それとなく続くやりとりも、ふたりにとってはまたとない大切な時間です。
当連載では、妄想ツイートで話題のライター・カツセマサヒコさんが、思わず「あるある!」とうなずいてしまうような男女のリアルな会話を描いていきます。
遠距離恋愛中のあるカップルの会話 LINEでスケジュール調整女「あのね、そろそろ来月のシフト決めなきゃなんだけど...」
男「うんうん」
女「来月って、いつ会えそう...?」
男「んー...」
女「忙しいよね...?」
男「いや、あのね」
女「うん」
男「提案なんだけど...」
女「うんうん」
男「来月、誕生日でしょ?」
女「うん」
男「せっかくだから、その日含む2泊3日とかで、旅行いかない?」
女「!!!!!」
男「難しそうだったらいいんだけど...。俺、仕事休めそうだから」
女「行く!!! 絶対行く!!!!」
男「やった! ありがと笑」
女「うー! うれしいーーーーー!」
男「おれも笑。どこ行きたい?」
女「うれしすぎるから、どこでもいいです...笑」
男「なにそれ笑」
女「だって、うれしいもん...泣きそう...笑」
男「かわいい笑。じゃあちょっと調べてみるから、そっから選んで?」
女「うん! 一緒にいられるならどこでもいいけど、うれしい笑」
男「めっちゃゆっくりできるとこにする笑。また連絡すんね」
女「うん! ありがとー!」
当日男「おはよっ」
女「あ! ...えへへ、おはよっ」
男「久々だー...」
女「ね、久々」
男「...」
女「...なぁに?」
男「ちょっと」
女「うん?」
男「ぎゅーしていいですか......」
女「え!」
男「...だめ?」
女「いま...?」
男「うん」
女「どうしたの...?」
男「会いたすぎた、から...?」
女「ううー...。ぎゅーーっ!」
男「わ!」
女「よしよし」
男「わー...会いたかったー...」
女「うん、うん」
男「...」
女「...」
男「ちょっと泣きそう」
女「え! どうしてっ!?」
男「久々だし、誕生日一緒にいれるの、うれしい」
女「それこっちだよ?」
男「だって、この歳になる誕生日は、一生に一度でしょ?」
女「うん」
男「そんな大事な日に、俺を選んでくれたんだよ?」
女「うん」
男「うれしいじゃん、そんなの」
女「彼氏なんだから当たり前だよー...うー...かわいすぎる何それー...」
男「絶対に最高の3日間にするって、約束します」
女「はい」
男「えへへ、じゃあいこっか」
女「うん、お願いします」
...みたいな男女のやりとりがどこかで起きていたなら、きっとどんな天気であっても、どれだけ寒かったとしても、すべてふたりを繋ぎとめる口実のように思えているのだろうし、たとえ宿のサービスがひどくても、ご飯がおいしくなくっても、それすらすぐに笑い話にして深まる絆があるのだろうなあと、ぼんやり思いました。
ちなみに。この記事には、61の台詞のうちに「うれしい」が6回入っています。会話の10回に1回はうれしくなっちゃう、そんな恋愛ができたらさぞしあわせだとも思いました。
撮影(トップ)/出川光 写真(2、3枚目)/Shutterstock 文/カツセマサヒコ
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