【小話】最後の友人
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【小話】最後の友人

2013-09-18 21:45
  • 1


 昔、ある星のある国には、変わった月の物語があった。
星で生まれた子供が、成長して月に帰っていくという、風
変わりな物語。人間という生物は、昔から月というものに
関心があったのだ。
 それは、住む場所が変わっても……


「明日、月に行くの」
 目の前の彼女が楽しそうに言った。彼女は、月にある研
究所で働くのが夢だった。それは、ずっと一緒にいた僕も
知っている。
 でも、彼女は知らない。
 月が、なんのために存在するのか。
「顔色悪いね……」
 僕は何気なく言った。彼女はちょっと笑って、
「ここ最近、体の調子が悪いの」
と呟く。
「働きすぎだよ」
「月に行くために頑張ったから」


 それは違うよ。


 なんて、言えなかった。
 彼女は数日後、月へ旅立っていった。もう、自力で立つ
ことが出来ず、車椅子に座っての旅立ちだった。


 この部屋には、もう僕しか“ない”。昨日まで、誰かが
住んでいた形跡すらなく、ただ、僕だけがいた。そんな僕
も、しばらくしたら撤去されるだろう。
 僕がいなくなったら、ここには本当に何もなくなる。こ
の部屋に住んでいたはずの彼女の存在自体がなくなってし
まう。
 <月へ行く>
というのは、そういうのことなのだ。
 足音が聞こえてきた。そろそろ僕も撤去されるみたい
だ。さて、次はどんな人間と会えるんだろう。
 <月に行く>までの最後の友人として……


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【さらにしょうもないあとがき】
 ちょっと書いてみたかった、とある設定でのお話。
 一応、場所が変わったので、本文中の月が、今自分たちが見ているのと同じかっていうと、違うと思います。
 本当は、本物と人工の月と2つ見える世界を考えていたんですが・・・
 短いお話なんで、却下されましたwww

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どもです 勝手に 月に向かう ロケットと発射台 のお話なのかと思って読んでましたw 申しわけないです
85ヶ月前
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