うにゅほとの生活1005
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うにゅほとの生活1005

2014-08-28 23:39

    2014年8月28日(木)

    「か!」
    「……?」
    うにゅほの指の先を視線で辿ると、大きめの蚊がふらふら飛んでいた。
    腰を上げ、網戸を確認する。
    案の定すこし開いていた。
    「すわれたらあぶない……」
    そう呟くと、ソファの上で膝を抱き、ぎゅっと丸くなった。
    うにゅほは蚊に刺されると腫れる体質なのである。
    「よく知らないけど、大きいからオスかもしれないぞ」
    「ふうん……」
    だからなに、と言いたげだ。
    「蚊は、産卵期のメスしか血を吸わないんだよ」
    「そなの?」
    「そうなの」
    「……なんにせよ、どうにかしないと落ち着かないな」
    「うん……」
    キンチョール☆に目を向ける。
    細身で体重の軽い蚊であれば、暴れて大惨事になる心配もないが、その代わり噴射の勢いでどこかへ飛んで行きそうだ。
    どうしようかと迷っていたとき、当の蚊が眼前を通りかかった。
    ぱし。
    無意識に掴み、手を開く。
    「おお……」
    そこに、蚊の死骸があった。
    「すごい!」
    興奮気味のうにゅほに、容易いことだとばかりに不敵な笑みを向け、ティッシュで手のひらを拭い取った。
    むろん、たまたまである。
    「やってみたい」
    「まず、標的がいないと──」
    「か!」
    うにゅほが天井を指さす。
    ちいさめの蚊が、シーリングライトの周囲をぐるぐると回っていた。
    二匹、入り込んでいたらしい。
    「よーし……」
    ソファの上に立ち、うにゅほが天井を仰ぐ。
    まあ、無理だろう。
    キンチョールを手に取ろうとして、
    「えい!」
    ぱし。
    「あ、できた」
    「……マジ?」
    「まじ」
    うにゅほの右手の上で、バラバラになった蚊の死骸が潰れていた。
    「てぃっしゅ、ティッシュ」
    「ああ、ほら」
    もしや、俺たちの反射神経は、常人のそれを遥かに凌駕しているのでは──
    などとは一瞬たりとも思わない、運動音痴の俺たちだった。



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