ふえこい
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ふえこい

2013-02-28 19:09
    人物表
    A(?)女学生
    B(?)転校生
    クラスメート1
    クラスメート2
    教師
    クラスメートたち
    ブラスバンド部員1
    ブラスバンド部員たち
    他生徒たち

    ○通学路1
    縦笛を吹いて走っているA。

    ○通学路2
    Bが歩いている。

    ○交差点
    交差するように進んでくるAとB、ぶつかる。
    妙な笛の音を鳴らして倒れるA。
    B「気をつけろ」
    立ち上がり笛を吹いて走っていくA。

    ○学校・教室
    Aが笛を吹いている。
    クラスメートたちが席に座っている。
    教壇に立っている教師。
    教師「転校生が来ている」
    ざわつくクラスメートたち。
    笛を吹いているA。
    Bが入ってくる。教壇に向かうB。
    教師「今日からみんなの仲間になるB君だ。皆よろしく頼む」
    目が合うAとB。
    笛で妙な音を鳴らすA。
    B「縦笛、か・・・」
    教師「Bの席はAの隣だ」
    Aの隣の席に歩いていくB。
    縦笛を口から離すA。
    Aの横まで来るB。
    Aの足元からBの足元に向けて縦笛が出てくる。
    Bのすそから笛が伸びて見事にガードする。
    B「縦笛をそんな使い方する奴とは仲良く出来ないな」
    クラスメート1「ごめんねB君、Aはいつも隣にくる人にはこうなんだ」
    B「いつも・・・なのか」
    Aを見るB、縦笛を吹いているA。
    × × ×
    チャイムが鳴る。
    ざわつく教室内。
    教師「転校生に学校内の案内を頼む。えーっと、隣の席のA、よろしくな」
    縦笛で妙な音を鳴らすA。

    ○学校・プール内
    無言で歩いて来るAとB。
    いきなり制服を脱ぐA。
    B「いきなり何を・・・」
    水着姿のA。縦笛を手にしている。
    嬉しそうにプールの中に入るA、頭まで水につかる。
    見守るB。
    水面から縦笛が出てくる。
    縦笛を見るB
    水面下で口と指で縦笛の穴を全て押さえているA。
    B「縦笛はそういう使い方をするものじゃない。先に帰らせてもらう」
    背を向けるB。
    水面から縦笛が消える。
    プール入り口で水面を振り返るB。
    プール内で妙な動きをしているA。
    縦笛から水を噴出しその力で進んでいる。
    足を止め見入るB。

    ○学校・音楽室前
    音楽室と、その隣に笛部と書いた紙が貼られた音楽準備室がある。
    Bが音楽室の前へ歩いて来る。
    B「ここが音楽室か」
    制服姿・濡れた髪のAが縦笛を吹きながら走ってくる。
    音楽室に入ろうとするB。笛をピーと鳴らす。
    驚き動きの止まったB、の腕を引っ張るA。引っ張った先に音楽準備室。
    その手を振りほどくB。Aの笛が落ちる。
    B「あ・・・」
    落ちた笛を飛びつくように拾うA、そのまま口にくわえる。
    B「・・・」
    音楽室の隣の笛部を笛で指すA。
    B「(その方向を見て)笛・・・部?」
    Bの腕を引っ張るA。
    その手を振りほどくB。
    よろめくが再度Bの腕を引っ張るA。
    その手を振りほどくB。
    B「なんなんだ!?」
    少し黙った後、笛をかきならすA。
    B「うるさい!やめろ!」
    チャイムが鳴る。
    Aを見つつ後ずさりし、走り去るB。笛をかきならしているA。

    ○学校・教室
    教師が教科書を手に話している。
    クラスメートたちが席についている。
    ノートを取りつつ真剣な顔のB。
    縦笛を口にくわえて机に頭を押し付けているA。
    教師「縦笛がこんなに楽しいなんて28年間生きてきて、始めて知りました」
    うなずくB。

    ○学校・教室前
    生徒たちが行き来している。

    ○学校・教室内
    クラスメートたちが騒いでいる。
    席に座っているB、と縦笛を口にくわえて机に頭を押し付けているA。
    その前の席のクラスメート1。
    Bの前に来たクラスメート2。
    クラスメート2「転校生、一緒に飯食わね?」
    Aをちらと見るB。
    B「うん、食べよう」
    クラスメート2と歩いていくB。
    クラスメート1がAの頭をなでる。
    クラスメート1「もうお昼だよ。・・・またなにかあったの?」
    頭を上げるA。口にちくわをくわえている。ちくわから綺麗な和音が響く
    聞き入るクラスメート1.

    ○学校・音楽室前
    生徒たちが鞄を持って歩いている。
    鞄を手にしたA、音楽室に入る。

    ○音楽室内
    それぞれ楽器を手にしたブラスバンド部員が楽器の練習をしている。
    音楽室と音楽室準備室とをつなぐドアがある。
    入ってくるB。数名が練習の手を止める。
    B「入部したいんだが」
    ブラスバンド部員1「いいけど、今頃?」
    B「今日転校してきたんだ。・・・俺は縦笛県大会2位だ」

    ○学校・音楽準備室前
    笛部と書いた紙が貼ってある。

    ○学校・音楽準備室
    縦笛を真剣を手入れするように笛をポンポン(打粉)するA。縦笛をじっと見て、真剣な顔で縦笛をくわえるA。

    ○学校・音楽室内
    練習しているブラスバンド部員たちとB。
    ブラスバンド部員1「(練習をやめ)あ、やってるよ」
    それぞれ静かに楽器を置くブラスバンド部員たち。不信な顔で縦笛を置くA。
    縦笛の音が聞こえてくる。
    表情が固まるB。

    ○崖
    海に面した崖。
    縦笛の音が聞こえている。
    何人ものBが並んでいる。
    順番に一人づつ海に落ちていくB。

    ○学校・音楽室内
    立ち上がっているB。
    音楽準備室のドアへ走る。

    ○学校・音楽準備室内
    縦笛を吹いているA。
    音楽室側のドアが開く。
    驚いた顔のB。
    縦笛の下部を引き抜いてAに投げるB。
    おでこに笛の下部が当たるB。
    B「(頭を押さえ)つっ・・・いきなり何をする!?」
    Bを睨みつけるA。
    B「いや、いきなり来たのは俺か・・・」
    足元に落ちている笛の下部を見て。
    B「あの音色はお前なのか・・・?」
    頭部管を鳴らすA。
    B「こういう使い方は許せないが・・・、今の演奏は素晴らしかった」
    足元の笛を拾うB。Aの前へ歩いていく。
    B「良かったら俺に縦笛を教えてくれないか?」
    笛の下部をAに差し出すB。
    頭部管を口から吹き出すA。
    おでこに頭部管が当たるB。
    B「(頭を押さえ)・・・だからやめろと」
    縦笛の頭部管と下部を組み合わせるA。
    A「百年早い」

    ○学校・プール内
    的がいくつも立てかけてある。
    水の中で縦笛を持って奇妙な移動をしているA。
    プールサイドで正座して縦笛を磨いているB。おでこに絆創膏がある。
    Aが水面から顔を出す、と的に縦笛がいくつも刺さっている。
    B「これで縦笛がうまくなるのか?」
    Bのひざを縦笛がかすめて地面に刺さる。
    B「失言しました!すいません師匠!」
    土下座するB。
    水面から嬉しそうに顔を出すA。

    終わり

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