うにゅほとの生活3098
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うにゅほとの生活3098

2020-06-04 02:02

    2020年6月3日(水)

    「はー……」
    カーテンと窓を開け放し、新鮮な空気を肺へと送り込む。
    「やっと終わった……」
    何が終わったか。
    それは、裏手にある家の外壁張り替え工事である。
    足場の関係上、俺たちの部屋を容易に覗き込めてしまうため、しばらくのあいだカーテンを閉めっぱなしにしていたのだった。
    「ながかったねえ」
    「一ヶ月くらいか」
    「もっとかかってるとおもう……」
    「日記を遡ってみよう」
    「うん」
    調べると、工事が始まった日付は、3月16日となっていた。
    「──えっ、三ヶ月近く?」
    「やっぱし」
    「マジか……」
    何故、そんなに期間が必要だったのか。
    それは、裏手の家の主人がリフォーム業者であり、仕事の合間を縫って、すべての作業をひとりでこなしていたからだ。
    すごいことだが、いささか迷惑な話でもある。
    「昼間から明かりをつける吸血鬼みたいな生活ともお別れだな」
    「うん、よかった」
    「気が滅入るってほどじゃないけど、ちょっと窮屈だったから」
    「わかる」
    カーテンを閉めていても、気配は感じる。
    本当にいるのか、気のせいなのかは、この際問題ではない。
    二階であるにも関わらず、窓の外に誰かがいるかもしれない。
    その事実こそがストレスなのだ。
    「そういえば、うちもそろそろ外壁塗るって言ってたな」
    「そなの?」
    「前にやったの、いつか忘れたけど」
    「あしば、くむ?」
    「組まなきゃ無理だな」
    「……ちょっと、あがってみたい」
    「わかる」
    うにゅほと固い握手を交わす。
    童心を忘れない俺たちだった。




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    小説家になろうで異世界小説始めました


    異世界は選択の連続である ~自称村人A、選択肢の力でヒーローを目指す~
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