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「アラサー」に異議あり。実年齢に誇りをもって生きていく
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「アラサー」に異議あり。実年齢に誇りをもって生きていく

2017-07-10 12:00
    「誕生日、どうだった? プロポーズされた!?」

    「何もなかったし撃沈。もう三十路突入なんだけど。全然うれしくない」

    「もう恋愛につかれたよ。旦那いらないから、子どもだけほしい」

    「とりあえず、写真とろう!」とSNSには、バーニャカウダの写真が加わる。

    ──東京のどこかのカフェで、レストランで、きっと誰もが経験したようなワンシーン。

    世界で6600万回以上再生された、話題の動画「期限なんてない」

    充実した日々を送っているのに、その一方で「このままでいいのかな」といった漠然とした不安を抱えている20代の女性たち。

    そして、30歳という年齢を迎えることに対する不安...。一度でもそんな不安を感じたことのある人に見てほしいのがこちらの動画。

    選択の自由をせばめてるのは誰?

    アジア3か国の女性が誕生から30歳を迎えるまでを描いたこの動画には、成長するにつれ、意識せざるを得ないプレッシャーや葛藤、そしてそれを自分の力で乗り越える女性の姿が描かれています。

    実際、日本で1400名の女性を対象におこなわれた調査でも、30歳を迎えることに不安を感じる人の割合は、20歳、40歳、50歳という節目に比べて1.5〜3倍多く、女性にとって特別な意味を持つ年齢のよう。

    動画のなかの女性たちの腕に浮かぎあがる数字は、30歳を意味するもの。

    幼いころは気にしていなかった「30」という数字が、成長するにつれ気になりはじめ、無言のプレッシャーのように、まるで年齢に期限があるかのように彼女たちに迫ってきます。

    でもいまは、自分の力で、自分のえがくとおりに決めることができる時代。女性の選択肢はたくさんあるし、それをせばめる必要なんてないはず。

    ラストのシーンでそのことに彼女たちも気づきます。

    「年齢に縛られる必要なんてない。運命を変える力は自分にある。誰かに決められた期限なんてない」ということに。

    世界に目を向けてみても、そんなふうに年齢に縛られる時代は終わりつつあるのだと気づかされます。

    世界7都市で聞いた「年齢と結婚と仕事について」

    パリ、ニューヨーク、ブルックリン、ロサンゼルス、シドニー、バルセロナ、東京に住む7都市の女性たちに「年齢について、結婚についてどう感じているか」率直な意見を聞いてみたら、こんな答えが返ってきました。

    パリ マリオンさん/フランス語教師・27歳・未婚

    「私はPACS(婚姻より規則がゆるく、同棲よりも法的権利などをより享受できるフランスの制度)を結んでるの。それは税金のためにフランス政府に『私はカップルで住んでいる(夫婦とほとんど同じ)こと』を知らせたり、周囲の人々に私と彼との関係は真面目だということを示すため。

    結婚については考えていないの。ときどき、健康面から見て30歳までに子どもを作らなきゃと思うことはあるけど、それ以外で特別に何かしなきゃと思うことはないわ。私は「いまがいいタイミング」と思ったときに結婚するつもりよ。

    もちろん仕事も続けるわ。大事なのは年齢じゃない。自分の人生を愛すること。気分がいい状態で寝起きすること、私にとってはそれがしあわせ」

    ニューヨーク エイドリアンさん/フラワーアレンジメントアーティスト・女優・モデル・29歳・婚約中

    「いまの時代、メディアやセレブリティの"いかに若く見えるか"のプレッシャーのせいで自分の年齢を言うことに閉鎖的になりがちになっていると思う。私は自分の年齢を聞かれたらすぐに答えるわ。

    しあわせは、人にどう見られるかは関係なく、いつも自分の周りにあるものよ。だからSNSにもセルフィーは投稿しない。それよりも自分が行った場所やなにをしたとか、あとは自分がインスパイアされた記事などをシェアすることが多いわ。

