2020年11月25日(水)
アロマ加湿器が、思ったより香らない。
「新しいアロマオイルも注文しちゃったし、ここはひとつ、アロマランプでも買ってみようかと思うんだけど」
「あろまらんぷ?」
「アロマテラピーには、いくつか方法があるらしい」
「かしつきだけじゃないんだ」
「加湿器だけじゃないんだよ」
「へえー」
うにゅほが、興味深げにうんうんと頷く。
「まず、アロマディフューザーを使った方法」
「でぃふゆーざー」
「これは、簡単に言えば、超音波式加湿器だ。水のタンクにオイルを混ぜる」
「え、かしつき……」
「これは加湿器」
「けっきょく、かしつき」
「そうじゃないのもあるんです」
「じゃ、それおしえて」
「一般的なのは、アロマポットとアロマランプかな」
「あろまぽっと……」
「両方とも、アロマオイルを温めて、香りを拡散する。ポットならロウソク、ランプなら電球を使うんだ」
「すてきかも」
「ちょっといいよな」
「うん、いい」
赤橙色の自然な明かりと、芳しい香りに包まれて、ゆったりとした時を過ごす。
悪くない。
「ロウソクは危ないし、面倒だから、アロマランプがいいかなって」
「どんなのあるかな」
「いちおう、何個かには絞ってあるんだ」
「さすが」
うにゅほを膝に乗せ、アロマランプを一緒に選ぶ。
「──こういうステンドグラスみたいなのも悪くないかなって」
「きれいだけど、はでなきーする」
「まあ、部屋には合わないかな」
「うん」
「じゃあ、こういうアンティーク調のは?」
「あ、かっこいい」
「……でも、高いか。アロマオイルもそこそこしたし、五桁は出したくないな」
「そだねえ」
悩みに悩んだ結果、BRUNOのノスタルアロマランプを注文した。
「届くの、楽しみだな」
「ね」
まさか自分がアロマテラピーに手を出すことになるとは思わなかった。
だが、こういうのも悪くはない。
そんなことを考えながら、注文の品が到着するのを待つのだった。
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ヤシロヤ──「うにゅほとの生活」保管庫
小説家になろうで異世界小説始めました
異世界は選択の連続である ~自称村人A、選択肢の力でヒーローを目指す~