ひとりで過ごすお正月。

だれに何を言われることなく、好きな時間に起きていいし、好きなことをして自由に過ごせる。

でもせっかくだから、なにか少しお正月らしいこともしておきたい。

そこで今回は、東京の初詣スポットと、初詣帰りに寄りたい映画館をご紹介します。

【新宿】花園神社→シネマカリテ

新宿を歩いていると、ビル群のなかに突如現れる紅の鳥居、花園神社。ここ花園神社には、境内のなかに芸能浅間神社と威徳稲荷神社があり、それぞれ異なる神様を祀っています。

芸能浅間神社に祭られているのは、コノハナサクヤヒメ。美女神である彼女は、仕事や恋愛に関わる良縁を運んでくれる...と、芸事に携わる人々の信仰をあつめています。

一方、威徳稲荷神社には、なんと大きな男根像が飾られています。恋愛成就、子宝にご利益があると言われていますが、かいつまんで言えば、素敵なセックスにご利益があるよう。

花園神社でお参りを済ませたら、新宿駅東南口方面にある「シネマカリテ」へ。この冬のおすすめは、12月24日に公開された『ストーンウォール』。

60年代ニューヨーク、セクシュアルマイノリティがいまよりずっと差別・抑圧されていた時代に、初めて権力に向かって立ち上がった人々の、史実に基づいた物語です。その後の社会全体を変えるような、大きな流れの始まりにもなりました。

最近は日本でも、渋谷区で同性カップルのパートナーシップ制度が導入され、少しずつ社会が変わってきた感じもしますが、「人々の意識」という意味では、課題は山積み。

だからこそ、「愛」について思いを馳せてみたくなる、年始にぴったりの映画です。

【代々木八幡】代々木八幡宮→Bunkamura ル・シネマ

代々木八幡駅から徒歩5分。緑の生い茂る境内に澄んだ空気を感じられる代々木八幡宮。仕事の出世や、金運アップにご利益がある出世稲荷が人気です。

2017年は酉年で商売繁盛の気運がさらに高まるとのこと。ぜひともお参りしておきたい神社のひとつです。

参拝後は、富ヶ谷、奥渋ゾーンをお散歩しながら「Bunkamura ル・シネマ」※ へ。ここで観たいのが、ジャズトランぺッターでありシンガーの、チェット・ベイカーの一生を描いた名画『ブルーに生まれついて』。

ちょっぴり切ない気分になる作品ですが、音楽と映像がとても美しく、劇場を出るころには「自分らしく生きるぞ!」という勇気が湧いてくる映画です。

※ル・シネマは1月1日は休館です。

【高田馬場】穴八幡宮→早稲田松竹

ちょっと渋めが好みの人は、早稲田・高田馬場エリアへ。

早稲田駅から徒歩6分ほどで行ける穴八幡宮は、冬至から節分の間にいただくことのできる「一陽来復」のお札で有名です。冬至か、大晦日か、節分の日、夜12時に恵方の壁に貼ることで、金運上昇、商売繁盛のご利益が得られるそう。

無事にお札をゲットしたら、早稲田通りを歩いて高田馬場駅方面、15分ほどで着くのが「早稲田松竹」。

早稲田松竹は、昔ながらの2本立て上映をしている名画座。見逃したミニシアター系作品もここへ行けば観ることができます。

お正月に上映しているのは、小津安二郎監督の『晩春』と山中貞雄監督の『河内山宗俊』。どちらも物語の中心人物を演じているのは、日本のグレタ・ガルボと呼ばれた原節子さんです。

この映画に出てくるのは、いまを生きる私たちのスピード感からしたら、じれったくなるほどゆったりとした時間を生きる人物たち。

もちろん、インターネットもスマホもなく、コミュニケーションの取り方も、現代とは全然違います。

それでも人間がどんなことに傷つき、どんなことにしあわせを感じるのか、そんな繊細なところで共感できる映画です。

ひとりだと、鏡餅を飾ったり、門松を用意するのはなかなかできません。けれども、映画を観て、自分のこれからに思いを馳せることができたら。これはこれでいいお正月が過ごせそうです。

写真/PIXTA



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