    結婚に関しては、どんなときでも正直であること、サポートし合って、思いやりを持って理解し合える関係であることが大切だと思う。仕事? もちろん結婚しても続ける予定よ」

    ブルックリン フィロさん/ジャーナリスト・19歳・未婚

    「年をとることは美しいことだと思う。いまは仕事のことで頭がいっぱいだし、とにかく毎日ハッピーでいることがいちばん大切。

    SNSも使っているけど、それに左右されるほどヘビーには使わないことにしてるの」

    ブルックリン ヘイリーさん/文化人類学者・26歳・未婚

    「自分の実年齢を聞かれたら、26歳ってスマイル付きで答えてる。30歳までに家を買いたいという目標はあるけど、結婚へのプレッシャーは全然ないわ。私たちの世代は、親世代みたいに結婚にはこだわらないんだと思うわ。

    誰かと10年つきあって駆け落ちするくらい好きになる人が現れたら結婚するかもしれないわ。もちろん結婚しても働き続ける。多分誰かと結婚ってよりも仕事と結婚するタイプだから」

    ロサンゼルス アシュリーさん/キッチン用品関連のEコマース&マーケティングマネージャー・32歳・既婚

    「エクササイズをしていたら体力の衰えを感じることもあるし、昔みたいにパーティライフもおくれない。仕事で疲れて落ちこむこともあるし。

    でも30代になってから、人生がどんどん良くなっていっていると実感しているの。結婚したころはNORDSTROMと言うデパートで働いていたんだけど、次のステップアップを考えていて、結婚して数か月後に、いまのマーケティングの仕事に就けたの。3年経って、いまはマネージャーという管理職に昇進できて、とても満足。

    マイホームももてたし、愛する人と一緒に笑顔で人生を送れること。そして一緒においしいメキシカン料理を食べているときが、私はしあわせ!」

    シドニー スー・リェンさん/保険査定スタッフ・25歳・未婚


    「『何歳?』って聞かれたとき、私も何度かあいまいに答えたことがあるわ。家族からも何歳までに結婚しないと...みたいなプレッシャーを感じることがあるけど、気にしないようにしてる。自分がやりたいようにしたいって思ってるの。

    だって、焦ってはやく結婚するよりも、自分が本当に信頼できて安定した関係を築ける人を見つけることが大切だから。大人らしく、お互いを理解しあえて、お金に関することと信頼関係について何の問題がないのが理想ね。

    30歳を迎えるにあたって、年齢よりも自分の生活がどうなっているのかが気がかり。家のこととか収入のこととか。結婚したとしても仕事は続けたいし、独身のころとそんなに変化しないんじゃないかなと思ってる」

    シドニー シェリーさん/会社員・20歳・未婚

    「年齢はただの数字でしかないわ。どんな年齢でも自分は美しいって思って、常にハッピーでいるべきよ。他人に判断されるからって年齢を隠すべきじゃないと思うわ。

    『結婚について焦ったことはある?』って問いにはイエスとノーの両方。イエスの理由は、いまの彼との関係がとても良好で、自分は結婚する準備が整っているって感じるから。ノーの理由は、まだまだやってみたいことが残っているから。

    自立しているかどうかは、結婚を成立させる大切なポイントだと思う。だから自分自身がひとりの人間として成立していたい。それでいてこそしあわせが成り立つと思うの。結婚しても仕事は仕事。変わらないと思う」

    バルセロナ ラウラさん/学生(最近、先生になるために大学に戻った)34歳・未婚

    「スペインでは、前世紀の女性は結婚と子どものために、本当の年齢を隠さなきゃいけなかったこともあったの。

    でもいまは、幸運にもいろいろな選択肢がある。結婚はひとつのオプションであって、人生って結婚だけではないと思う。

    私は何年も働いてきたけど、最近、大学にまた戻って先生になるために勉強してるの。スペインでは、大学に行って仕事をみつけて、結婚して家と車を買って、子どもを持つことが一般的とされてきたわ。でも、私は自分で自分の人生を選んで、作っていけるんだって気がついたの。

