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私はブス出身 #ふたりごと
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私はブス出身 #ふたりごと

2017-09-20 18:30
    あるある、ある日突然なにを着ていいかまったく分からなくなること。その状態は長いこと前から、たびたび私を襲ってくる。

    服にまつわる仕事をしているのに、自分の着ているものに違和感があるってすっきりしないし、辛いことでもあるよね。

    服をデザインしたり、ブランドを作るのがお仕事だったから、いつも生地に囲まれていて頭のなかはコーディネートであふれているのに!

    今季の「DRIES VAN NOTEN(ドリス・ヴァン・ノッテン)」が好き

    毎シーズンコレクションを心待ちにしている憧れのブランド「DRIES VAN NOTEN(ドリス・ヴァン・ノッテン)」。この独特な世界観はほかにはない唯一無二なもの。

    青山店でおこなわれたフロアショーでお願いした秋冬物がもうすぐ届くから、いまから楽しみで仕方がないの。

    いつも柄物はあまり着ないけれど、ドリスの柄だけは別格。

    今シーズンは、いままでの生地のアーカイヴにさらにひと手間加えたアイテムばかりが発表されたの。

    アイデアと個性のつまった手の込んだアイテムは、見ていて本当に幸福感に包まれたよ。

    20代中盤からずっと憧れている存在、The Antwerp Six(アントワープ6)

    「ドリス・ヴァン・ノッテン」「アン・ドゥムルメステール」「ダーク・ヴァン・セーヌ」「ウォルター・ヴァン・ベイレンドンク」「ダーク・ビッケンバーグ」「マリナ・イー」。

    The Antwerp Six(アントワープ6)は、1980〜1981年にアントワープ王立芸術アカデミーファッション科を卒業した6人のデザイナーのこと。

    作品をバン1台に積み込んで、ロンドンファッションウィークの「ブリティッシュ・デザイナーズ・ショー」に参加したところから始まったらしいの。20代中盤からずっと憧れている存在。

    これに「マルタン・マルジェラ」を加えて「The Antwerp Seven(アントワープ7)」と呼ばれることもあるんだけど、アイドルやスポーツ選手に夢中になる少女のように、マルジェラも好きで好きで好きで...(笑)。

    でも、好きなものと似合うものは必ずしも一致しないことが多い。

    複雑にデザインされたものは私の体型や顔には似合わない。でも、そばに置いておきたい。自分のものにしたい!

    そんな一心で全色コレクションしていたものもあったくらい、そのクリエーションに、存在そのものに完全に心を奪われていた。

    トレンドとはいい距離感を築いていきたいなって思ってる

    天邪鬼な私は、「今季はグレンチェックがマスト!」とファッション誌がトレンドを騒ぎ立て、SNSがそれで染まっていくのを見ると、「できるだけ避けたい」と思ってしまう。

    今年の夏もそうだった。

    もともと好きだった「カゴバッグ」が空前絶後のブームになってしまったから、今年は使いたくないなって気持ちになっちゃった。

    日本人はトレンドに素直に踊らされる傾向にある。踊っていることを客観的に見て楽しめていたら、それでいい。

    でも、街中カゴバッグって、ちょっと異様な光景だよね。

    もちろんさまざまなタイプがあるし、バリエーションが豊富だから人とかぶることも少ないのかもしれない。ちょっとしたアレンジで個性を出すのも、お洒落を楽しむってことだと思うし。

    でも、あえて人と同じものを選ぶ必要性はまったくない。それに、自分に似合うものとトレンドは必ずしも同じじゃない。だからこそ、トレンドとはいい距離感を築いていきたいなって思ってる。

    必然的に自分のことをブスだと思い込んでいた。だから性格も卑屈でブサイクだった

    私の母はまったくお洒落やメイクに興味関心のない人だった。

    子育てが大変だったのだと思うけれど、インテリアなども含めて見た目に一切こだわらない、「センス」って言葉に無縁な人だった。

    そんな母は、私の反面教師。私は美しいものが好き。環境が人を作ると思っているから、そばにあるとテンションが上がるものに囲まれて日々を過ごしたい。

    小学生のときは、いつもおさがりばかりでかわいいものを着せてもらうこともできなかった。父親がカットしてくれていたからさえない髪型だったし。

    学年でいちばん背が高くガリガリにやせていてメガネをかけた、男子に1ミリも興味を持ってもらえないような子だった。

    そう、私はブス出身。というか、必然的に自分のことをブスだと思い込んでいた。だから性格も卑屈でブサイクだった。

    小学4年生ごろには、私はブスだから恋愛も結婚もできないかもしれないって、なかば女をあきらめていた。だから得意なピアノと勉強をがんばるしか生きていく道はないかなって(笑)。

    心臓が止まるかと思うほどの一目惚れをしたの

    中学1年生も終わりに差しかかったある日。英語の塾で心臓が止まるかと思うほどの一目惚れをしたの。

    その人はひとつ年上で、ものすごくお洒落な人。

    自分に自信もなく、恋愛も結婚も、なんなら女をあきらめ気味だった卑屈でうしろ向きの中学1年生の私だったけれど、どうしても彼の横が似合う人になりたくて...。

    そこから、メガネをコンタクトレンズに変え、髪型や姿勢、立ち振るまい、ファッション...自分がどうしたら彼に見合うようになるかを探求し始めたんだ。

    これでもかー! ってくらいがんばった。努力のかい虚しく、あっけなく振られちゃったんだけどね。

    動機はどうでも、人生で一度くらいはがむしゃらに外見的自分探しをするのも、自分と向き合うという意味ではとても有意義だった、かな。

    それは、他人にしてもらうことじゃなくて。自分の内側を投影させる外見でいるために自分ですること。

    人と同じだから安心、ではなく、自分の素材をどうしたら活かせるのかを必死で考えた時間だった。中1だったけどね(笑)。

    根拠なんてなくても自信を持つことがとても大切。そしてその根拠のない自信は、努力することでしか手に入らない。

    自分に自信をくれるのは、自分しかいない。

    セクシーの条件の根底って、自分で作った自信だと思うんだ。

    久美ちゃんがセクシーだなと感じる女性はどんな人かな?

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