トゥーラトゥラトゥラトゥラトゥーララードドドシャーン! ドドドシャーン!(テーマソング)

インターネットの妖精ことぱぷりこです。連載「でも、結婚したい」のスピンオフ! ぱぷりこに恋愛・キャリア・レアポケモンの出現率を質問する「ぱぷりこに質問!」コーナー。

今回のテーマは「将来に後悔したくないけど結婚への希望がない」です!

ぱぷりこに質問!

ぱぷりこさんはじめまして。結婚のことについて筆圧失礼します。

2年後に国家試験と就活が控えています。これまでは自立のことのみを考えて猪突猛進していたのですが、ふと結婚や仕事など将来のビジョンが不明瞭であることに気づきました。

最低限自立することのみに重きを置きすぎたせいで、どういう結婚がしたいのか、どういう仕事をしたいのか、という部分がまったく想像つきません。

ついこの間まで鬱の母親を支えたり家庭内不和のせいで、もともと薄かった欲もほとんどなくなってしまいました。やりたいことはあるけれど、生きていくのに必要ないものはなんでもいい、どうでもいい、という気持ちが強いです。

カウンセラーからは「いまは休息のとき」と言われていて、そうしたいのはやまやまなのですが、休息の方法もよくわからないし、休息のせいで将来、後悔したくありません。

結婚や仕事も、将来の自分にとって後悔しない選択をしたいのですが、己の声に耳を傾けても「どうせひとりでも生きていけるし、どうでもいい」という回答しか得られず、未来の自分に考えてもらおうとしています。

このような場合、どうしておけば将来のリカバリーがきくでしょうか?

(カメさん/22歳)

結婚欲がなさすぎる結婚相談

うん、うん、ん? ん? なぜ最初が「結婚について」で、最後が「いま考えないのでリカバリー」なのでしょうか?

相談内容から「自立する」「後悔したくない」という気持ちはとてもよく伝わってきたのですが、トピックであるはずの「結婚」への欲望が微塵も感じられませんでした。こんなに結婚願望がない結婚の相談はあまりお目にかかれないのでビックリしています。

さっそく整理していきましょう。

カメさんの悩み

結婚について後悔しない選択をしたいが、今は欲望がないので、未来に考えようと思っている。将来にリカバリーできるようにしたい

やりたいこと

・自立したい、リカバリーできるようにしておきたい

やりたくないこと

・休息のせいで後悔したくない、結婚や就職で後悔したくない

・結婚

「いまは考えられないから後回し」とありますが、そもそもなぜ「結婚のことを考えなくてはならない」のでしょうか?

現在、結婚しない女性は4人にひとり、いずれは3人にひとりになると言われています。「結婚はしたい人だけがすればいいもの」であり、「したいという欲望がない人が考えなくてはならない義務」ではないと思います。まずはここらへんに思い込みがありそうです。

結婚は「考えるべきこと」なのか?

なぜ「結婚のことを考えなくてはならない」とカメさんが思ったのか、相談には書いていないので推測になりますが、理由としてはまず外圧が考えられます。

「結婚は女のしあわせ」「結婚は常識」「女なのに結婚できないなんて問題あるんじゃない?」「日本の出生率は下がっている! 女性は子どもを持とう!」といったうんコメント(うんこめいたコメントの意)が原因なら、スルーしましょう。

私たちは「選択の自由」という人権を保障されていますし、自分の人生を生きるのは自分だけです。他者の口出しなど聞いている暇なし!

もうひとつ考えられるのが「結婚すればよかった! と後悔したくないから、結婚のことを考えなくてはならない」です。「後悔したくない!」という霊圧はビンビン伝わってきますので、こちらの方っぽいなーと個人的には思います。

そもそも後悔ってなにかといえば、「過去にしたかったこと、すればよかったことをせず、後々になってああすればよかった、失敗だったと思うこと」です。

カメさんにとって結婚は「したいこと」には入っていませんが「すればいいこと」には入っているのかもしれません。

ですが、結婚は本当に「すればいいこと、すべきこと」でしょうか? いま、カメさんが大事にしているのは「自立すること」です。就職については、金銭的自立のために「するべきこと」ですが、結婚は「自立」に直接的な影響を及ぼしません。つまり「いまここで考えなくてはならないこと」ではありません。