    最近は、SNSで周りの人の生活を気にすることにも興味がなくなってきた。それよりも話題のものとか、ローカルニュースや教育についてチェックするのに使っているわ」

    東京 真理子さん/フリーランス編集・31歳・未婚

    「年齢を聞かれたら31歳と答えてる。フランクなビジネスシーンならレディー・ガガと同じ歳です、とインパクトを加えることも。

    20代の頃は『結婚=未知なるしあわせな世界の幕開け』と信じてたから仕事を辞めて家庭に入るのがいちばんだと思いこんでた。

    でも、社会に出たことで仕事は私の欠かせないライフワークであること、結婚しても仕事を辞めなくてもいい世の中になったことに気がついたの。

    パートナーが家事を分担してくれることが前提だけど、結婚しても仕事は辞めないし、仕事量も減らすつもりもないなぁ。でも妊娠・出産したら大幅に変わるのかも。

    本当の大人として周りに認めてもらえるのはきっと30歳から。仕事の信用を得るためにも30歳という年齢は私にとって必要な肩書きになってる」

    世界の女性は、30歳という年齢を"アラサー"なんてことばでごまかさない。なぜなら年齢に誇りを持っているから。

    そして東京の女性たちも──。

    ときに揺らぐことはあっても、実年齢に誇りを持つ大切さにだんだんと気づきはじめています。

    SNSに関しても「気にしてない、あるいは気にしないようにしている!」と答える人が多くいました。興味がある分野の見聞を広げるためのツールとして活用するくらいの向きあい方ならとってもヘルシー。

    とはいえ、海外の女性もけっして他人の目や年齢を意識しないわけではありません。 結婚にリミットはなくても、妊娠出産に関してはいろんな想いが交差するのも事実。

    でも、年齢を重ねるごとに身につけてきた自信と、育んできた心の豊かさは一生モノ。 それは誰かと比べるものでもないし、そのことを知っているからこそ、年齢を重ねることを楽しんでいるようにも見えました。

    30歳から運命を切り開く人ってどんな人?

    いまどき「もういい年なのにまだ結婚しないの?」と聞いてくる人も少なくなりました。

    そんな時代になったのに、冒頭の女子トークのようなムードになってしまうのは、無意識のうちに「結婚してないと、子どもを生まないとしあわせになれない」と決めつけている節があるから。

    だけどいざ30歳に突入してみたら、結婚したからといって離婚しないわけではないし、子どもを産んだから超ハッピー!と単純なものでもないとわかるもの。

    結婚してもしていなくても、子どもがいてもいなくても、年齢を重ねるごとに美しくなる人もいるし、その逆もしかり。その差はどこで生まれるんだろう?

    それは、どれだけ素敵な人や夢中になれるモノに出逢えたかどうかではないでしょうか。そういうものに出逢えたとき、人は運命を切り開くようなパワーを発揮します。

    運命を切り開くたびに、グレードアップしておいしくなる

    パワーを発揮するステージが、仕事の人も妻の人も、母親の人もいて、それは本当に人それぞれ。

    すべてにバランスよくパワーを注ぐ人もいれば、一点集中の人もいるし、その多様性をお互いに認め合って、讃えることができたらベスト。

    そのことに気がついたとき、ワインみたいに熟成しておいしくなるのだと思います。 だけどワインと女性が違うのは、何度もおいしくなれる時期が訪れるということ。それは、期限なんてないということと同じ。

    だから30歳という年齢を"アラサー"なんて言葉でごまかすのはもったいない。

    まだ熟れていないかもしれないし、これからリニューアルするかもしれない。だからこそ、何にでも変化できる自分を楽しもう。

    SK-II

    写真/Shutterstock 文/田邊愛理 取材/ELIE INOUE(パリ), フレシュラスともみ(ニューヨーク、ロサンゼルス), 福田ミホ(ブルックリン), Timmy(シドニー), 風間沙喜(バルセロナ), Lily(東京) 



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