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2020年12月5日(土)
生あくびひとつ噛み殺し、呟く。
「相変わらず、土日は眠いな……」
つい、船を漕いでしまう。
「こんしゅう、つかれたでしょ。しかたないよ」
「なんとか土日を勝ち取れたのはいいけど、寝てばかりじゃな」
「がんばらなかったら、ねるのもできなかったんだし……」
「それは、まあ、たしかに」
先週の土日は仕事に呑まれて消えた。
今週の土日も同じように潰れていたならば、実に十九連勤という立てたくもない記録を打ち立ててしまうところだった。
それでも、十二連勤であったことに変わりはないのだが。
「人間、眠りと休息は必要だな」
「そうだよ」
当たり前とばかりに、うにゅほが大きく頷く。
「ねないと、しぬ」
「実際、そうなんだよな。ちゃんと睡眠を取らないと、寿命が短くなるらしくて」
「でしょ」
「早死にする漫画家が多いのは、それが理由なんだってさ」
「たしかに、ねてないイメージある……」
「水木しげるが九十歳を越えて長生きしたのは、ちゃんと睡眠を取ったからだって、本人が漫画で描いてる」
「きたろうのひと?」
「鬼太郎の人」
「ながいきだったんだ」
「本人も妖怪だったのかもしれない」
「ありうる」
あり得るのか。
「◯◯、なんさいまでいきたい?」
「具体的な目標はないけど……」
「けど?」
「娯楽に飽きない限りは生き続けたいな。何もかもに飽きたら、死にたい」
「なるほど……」
「××は?」
「わたしは、◯◯とおなじくらいがいいなあ」
「……そっか」
少々重いが、それが愛しくもある。
うにゅほのためにも、まだまだ生きなければ。
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ヤシロヤ──「うにゅほとの生活」保管庫
小説家になろうで異世界小説始めました
異世界は選択の連続である ~自称村人A、選択肢の力でヒーローを目指す~
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