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「なんでいつも女の子と一緒に遊んでいるの」きっかけはこの一言だった #オカマと映画とマイノリティ
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「なんでいつも女の子と一緒に遊んでいるの」きっかけはこの一言だった #オカマと映画とマイノリティ

2017-11-02 18:00
    マイノリティ──。

    「社会的少数派」の意。「社会的弱者」として言い換えられることもある。

    当連載では、自身もマイノリティの立場であるライター・おつねが、マイノリティを描く映画を通して、見解を語っていきます。

    メッセージ

    2017年公開。ある日突然、世界中に謎の飛行物体が降り立つ。宇宙人の到来に人々はパニックに陥り、世界は緊急事態。そんななか、アメリカ軍は宇宙人との対話者に言語学者のルイーズを起用する。彼女は、物理学者のイアンと組んで、宇宙人が伝えようとしているメッセージを読みとろうと奮闘する。一方で、世界各国の政府は宇宙人を脅威とみなし、戦争への準備を進めていく。

    初めに観たときに感じたことは"勘違い"だった

    本年度、アカデミー賞にも8つの部門でノミネートされた『メッセージ』。日本でも今年の5月に公開となり、とても話題になっていた。

    この作品を観て考えたのは"勘違い"について。

    本作の鍵を握る生き物として出てくるのが宇宙人、通称「ヘプタポット」たち。彼らとは文字や言語、表情やボディランゲージによるコミュニケーションをとることができない。

    「なんでこの宇宙人たちは地球に来たのだろう」という疑問を解明するために主人公ルイーズは招集された。

    でも、まったく知らない言語をゼロから理解していくのってとても難しいから時間だけが過ぎていって、疑問はいつしか不安へと変わっていくんだよね。

    そんな不安のなかで「きっと彼らは私たちを攻撃する」「彼らは地球を征服しにきたに違いない」っていう"勘違い"が生まれたんだ。

    この"勘違い"は現代社会にも存在している。

    タイムリーな話題を出すとするのであれば、選挙。

    最近の選挙って、対話なんて一切なくて、与党と野党がとにかくお互いの批判をしている様子しか見られない。

    これをさらに広げると、世界中でいまも起こっている戦争や紛争といった悲しい争いも、形は大きく違えども根本は同じような気がしてならないんだよね。

    「なんでいつも女の子と一緒に遊んでいるの」きっかけはこの一言だった

    私がまだ小学校低学年のとき。

    男の子なのに外で遊ぶよりもおままごとや読書が好き、ピンク色が好き、体育の授業より音楽や家庭科の授業が好き、そんな子どもだった。

    まわりの男の子たちとは違う変な男の子。

    その当時は、私自身も「なんでまわりの子たちと同じようにできないんだろう...」って考えていた。もちろん、まわりが私に対して抱いていた「疑問」は、私以上に大きなものだったはず。

    「なんでいつも女の子と一緒に遊んでいるの」

    きっかけはこの一言だった。

    いまの私だったら「居心地が良いからだよ」ってすぐに返せる。

    でも、当時の私は答えることができなくて、そのことでまわりは私という存在に不安を覚えるようになり、いつしか私のことを「女になりたい変なやつ」という"勘違い"の姿で吊るし上げるようになっていた。

    このときの経験から私のなかに浮かび上がってきたのは、結局、選挙や戦争の根本にあるのは、ただただ「お互いの理解が不十分」だってこと。

    マイノリティとマジョリティの人たちの間にある確執や偏見、与党と野党のけなし合い、戦争や紛争、いじめなど、すべてが相手ことを理解するということを放棄したために生まれた"勘違い"だと私は思う。

    すべてを理解し合うのは無理。違う立場にいる人なら余計に

    相手のことを深く理解するというのはなかなか難しいこと。

    たとえば同じマイノリティ同士、マジョリティ同士であったとしても、すべてを理解し合うっていうのは無理。意見が合わなくて苦手意識を持ってしまう人が必ずいる。それが違う立場にいる人なら余計に。

    でも、私たちの社会には『メッセージ』と決定的に違うところがある。

    それは、話し合いができるってこと。もし言葉が伝わらないのなら、ボディランゲージや表情など、同じ人間同士である以上、必ず何かしらの手段で対話することができる。

    そして、話し合いながら「疑問」に対して理解を深めていくことによって"勘違い"は未然に防げるはず。

    これが、本作から私が受けとったメッセージです。

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    RSSブログ情報:https://www.glitty.jp/2017/11/065540okama_movie.html
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