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2021年3月4日(木)
「あー……」
頭痛がする。
僅かながら吐き気もある。
つまるところ、体調が悪かった。
「◯◯、だいじょぶ……?」
「大丈夫、大丈夫……」
明らかに大丈夫ではない声が口から漏れた。
右肋骨下の痛みが取れたと思ったら、今度は普通に体調不良である。
どうにも散々な一週間だ。
検温終了を知らせる電子音が響き、体温計を取り出す。
「ねつある?」
「──…………」
うにゅほに体温計を渡す。
「やっぱし、ねつないね」
36.5℃。
紛れもなく平熱だ。
「熱っぽい気がしてたんだけど……」
「おでこ、あつくないよ」
「うーん……?」
風邪なのか、そうではないのか。
「コロナではなさそうだし、まあ、寝てれば治るか……」
「びょういん、いかないの?」
「大した症状でもないし」
「でも」
「変に行って、コロナもらってきても困るだろ」
「それは、うん……」
「あばらの下の痛みは怖かったけど、今回は単純に風邪の諸症状だから。大丈夫だよ」
「……そか」
納得の行かない様子だったが、緊急時でもない限りは病院は行くのは控えたい。
紛う方なき本音である。
「とりあえず、すこし寝るよ」
「うん」
「ごめんな、体弱くて……」
「ううん。つらいの、◯◯だから」
心配をかけているのが、心苦しい。
もしも三つの願いが叶うのならば、一つは間違いなく健康を選ぶだろう。
健康は、お金では買えないのだから。
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ヤシロヤ──「うにゅほとの生活」保管庫
小説家になろうで異世界小説始めました

異世界は選択の連続である ~自称村人A、選択肢の力でヒーローを目指す~
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