一見ナチュラルだけど、ワイルドさもあって、知性にあふれていて寛容で。わたしのものの見方を変えてくれる、そんな男性...
の、ようなレストラン(笑)。
わたしは食べることが大好き。
自分を形作るすべてのことは、まわりの環境と取り入れるものでできている。
美しい景色、人からの思いやりややさしい言葉、彼の温もりを感じるしあわせな時間...そして食べること!
「美食」って、すべてのさじ加減がウィットに富んでいるということだって思う料理に目覚めたのは、幼稚園生のころ。
ラッキーなことに両親が食に対する意識が高かったこともあり、オーガニック&エシカルに育ててもらったんだ。
そして、学生時代に星つきのレストランでバイトをしたことで「食べる」ことや「おいしいもの」に対する熱に拍車がかかった。
シェフたちやベテランホールスタッフが当時の東京でも指折りのレストランに連れて行ってくれたおかげで、10代ですっかり生意気な舌になっちゃった。
若いころは、豪華絢爛なレストランで食事をすることがいちばんの贅沢だと感じていたこともあった。20代には勢いあまって、完全逆サイドのビーガンも5年経験したこともあったよ。
いまでは「美食」って、もはや見えかたや食材が豪勢で煌びやかで贅沢であるというよりも、すべてのさじ加減がウィットに富んでいることだって思う。
もちろん「なにを」食べるかと同時に、「誰と」食べるかも重要な要素だよね。
ファッションも食も、知識がないと遊べない先日、遊びに行ったお友だちのトークショーで聞いた、対談相手の某有名男性ファッションディレクターの「お洒落は知識なんですよ」という言葉を、ここデンマークでも思い出した。
この日の彼はタキシードにカマーベルトとベストを両方身につけていたの。誰かに「両方はおかしいよね?」と、ツッコまれるのをかすかに期待して...。
ファッションも食も似ている。
知識がないと遊べない。知識の上に成り立つセンスやヒラメキ、努力、それが余裕になる。
「世界でいちばん幸福度が高い国」は、愛のある日々の生活を考えさせられる国だった今回の出張の目的は、食とアートを通じてデンマークの文化を感じとるマーケティングリサーチ。
まだローンチしていないから言えないけれど、新しいプロジェクトが始まるの。
あえて、ディレクションを決めてから現地に行くことにした。それは、自分の想像力に制限をつけたくなかったからでもあるんだ。
ちょうど今年でデンマークと日本は国交150周年を迎える。そんな大切な年にこのお仕事の依頼がきたことをとても重要なことだと感じるから、余計にその気持ちが高まった。
北欧家具発祥の地とされるデンマークだから家具とインテリアはもちろん、ここ数年で起きている食のニューウェーブをしっかり感じなくてははじまらない。
インテリアと食──。
大きく関連しているふたつのこと。
この国で、街で、このふたつができあがった歴史的背景はまったく違う。
毎日をおだやかで豊かな気持ちで過ごすこと。刺激的なことを自分で作り出すこと。愛する人との時間を大切にすること。心を飾らないこと。
最近の私は自信を喪失することが続いていて、「いちばん大切な人をしあわせにする」という根っこの重要な部分に気がまわらなくなってた。
よろこんでもらいたいって、いつもそれだけを考えてたのにね。
「世界でいちばん幸福度が高い国」は、愛のある日々の生活を考えさせられる国だった。
情報はシェアできるけれど、体験はシェアできないそれからね、コペンハーゲンのニューウェーブ食事情は、想像をはるかに超えてなにもかもが刺激的だったよ。
行く前に30冊くらいデンマークに関する本を読んできたから、自分なりにある程度の基礎知識はできたと思っていた。
でも、やっぱり聞いたこととその場に身を置くことはぜんぜん違った。
コペンハーゲンではじめましてだった現地クライアントさんにも「日本では『インスタ映え』っていう言葉が流行ってるそうですね。やっぱりみなさんそういう場所を探すんですか?」って言われて恥ずかしくなった。
もはや気持ちが悪い言葉の代名詞だと思っていたのに...。
行きの機内で観た映画『The Circle』がSNSの成れの果てだと、ものすごく気持ちが悪くなった矢先のこと。
情報はシェアできるけれど、体験はシェアできない。
リアルに生きていいるいま、瞬間がもっと鮮やかで色濃いものになったと感じた時間だった。
だから、この情報やテンションを自分なりにしっかり発信していけたらいいな。
ところで久美ちゃん、昨日はなに食べた?
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