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2021年1月18日(月)
「──◯◯、◯◯」
うにゅほが俺の袖を引く。
「んー?」
「かえるのこはかえるって、あるでしょ」
「あるな」
「なんで、かえるなんだろ……」
「なんでって?」
「いぬのこはいぬ、とかのがいいきーする」
「あー。蛙の子はおたまじゃくしだからか」
「うん。なんでもいいのに、なんで、かえるにしたのかなって」
「うーん……」
顎を撫で、しばし思案する。
「わざわざ姿の変わる蛙を選んだのには、何かしらの意図があるんじゃないか」
「どんないと?」
「わからんけど」
「わからんの」
「よし、アカシックレコードとチャネリングを行おう」
Googleを開き、適当なワードで検索をかける。
「あー、なるほど……」
「なんて?」
「やっぱり意図はあったみたい」
「ふんふん」
「蛙の子はおたまじゃくし。一見、親とは違うように見えるだろ」
「みえる」
「でも、結局は蛙に育つ」
「うん」
「それと同じで、子供に才能があるように見えても、凡人の子は凡人にしか育たないってことを表してるんだってさ」
「なるほど……」
うにゅほが、うんうんと頷く。
「……しつれいなことばなのでは?」
「あんまり人に言っちゃダメだぞ」
「はーい」
昔の人も上手いことを言う。
思わず感心してしまうのだった。
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ヤシロヤ──「うにゅほとの生活」保管庫
小説家になろうで異世界小説始めました

異世界は選択の連続である ~自称村人A、選択肢の力でヒーローを目指す~
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