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2020年11月27日(金)
「──…………」
どんよりとした気分で帰宅する。
「おかえ──、り?」
「ただいま」
「◯◯、なんか、おちこんでる?」
「……当たらずとも遠からず」
「どしたの?」
「仕事が急に忙しくなってさ」
「うん」
「土日、なくなった」
「──…………」
「おまけに、来週は来週で残業上等。場合によっては来週の土日すら怪しい」
「しんじゃう……」
「死にはしないと思うけど、気は塞ぐよな……」
深く溜め息をつき、自室へ向かう。
「わたし、できることある?」
「うーん……」
一緒に仕事を片付けてくれれば最高なのだが、不可能だし、できたらできたで自分が情けない。
とは言え、何もないと答えるのは、あまりに冷たいだろう。
「逆に、××は何ができる?」
「うと」
しばし思案し、うにゅほが答える。
「かた、もむとか」
「いいね」
「こし、ふむとか」
「最高じゃん」
「わたし、やくにたつ?」
「立つ立つ」
「うへー……」
うにゅほが、てれりと笑う。
「最近、肩が凝り気味でさ。あとで揉んでくれる?」
「いってくれたら、すぐもんだのに」
「それも悪いし……」
「わるくないよ」
「そうかな」
「くるしいの、かくすほうが、わるいよ」
際限なく甘やかしてくる。
「わかった。肩が痛くなったら、真っ先に言うよ」
「よろしい」
繁忙期、なんとか乗り切ろう。
うにゅほに心配を掛けないようにしなければ。
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ヤシロヤ──「うにゅほとの生活」保管庫
小説家になろうで異世界小説始めました
異世界は選択の連続である ~自称村人A、選択肢の力でヒーローを目指す~
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