うにゅほとの生活2921
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うにゅほとの生活2921

2019-12-08 23:40

    2019年12月8日(日)

    「ただいまー」
    「おかえりなさい……」
    意気揚々と帰宅した俺を、うにゅほが気遣わしげに出迎えてくれた。
    試験の結果は既に伝えてある。
    すなわち、
    「いやー、ダメだったわ!」
    「そか……」
    うにゅほが、小さく肩を落とす。
    「べんきょう、すーごいがんばったのにね……」
    「頑張った意味なかったけどな」
    「……?」
    小首をかしげるうにゅほに、そっと苦笑を向ける。
    「いや、試験問題はぜんぜん難しくなかったんだ。完璧に理解できてたし、落ち着いてこなせば確実に合格できた」
    「でも、だめだったって」
    「初手で、リカバリー不可能なあり得ないレベルのポカミスしちゃってさ」
    「──…………」
    「もうどうしようもなくて、そこから一時間、ただただ無駄に座ってただけ」
    「……うん」
    「人生でトップレベルに虚しい一時間だったな!」
    そう言って、乾いた笑いをこぼす。
    「ま、来年もあるさ。来年は、もっと落ち着いて──」
    「◯◯」
    「ん?」
    「あんまし、むりしないで」
    「──…………」
    そっと息を吸い、長く、長く、吐く。
    「……××にはお見通しかあ」
    「わかるよ」
    「でも、今はさ、笑い事にしたいから。笑い事にしないと、ちょっと、つらい」
    「そか」
    うにゅほが俺の手を取る。
    「じゃあ、なんかしてあそぼ」
    「……そうだな」
    悔いしか残らない結果になってしまったけれど、過ぎ去ったことはどうしようもない。
    今はただ、別のことを考えよう。
    気を紛らわせよう。




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