「サイコロコロンブスの卵」のこれまでとこれから
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「サイコロコロンブスの卵」のこれまでとこれから

2018-12-10 10:03
  • 5
サイコロコロンブスの卵は、

サイコロを振って、



出た数字と記号を使って、余りが少なくなるように数式を組み立てる。




ただ、それだけのゲームである。

しかし、そんな単純だと思っていたゲームは、当初の予想よりもずっと奥が深いゲームだった。


始まりは10年以上前

サイコロコロンブスの卵の原型となったゲームを作り始めたのは、2005年の秋。今から実に10年以上も前の事になる。

当時のルールは、数字や記号の書かれたカード10枚を使って、制限時間内にカードを多く使う等式を作るというものだった。

当時のルールは、記号や数字がランダムに配られるため、記号と数字のバランスがカードの配り方によって変わってしまう事が大きな問題だった。ちょうど良い配分になった時は面白いけど、そうじゃないときは微妙なゲームになってしまう、そんな問題をずっと抱えていた。


サイコロというソリューション

その状況が大きく改善されたのが、今から約1年半前。カードの代わりにサイコロの出目を使う形式に変更し、数字のサイコロと記号のサイコロを分けることで、数字や記号がバランス良く出るようになった。

これに調整を加えて誕生したのが、ゲームマーケット2017春で発表した、「サイコロコロンブスの卵」の初版である。

発表した当時は、これでこのゲームは完成したと思っていた。しかし、サイコロという容易に何度もプレイできる環境が整った結果、このゲームの別の可能性が見えてくるようになった。


数式のパズル

何度かプレイしているうちに、このゲームにおいて、数式の変形が大きなポイントとなっている事に気がついた。

数式の変形をパズルの様に組み合わせることで、余っているサイコロをどんどん減らしていくことができるのだ。

いくつか例をあげよう。

例1

上の例では、「+」の記号と「6」の数字が余ってしまっている。

余っている6は、3のちょうど2倍なので、もし両辺が3で等しくなっていれば、(右辺)+(左辺)=6という形にして、+と6を使いきることができる。

しかし、この例では両辺が9になっており、そのままではこの方法は使えない。

そこで、この式の両辺を3倍した後、両辺を9で割ることを考える。すると、「27÷3=9」→「27÷9=3」となり、両辺が3の等式に変形することができる。

これを使って、下記の様にするとサイコロを使いきることができる。



「27÷3=9」→「27÷9=3」の変形は、理屈の上では、両辺を3倍して9で割るという事になる。しかし、これを数式の変形パターンとしてとらえて、「割り算は割る数と商を入れ替えられる」とすると、応用が効きやすくなる。


例2


この例では、数字の「4」「4」「0」が余っている。普通に考えると、「5-4」や「4-2」の様な計算を考えたくなるが、このやり方ではうまくいかない。

この問題の場合は、両辺を10倍して、「50-20=30」という等式を作り、「50-20」を「54-24」と置きかえる(引き算で4を相殺)と、下記の様に数式を完成させることができる。



この問題も、理屈の上では両辺を10倍して4を相殺するという事になるが、「引き算は1の位に同じ数字のペアと0を入れることができる」の様にとらえると、応用がしやすくなる。

例3


この例では、数字の「9」「9」が余っている。この問題は、両辺を11倍すると、答えが見えてくる。

・右辺の27を11倍すると、297となり、2と7の間に9が入った形になる。
・左辺の9を11倍すると、99×3となり、9の前に9がついた形となる。

よって、この問題は両辺を11倍して、下記の様に9を使いきることができる。



この問題も、理屈としては両辺を11倍するという形になるが、数式の変形としてとらえるなら、「9の段の掛け算は9のペアを式に組み込むことができる」という事になる。


この様に、サイコロコロンブスの卵というゲームは、数式を観察することによって、変形手段をどんどん増やしていけるパズルゲームの様なものである。


実は『ほとんど』の出目でパーフェクト可能

サイコロコロンブスの卵の初版では、制限時間内にサイコロの余りを少なくすることをゲームの目的としていた。

しかし、様々な変形手段が見えてくるようになると、このゲームはほとんどの出目ですべてのサイコロを使いきることができるという事が分かってきた。

実際にプログラムを組んで確かめると、99%以上の出目で、このゲームはパーフェクトが可能であることが分かった。


『ほとんど』から『すべて』へ・・・

パーフェクトが見つからなかった出目を確認したところ、サイコロが極端に偏っているか、特定のパターンになっている場合が多かった。

そこで、サイコロの目を調整して、サイコロの目の偏りを減らし、特定のパターンが出ない様に調整を行った。

そしてその結果、すべての出目でパーフェクトが可能な出目を作りだすことに成功した。

こうして完成させたのが、サイコロコロンブスの卵の第3版になる。サイコロコロンブスの卵の第3版では、80万通り以上の出目のパターン『すべて』でパーフェクトが可能になっている。


サイコロコロンブスの卵のこれから

第3版で、すべての出目でパーフェクトができるようになり、サイコロコロンブスの卵は今度こそ完成したと思っている。最初の着想を得てから13年。まさかここまで長い時間がかかるとは思っていなかった。

しかし一方で、完成したという予想を裏切り続けてきたのがサイコロコロンブスの卵でもある。だから、もしかしたらまた新しい可能性がみつかり、ゲームに改良が必要になるかもしれない。

それにおびえながら、また楽しみにしながら、今日もせっせとサイコロを振ることにしよう。

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発想が面白いゲームだと思っていたけど、それだけで終わらせずに調整を繰り返すのが本当に面白いゲームを作るポイントなんだなって思いました
13ヶ月前
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おもしろーい
13ヶ月前
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教授がカービィボウルの傍ら変なことやってるなぁと思ってましたがこんな長い間考えてたのか・・・・
変なことと思ってすみませんでした!
13ヶ月前
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これ、スマホアプリとかでプログラム組めたら、ナンプレみたいなパズル枠・頭の体操枠に参入できんかな?
80万通り以上をすべて覚えてしまわない限り、実質無限に問題生成されるようなもんだとしたら、割りとプレイヤー需要ありそうな気がする
13ヶ月前
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アプリ版で楽しませてもらってます
1プレイが短いので待ち時間なんかに友達と盛り上がってます
サイコロを使い切ることを意識しすぎて、新しい変形方法を導く心を忘れていました
もっと数式に着目してプレイしてみます
13ヶ月前
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