実際、カメさんが何も結婚についてビジョンがないのは「それがいまのカメさんにとって必要ないことだから」ではないでしょうか。ない袖は触れないように、ない欲望へのソリューションはありません。

ない欲望へのリカバリープランはない

そして、リカバリープランもありません。リカバリープランとは、目的達成が思いどおりに行かなかった場合、目的を取捨選択し、手元にある情報や武器で戦うことです。つまりこれも目的があってこそのもので、ない目的が出てきたときのリカバリープランはありません。

カメさんは「登山家になりたいと思ったときにリカバリーできるか」「外国に引っ越したくなったときにリカバリーできるか」「ベンチャー企業で働きたくなったときにリカバリーできるか」を考えようと思いますか?

いや...別にいま考えてないしその予定もないし...と思うのではないでしょうか。結婚も同じだと思います。したい人がすればいいだけのものを、なぜカメさんが「考えなくてはならないけど先送りにしている」と思っているのか、そこを掘り下げることが先です。

後悔しない選択=正しい選択もない

「リカバリー」という言葉で終わるあたり、カメさんは「後悔したくない」気持ちがかなり強いように見えます。

で、カメさんが言う「未来で後悔したくない」って、「正しい選択をしたい、失敗したくない」という意味に見えるんですよね。もしそうなら、それは無理です。「正しいかどうか」は人によって、そして振り返る時期によって異なるから。

「成功 or 失敗」という判断は、人によって、そして振り返るときによっても変わります。「塞翁が馬」という言葉が表すとおり、そのときには成功と思ったことが5年後には失敗と見え、さらに5年後には成功になることはよくあります。

同様に、人によっても「後悔しない選択」は異なります。私にとって、スペックだけを見てハイスペの男と結婚することは失敗ですが、とにかくいい暮らしをしたい人にとってはそれが正解です。

後悔したくないなら、常に「いまの自分」に嘘をつかず誠実に生きよ

このように、「後悔しない選択」は人によっても時期によっても異なります。なので、現状で「未来に後悔するかどうか」の判断はできません。

逆に、いま「未来で後悔したくない」と考えることはリスクだとすら思います。「いまここにいる自分」への関心がおろそかになるからです。

私は、後悔しないとは、「後々から考えたときに正しい道を選ぶ」ことではなく「そのときの自分にとって妥協しない選択をする」ことだと思っています。自分の心に嘘をつくことが、後悔する人間になる最速の方法です。

まわりを見ている限り、後悔している人は「本当はしたくないことを選んだ」か「本当はしたいのにしなかった」人が多いです。

まとめると「いまの自分に嘘をつかず、誠実に生きる」ことが、後悔しないための最善の方法だと思います。リカバリを考えることじゃありません。

たとえ望む結果と違っていても「あのときの私にとってはこれがベストだった」と納得できるので後悔しにくいですし、「いまの自分」の気持ちを大事にしていれば「あ、結婚したいかも」と思ったときにすぐアクションできます。

いまのカメさんの希望が「自立すること」ならば、そのことを大事にしてください。そこで変に「結婚しなければ」と焦り、やりたいことでもない結婚のことを考える方が、後悔する可能性が高くなるでしょう。

あと、期間を決めてきっちり休むのはおすすめです。カメさんは「休んだことによる後悔」を恐れていますが、世の中には「休まなかったことによる後悔」というものがたっくさんあるのですよ。

心の余裕や新しい発想、発見は「休む」ことで生まれるものです。カメさんはしっかりしてるし立派だと思いますが、肩に力が入りすぎなように見えるので、休みたいならとっとと休みましょう。

後悔妖怪をバスターしたいなら、「いまここにいる自分」に嘘をつかず、いまできることに全力を尽くし、失敗と感じる出来事や痛みも引き受けること。現在の誠実な態度が、未来のカメさんをつくります。

本日はここまで!

撮影/田所瑞穂



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