うにゅほとの生活3088
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うにゅほとの生活3088

2020-05-25 03:15

    2020年5月24日(日)

    午後十時を過ぎ、雨足が強くなり始めた。
    「あーめ、あーめ、ふーれ、ふーれ、もーっと、ふれー」
    八代亜紀が混ざっている。
    「こんな土砂降り、久々だな」
    「かも」
    「家から出ない身の上としては、わりとどうでもいいけど」
    「でも、しっけとかあるかも」
    「あー……」
    小さく頷く。
    「暦の上では梅雨が近いからな。北海道だし、関係ないけど」
    「つゆなくても、あめおおいきーする」
    「本州はもっと多いんだよ」
    「すごいのかな」
    「何年かに一度、ものすごく湿度の高い日があるだろ」
    「かみ、たわむひ?」
    「そうそう」
    「しごとにならないひだ」
    「記憶が正しければ、あのときの湿度は80%くらい」
    「わあ……」
    「でも、本州の梅雨は、湿度が100%に近付くことすらあるらしい」
    「ひゃく!」
    うにゅほが目をまるくする。
    「それが一ヶ月も続くんだから、大変だよなあ」
    「ほっかいどうでよかった……」
    実際、雪さえなければ、これほど過ごしやすい地域も他にあるまい。
    そんなことを考えていたとき、

    ──カッ!

    窓の外が、一瞬明るくなった。
    「……かみなり?」
    「そうみたいだな」
    遠雷の音が届いたのは、およそ十秒後のことだった。
    「3kmから4km、けっこう遠いな」
    「わかるの?」
    「光ってから音が届くまでの秒数で、おおよその距離がわかる」
    「へえー」
    うにゅほが、うんうんと頷く。
    「ひかりのほうが、はやいんだもんね」
    「その通り」
    「どのくらいはやいの?」
    「まず、音は秒速340m」
    「……はやいの?」
    「えーと、待って」
    電卓を取り出し、計算する。
    「時速だと、1224km」
    「はやい!」
    「マッハ1だからな」
    「まっは……」
    「光はもっと速いぞ」
    「うと、どのくらい?」
    「秒速30万km」
    「──…………」
    しばし思案したのち、質問を口にする。
    「……それ、どのくらいはやいの?」
    「時速に直すと、10億8000万km」
    「すごいことはわかる……」
    だが、ピンと来てはいないようだ。
    仕方ないけど。
    「じゃあ、今日は宇宙について勉強しようか」
    「はーい」
    臨時の宇宙博士として、三十分ほど、うにゅほに講義を行うのだった。




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    小説家になろうで異世界小説始めました


    異世界は選択の連続である ~自称村人A、選択肢の力でヒーローを目指す~
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