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2020年11月22日(日)
「──…………」
目を覚まし、時刻を確認する。
午後四時。
「……寝過ぎた」
眠りに眠り果てた。
午前四時に床に就いたとは言え、いくらなんでも寝過ぎである。
のそのそとベッドから這い出すと、
「あ、おきた」
「起きました……」
「◯◯、やすみのひ、すーごいねる」
「疲れてるのかな」
「そうかも」
「そうかもなあ……」
平日の疲れを、休日に癒す。
そうやって、なんとかかんとか一週間をやり過ごしているのだろう。
「本当は、どっか出掛けたいんだけど……」
「いま、だめだよ。ステージ4だよ」
「そうなんだよな」
不要不急の外出、及び、市外との不要不急の往来を控えなければならない。
罰則規定があるわけではないが、痛い目を見るのは自分であり、家族であり、身近な人々である。
軽々しく破るものではない。
「でも、だらだらしてると眠くなる……」
「まだねれるの?」
「寝過ぎて眠い。でも、今寝たら絶対に体に悪いわ」
「じゃ、おきよ」
「××、目が覚めることして」
「めがさめること……」
しばし思案し、
ぺち。
うにゅほが俺の頬を両手で挟んだ。
「めーさめた?」
「……今ので?」
「うん」
「さすがに取れないかな……」
痛くないし。
「うと、じゃあ──」
うにゅほが、俺の鼻をつまむ。
「いき、くるしくなる」
「口が開いてる……」
「──…………」
「難しいな」
「むずかしい」
もっと容赦なく痛めつければ目は覚めるのだろうが、うにゅほには無理だろう。
あふ、とあくびを噛み殺す。
やたらと眠い一日だった。
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ヤシロヤ──「うにゅほとの生活」保管庫
小説家になろうで異世界小説始めました
異世界は選択の連続である ~自称村人A、選択肢の力でヒーローを目指す~
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