うにゅほとの生活3240
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うにゅほとの生活3240

2020-10-24 03:13

    2020年10月23日(金)

    「──うん、すこしずつ良くなってる」
    階段の上り下りは、既に苦ではない。
    長時間の歩き仕事に耐え得るかどうか定かではないが、日常生活において支障はあるまい。
    「よかったー……」
    うにゅほが、ほっと息を吐く。
    「心配かけてごめんな」
    「いいよ。けが、しかたないもん」
    優しい。
    「でも、むりしたらだめ。こっちはしかたなくないよ」
    「はい……」
    厳しい。
    厳しいが、やはり優しい。
    「来週、また、歩き仕事があるんだけど……」
    「──…………」
    うにゅほが半眼でこちらを見やる。
    「俺だって安静にしたいけど、仕事だから」
    「うん……」
    「なるべく何日かに分けて、無理はしないようにするからさ」
    「かわってもらえないの……?」
    「人手が足りない」
    「そか……」
    しばし視線をさまよわせたのち、うにゅほがひとつ溜め息をつく。
    「……むりしないでね?」
    「無理はしない。約束する」
    「なら、うん」
    しぶしぶといった様子で、うにゅほが頷いてみせる。
    「ありがとう」
    「しかたないもん……」
    仕事をして生計を立てている以上、ある程度の無理は強いられる。
    動かしがたい事実だ。
    「どにち、あんせいにしないとだめだよ」
    「うん。家で休んでるよ」
    「へやにいてね」
    「なるべく」
    「した、おりちゃだめ」
    「ごはんは……」
    「わたし、もってくるね」
    「それはさすがに──」
    やり過ぎじゃないか、と言おうとして、うにゅほがいたずらっ子の笑みを浮かべていることに気が付いた。
    「じょうだん」
    「本気かと思った……」
    「うへー」
    冗談なんて、珍しい。
    この笑顔を歪ませないように、全力で足を治そうと心に誓うのだった。




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    小説家になろうで異世界小説始めました


    異世界は選択の連続である ~自称村人A、選択肢の力でヒーローを目指す~
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