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うにゅほとの生活3435
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うにゅほとの生活3435

2021-05-07 01:39

    2021年5月6日(木)

    「──…………」
    じ、と。
    うにゅほが、漫画を読んでいる。
    「ふふ……」
    時折、くすりと笑ったりもする。
    読んでいるのは、裸一貫!つづ井さんというエッセイ漫画の新刊だ。
    作者が友人たちと過ごすお祭り騒ぎのような日常を漫画化したもので、読むだけでなんだか元気が湧いてくる。
    「つづ井さん、面白いよな」
    「うん、おもしろい」
    「最近買ってる漫画の中だと、かなり好きかも」
    「あ、そだ」
    うにゅほが、小首をかしげながら、俺に尋ねた。
    「ともだちって、どんなかんじ?」
    「──…………」
    あー。
    あー……。
    そうだった。
    家族という小さなコミュニティで人間関係が完結しているうにゅほには、友達と呼べる人がいないのだった。
    「……難しいな」
    「むずかしいの」
    「俺も、友達が多いほうではないし」
    「わたし、ひとりもいない……」
    「──…………」
    「──……」
    つづ井さんが眩しく見えてきた。
    「まあ、そうだな。一緒にいて楽しいこともあれば、つらいこともある。人間関係なんて、たいていそんなもんだよ」
    「……つらいこと、あったの?」
    「そりゃね」
    「そか……」
    うにゅほが黙り込んでしまった。
    これはいけない。
    「あー、いや、もちろん楽しいことのほうが多かったぞ」
    「そなの?」
    「楽しくなかったら、一緒にいないさ」
    「なるほど……」
    うにゅほの双眸を真剣に見つめ、尋ねる。
    「××も、友達欲しいか?」
    「うーと」
    しばし思案したのち、うにゅほがあっさりと答えた。
    「べつに」
    「……いらないの?」
    「そんなに……」
    「欲しいから聞いたんじゃないの」
    「ちがうよ」
    「そうなんだ……」
    肩透かしを食った気分だった。
    「……もし、友達が欲しくなったら、遠慮せずに言ってくれな。協力するからさ」
    「うん」
    「──…………」
    返事が軽い。
    うにゅほ歴の長い俺にはわかる。
    これは、マジで興味がないときの反応だ。
    恐らく、何の含みもなく、ただただ疑問に思ったから尋ねたに過ぎないのだろう。
    らしいと言えば、らしい話だ。
    「♪」
    読書に戻るうにゅほを横目に、彼女にとって何が幸福なのかを改めて考えるのだった。




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    小説家になろうで異世界小説始めました


    異世界は選択の連続である ~自称村人A、選択肢の力でヒーローを目指す
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