間なんだということを感じさせます。様々な意見が出る一方で、レク参加者全員が完全一致した意見は、「現地行きたい」でした。各展示に添付された解説文もじっくり読みたいし、展示物のほとんどがレプリカとはいえ、その当時の加工技術に倣って作られたものなので、見応えもありますし、博物館の展示を見ることが好きなメンバーにとっては、当然の感想かと思います。国立アイヌ民族博物館は、ポロト湖の湖畔に作られた公園の一角でしかなく、公園内にはチセ(家屋)群が再現された場所やトンコリ(五弦琴)とムックリ(口琴)の演奏、体験など、アイヌ文化に親しむことができる施設が多数あり、おそらく一日楽しめるのではないでしょうか。オンラインで楽しめることもお手軽で良いのですが、やはり五感で感じたいというのは無理からぬ欲求ということでしょう。感想レクの中でも話題に上がりましたが、ポロト湖の湖畔に星野リゾート「界」ができたこともありますし、コロナが落ち着いたら、ぜひとも行ってみたい場所の一つになりました。コロナ禍が続く中であるため、今回もオンラインでの開催でしたが、1日も早くリアルでの開催ができるようになりたいものです。記:katahofuzuki -
第18回インターバルレクリエーション…宝塚歌劇「CITY HUNTER」「Fire Fever!」ライブ配信鑑賞
MAAでは毎年11月に全国レクリエーションを実施し、これまでに長野県、石川県、愛知県を訪問してきました。全国各地から会員の方々が現地に集合して文化施設などを巡りながら交流を深める1泊2日のレクは、いずれも忘れがたい時間となっています。
しかし2021年は、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえて開催が見送られ、代わりにインターバルレクリエーションを行うことになりました。それが、宝塚歌劇団雪組の東京宝塚劇場公演「ミュージカル『CITY HUNTER』-盗まれたXYZ-」と「ショー オルケスタ『Fire Fever!』」の千秋楽ライブ中継鑑賞です。
ミュージカルの原作は、1985年から「週刊少年ジャンプ」で連載が始まり、コミックの累計発行部数が5,000万部を超える人気漫画「シティーハンター」。1987年にはテレビアニメ化され、各シリーズの主題歌からは数々のヒット曲が生まれています。特にエンディングテーマは、アニメ本編のラストシーンに重なるように流れ始める演出が印象的で、中でもTM NETWORKの「Get Wild」は今なおアニメと共に愛され続けているのではないでしょうか。
MAAとしては「このミュージカル『CITY HUNTER』で、あの『Get Wild』が歌われるの?!」というのが大きな関心事でもありました。また、「シティーハンター」の舞台になっている新宿はMAAの事務所もあるので、なおさら親近感も増すというものです。
そこで、東京公演の最終日にインターネット上と全国各地の映画館で行われるライブ中継を鑑賞し、その夜、Zoomで感想会を行うインレクが設定されることとなりました。
「宝塚歌劇」と聞くと、皆さんはどんなイメージを想起なさるでしょう。宝塚音楽学校の校訓「清く 正しく 美しく」や、劇団を構成する各組の「花・月・雪・星・宙(そら)」という名前から、厳しいレッスンを乗り越えて華やかなステージに立つ団員の方々の晴れやかな笑顔を思い浮かべる方も多いのではないかと思います。
団員の方々のそんな表情が大きく映し出されるネット中継は、宝塚の魅力が存分に伝わってくる素晴らしいものでした。
第一部の『CITY HUNTER』は、開演前の舞台上にアニメ版の楽しい雰囲気を取り入れた映像が投影され、これから始まる物語への期待感を高めてくれます。ところが幕が上がると同時に空気は一転、ハードボイルドな世界へとたちまち引き込まれていきました。
やがて場面は新宿に移り、主人公・冴羽獠を中心にそこで暮らす登場人物たちが歌とダンスを繰り広げます。そして、ほどなく――
獠を演じる雪組トップスターの彩風咲奈(あやかぜ さきな)さんが、銀橋を渡りながら歌ってくださった(感動したので尊敬語。「尊い」という意味に納得の尊敬語)のです。
あの、「Get Wild」を。
清く、正しく、美しく! そして、wild で tough に!
その後、物語は原作の要素をふんだんに盛り込みながら、ハードボイルドあり笑いあり、悪い人がいっぱいが出てきてああしてこうしてあれやこれやと展開していくわけですが、終盤、またも彩風さんが歌ってくださいました。
今度はアニメ版のもう一つのエンディングテーマ、「Still Love Her」を。
清い、正しい、美しい! そして、切ない……。
宝塚が「シティーハンター」を上演することが発表されたとき、原作のコミカルな部分を心配して「すみれコード的に大丈夫なのか」という反応もあったようですが、そんな心配も吹き飛ばす舞台でした。原作への敬意を随所に織り込み、劇団としての基本を大切にしつつ新しいものに挑戦する姿に触れ、つい沈みがちになってしまいそうな毎日の中、励まされているような気持ちになりました。
特に見入ってしまったのは、新宿の街を行き交う群衆シーン。主要キャラクターはもちろん、具体的な役名はない人物まで、それぞれの人がそこで生きている実感をもって演じられていることが伝わってきて、全員を目で追い切れないのが残念でした。
「Get Wild」の歌詞に「ひとりでは解けない愛のパズルを抱いて」という一節がありますが、この舞台では団員さん一人ひとりが輝くジグソーパズルのピースで、それぞれの場所にピタリとはまることで物語を完成させているのかもしれないな、などと考えながら、舞台は幕となりました。
第二部の『Fire Fever!』は情熱的な歌とダンスを中心としたショーで、「これぞ宝塚!」と思わせてくれる時間でした。トップさん以外全員がレオタード衣装に身を包んだ圧巻のラインダンスや、舞台奥の大階段から降りてくる定番のフィナーレからは、伝統を守り、受け継いでいくことへの誇りや矜持が感じられます。
その後のカーテンコールや千秋楽のご挨拶、この日の公演を最後に退団なさる団員さんたちの卒業セレモニーでは、皆さんのちょっとお茶目な素顔も垣間見え、温かい気持ちに包まれながら帰途につきました。
そしてZoom感想会では、各自が見に行った映画館でのお客さんの反応を報告したり、宝塚大劇場では衣装を着ける体験ができるそうなのでいつか全国レクで行きたいねと話したり、いつも通りの和やかな時間が流れます。この日の舞台を鑑賞していない方もいらっしゃったのですが、見ていなくても共通認識を持ち寄って楽しく語り合えました。そうできるのは、宝塚やシティーハンターがそれぞれ文化や作品として培ってきた力があるからこそなのでしょう。
こんなふうに、毎回そのとき触れる芸術を通して、続けていくこと、続いていくことへの気づきがあるのがレクの良さだなあと、再認識できた一日でもありました。
そういえば、「シティーハンター」の主要キャラクターである海坊主さんがちゃんと筋肉質の大男に見えたのがすごかった、という感想もたくさん出ていました。そう考えると、宝塚の演出力と演技力をもってすれば――
いつか、あのガンダムだって舞台化可能なのではないでしょうか。
いつか、あの「BEYOND THE TIME(メビウスの宇宙〔そら〕を越えて)」を、銀橋を渡りながらトップスターさんが歌ってくださるのではないでしょうか。あー、尊い……。
記:パピルス
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