って、私、久美ちゃんが悩みを打ち明けてくれたときに、そうと感じていたよ。私もそういう気持ち、わかるから。
誰かの過去や未来に嫉妬しても仕方がない人は生まれながらにして平等なんて、何ひとつとしてありえないって思ってる。でも逆をいえば、それぞれに個性があって、進むべき道が違うってこと。
だから、適正を見つける努力をして、それぞれの役割を持つ。そして、いろんな形で社会とコミュニケーションが取れて、人の役に立てるようになるんだと思う。
誰もこの先どこで、どうなるかなんてわからない。いま、この瞬間しか生きることができないから、誰かの過去や未来に嫉妬しても仕方がないって思えるようになったの。
自分や人のネガティブな感情をも、「(その人の)タイミングなんだろうな」と受け流せるようになった。人生のゴールかなんて、人によって様々だし。だったら、過程を大切にしながら、終わり良ければすべて良し! な人生を作っていきたいしね。
コンプレックス...いっぱいあるよ昔ね、元夫(あ、若くして結婚したということは書いたけど、離婚したって書いてなかったね。この辺りは追ってね(笑))が、
「ひさこ、人は、何かになりたいって思ってなるんじゃない。気付いたらなってるものなんだよ」
って言っていたのを思い出した。
ずっと、しっくりこなかったこの言葉。「夢は自力でつかむもの!」って風潮が強いじゃない?
それで思い出したのが昔の自分。10代のころ、芸能事務所にスカウトされて、ウォーキングのレッスンやボイストレーニングを少しだけしていたことがあるの。
そのときの私はモード大好き少女で、パツンと切った前髪にスーパーロングの黒髪、全身モードで、張り切ってツンツンしてた、と思う。
憧れていたのは、華奢でモードなモデル。でも、事務所は、わたしをグラビアで売り込むことに決めてしまったの。
全身モードでキメてる10代のとんがり女子には、もう真逆の世界。そんなの当然受け入れられなくて。
自分の理想と周りが求める自分のギャップに苦しんで摂食障害を繰り返してしまったんだよね。元々コンプレックスの塊だったから、余計に自分を受け入れられなくなってしまった。
コンプレックス...いっぱいあるよ。
そのコンプレックスと戦っていた当時の私は、それが表情に出てた。それで、言われたさっきの元夫の言葉。これが、いまになってすごくわかるようになったんだよね。
「ある程度大人になると、内面が顔に出る」ってよく聞く。
これって顔立ちが変わるってことではなくて、良くも悪くもその人の強い感情や想いが表情に表れて、きっと、その表情が癖になって顔の筋肉が形成されていくからなんだよね。
結局、自分の価値は周りが決めてくれている先週、元夫と久しぶりに食事をしたの。 私たち、変わっているのかもしれないけど離婚しても5、6年は一緒にお仕事をしていたし、いまでも食事をする仲。
そのときに、
「なんかさ、気付いたらひさこは、表に出る裏方に自然になったね」
って言われたの。
若い頃は、なりたいものへ向かって、必死にもがいて、あきらめての連続だったのに。
きっと「自分、自分」って言っているうちは、周りに気遣いが足りていないことにも気がつけない。結局、自分の価値は周りが決めてくれているし、受け入れてくれてる。もちろん、そこに自分の意思は必要なんだけどね。
久美ちゃんは、「昔の自分の顔は好きじゃなかったの」ってよく言ってるよね、信じられないけれど。
私は、つり目が垂れ下がっちゃったいまの自分の顔、というか表情が一番ナチュラルな気がしてる。
久美ちゃんは、いまの自分の顔はどう思ってる?
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