ユーザーブロマガは2021年10月7日(予定)をもちましてサービスを終了します

夕立で雨宿り
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

夕立で雨宿り

2013-10-05 22:06
    放課後のホームルームも終わって、窓から外を覗くとどんよりとした雲が見えた。
    「むー。ゆかりちゃん、あの雲こっちにくるかなー。」
    「そうですね。雨なんて予報なかったんですけど、雨が降る前に帰りたいですね。」
    「そうだね。傘持ってきてないよ。さっさと帰っちゃおうか。」
    そんなことを言いながら帰り道に就くと、さっきより雲が近づいていた。さっさと帰ろうとは言ったものの、結局普段と同じくらいの速さで歩いていた。
    「ねーゆかりちゃん、今度テスト終わったらどこか遊び行こうよ。すぐ夏休みになるし。」
    「またマキさんはテストが始まる前からそんなことを・・。そんなことよりテストは大丈夫なんですか?」
    「そんなこと、じゃないよ!テストの後の楽しみを糧にしてテストを乗り切るんだよ!」
    「そんな熱弁されましても・・。まぁいいですよ。というか、いつもテストの後は遊んでるじゃないですか。今回に限って遊びません、とでも言うと思いましたか?」
    「やった、ゆかりちゃんありがとう!テスト頑張ろう、今度の土日に勉強教えてね。」
    「はいはい、そこもいつもどおりですね。」
    はぁ、と溜息なんてつきながらゆかりちゃんに言われてしまった。
    「まったくマキさんはやればできるのに授業中寝てばかりだからギリギリになって勉強しないといけなくなるんですよ?普段から授業をまじめに聞いていればマキさんならそれなりの点を取れるでしょうに。」
    「ゆかりちゃんと一緒にやることに意味があるのだ。」
    キリッとよくわからない格好をつけて言ってみる。
    「まぁ、私も教えるついでに復習になるのでかまいませんけど。土日でいいんですか?せっかくの機会ですから、みっちりとこの後から勉強しませんか?」
    「そ、それはいいかなーって。」
    いくら一緒でも毎日やるのは辛いよゆかりちゃん・・。

    そんな感じにいつものテスト前の会話をしていると、急に雨がザーッと降ってきた。
    「わっ、降ってきましたね。」
    「うぅ、傘ないのに。あっ、あそこで雨宿りしよう。」
    「はいっ。」
    幸い、近くに雨宿りができそうな軒先があったので、そこに向かって一目散に走る。
    あぁ、急いで走ったのに結構濡れてしまった。
    「夕立ですかね。」
    「そーだねー。すぐ止むだろうし、しばらくここで雨宿りしてこうか。」
    「傘もありませんしね。」
    ゆかりちゃんを見てみると、やっぱりゆかりちゃんも濡れてる。しかも水が滴っていて、なんだかすごく綺麗だ。
    「どうかしましたか、マキさん?」
    いけない、見とれてしまった。
    「え、あぁ、うん。ゆかりちゃん綺麗だなぁって。」
    えっ、と言って顔が赤くなるゆかりちゃん。かわいいなぁ。綺麗なだけでなく可愛いとは。
    「そ、そういうマキさんは濡れてとても魅惑的な格好になってますよ。」
    えっ、と思い自分の姿を見てみると、色々と透けていた。ゆかりちゃんはベストを着ているから透けていたのは私だけだ。
    「…ゆかりちゃんのエッチっ」
    「見せているのはマキさんじゃないですか。」
    うぅ…。ゆかりちゃんに見られていると思うと恥ずかしい。顔が熱くなってきた。とちょうどその熱を冷ますように涼しい風が吹いた。

    「風が吹いてきましたね。」
    「あ、あぁそうだね。」
    「濡れた体には寒くないですか?タオル使ってください。風邪ひきますよ。」
    そう言ってゆかりちゃんがタオルを渡してくる。
    「えー、ゆかりちゃんだって濡れてるじゃん。先に拭いてよ。」
    「私はこのベストが濡れてるだけで中までは濡れていませんから大丈夫です。」
    うーん、髪も袖も濡れてるように見えるけど、こうなると意固地だからなぁ。
    「ありがと、それじゃお言葉に甘えて使わせてもらうね。」
    濡れた髪と顔を拭くとゆかりちゃんのいい匂いがして、思わず顔が緩む。
    「マキさん、顔拭きながら変な顔しないでください。」
    「だってゆかりちゃんのいい匂いがするんだよ。仕方ないじゃん。」
    「なっ…。ば、バカなことを言ってないで早く拭いてください。」
    そんなことを言って向こうを向くゆかりちゃん。
    でも背中から耳が赤くなっているのが見えてニヤニヤしてしまう。か、かわいい。
    クンカクンカ、わざと音を立てて匂いをかいでみる。
    ふふふ、ゆかりちゃんはどんな反応するかな。あ、なんだかプルプルしてる・・。
    もしかして、これはやりすぎたかな。
    「ご、ごめんねゆかりちゃん。タオルありがとう。ちゃんと洗って返すね。だからこっち向いて?」
    ササッと服も拭いて話しかける。
    「いきなりあんなこと言われて恥ずかしいに決まってます。マキさんは他の人にもそんな風に言ってるんですか。」
    まだ顔を赤くしたゆかりちゃんがこっちを向いて言う。
    「ゆかりちゃんにしかこんなこと言わないから大丈夫だよ。」
    「くっ・・。マキさんはいつからこんな娘になってしまったんでしょう。」
    「えー、こんな私いや?」
    「い、嫌じゃないですけど。そのなんていいますか・・。」
    「嫌じゃないならいいよね。ゆかりちゃんゆかりちゃーん。」
    ギュッと抱きついて直接ゆかりちゃんの匂いを嗅いでみる。
    「ちょっとマキさん濡れたままくっつくないでください。」
    ゆーかーりーちゃーんー。はぁいい匂い。
    「・・・。」
    ペシッと音がした。どうやら無言で叩かれたようだ。
    「いい加減にしてください。」
    「ゆ、ゆかりちゃんごめんなさい。」
    「別に怒ってはいませんが、必要以上に濡れたら二人とも風邪を引いちゃいますよ。テスト前にそれは嫌でしょう?」
    ごもっともです。

    「あっ、どうやら止んだようですよ。」
    「ほんとだ。ようやく帰れるね。」
    「はい、では帰ったらお風呂入ってから家に来てくださいね。みっちりとお勉強しますから。」
    ニコり、といつもとは違う笑顔で言われると何か怖い。
    「は、はい!」
    「ふふふ、楽しみですね。早く帰りましょう。」
    やっぱり怒ってる・・。
    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。