うにゅほとの生活913
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うにゅほとの生活913

2014-05-27 23:39

    2014年5月27日(火)

    「──……あふぁ」
    あくびを噛み殺す。
    「ねむいの?」
    「眠いけど、眠くない」
    「……?」
    うにゅほが小首をかしげる。
    「えー……と、なんて言ったらいいかな」
    思案し、言葉をひねり出した。
    「あくびは出るけど、横になる気分じゃない」
    「あー」
    わかってるんだか、どうなんだか。
    「──ぃよし!」
    自分の頬をパンパンと叩き、立ち上がった。
    「散歩行こう、散歩」
    「いいねー」
    うららかで、清々しい日和である。
    暖かな太陽の光が、しどけなく俺たちを誘っていた。
    「どこいくの?」
    「サイクリングロードかなあ」
    近所のドブ川沿いに、サイクリングロードとは名ばかりの小さな舗道がある。
    レクリエーションとして楽しむには短すぎるし、抜け道としての利用価値もないので、自転車の姿を見かけることはまずない。
    ただ、犬の散歩コースとしての需要は高いようだ。
    「──……ん、ぁー!」
    思いきり伸びをする。
    「緑が多いから、気分いいな!」
    「うん……」
    うにゅほが暗澹たる面持ちで頷いた。
    まあ、言いたいことはわかる。
    「……川は、汚いよな」
    「きたない」
    汚いというか、ほとんど流れていない。
    環境汚染とかそういったたぐいのことではなくて、もともと水量が少なく澱みがちな小川なのだ。
    変な虫が大量発生していないだけ、よしとしよう。
    「でも、ほら──」
    反対側の野原に視線を向ける。
    「たぶん、ここのどっかに、こないだ見たきつねが住んでるんだぜ」※1
    「きつね!」
    うにゅほの瞳が輝いた。
    「なんでか知らんがこのあたり、なんもないからなー」
    牧野でもなければ防風林でもない、ただ自然そのままの草原が目の前に広がっている。
    市街地では珍しい光景かもしれない。
    「きつね、いないねえ」
    「どっかにいるよ」
    「そっかー」
    一時間くらいのんびり散歩して、帰宅した。

    ※1 2014年4月6日(日)参照



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