先ほどの話の続きを書きます
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

先ほどの話の続きを書きます

2019-07-23 11:12

    まだ少し薬が効いているような感じを味わいながらそこに横たわっていた。しかし同時に頭はすっきりしていて、目覚めてすっかりリラックスしている、ゆったりとした感覚を満喫していた。

    それは数秒後、執刀医の言葉を耳にした時に変わってしまった。

    スタッフが作業をしながら動き回っていたところで、突然、執刀医の声が聞こえた。「メス」。私は凍りついた。「今、聞こえたのは何?」と思った。

    でも私にできることなど何もなかった。麻痺剤が効いていたのだ。麻痺剤は腹部の手術では一般的で、腹筋を弛緩させるため腹部切開時に筋肉の抵抗がさほどなくて済む。

    不幸にも、全身麻酔は効いていなかったのだが、麻痺剤は効いていた。

    私はパニックになった。こんなこと、現実に起こっているわけがない。そのため少し待ってみたが、執刀医が最初の切り込みを入れたのを感じた。あの痛みを表現する言葉など見つからない。ゾッとするようだった。

    目を開けられなかった。最初に、起き上がろうと試してみたのだが、動けなかった。まるで誰かが私の上に座って体重をかけているかのように感じたのだ。

    何か言いたかったし、動きたかったが、できなかった。あまりにも麻痺していたため、泣くための涙さえ出せなかった。


    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。