今回は、トキメキから安らぎへ。
時代の変化に合わせた恋愛の形を!
と大きく出たけどそれが書けてるかは分かりません。
注意点。
シナリオです。
なので読んだ事がない方には読みづらいかも。
独自の書き方があります。
詳細な会話は全てスルーしたったった。
タイトル「君の職業は」
人物表
鉄棒登(30
家野那加(32)
家野母(56)
○公園
鉄棒登(30)がブランコに揺られている。
家野那加(32、いえの なか)が歩いてくる。
鉄棒「(砂場を見つつ)砂の・・・城、か」
鉄棒に話しかける那加。
那加「ずっとへんなおじさんがいてブランコで遊べないっ子供たちが言ってるんですけど。あなたですよね?」
鉄棒「・・・あ、すいません」
ブランコから立ち、滑り台へ向かう鉄棒。その後ろをついていく那加。
滑り台に登る鉄棒。
那加「あの!」
鉄棒「あ、はい・・・?」
那加「何をされてるんですか?子供が怖がってるし苦情が来てるんですよ。失礼ですが、ご職業は?」
鉄棒「・・・あの、その・・・(落涙)」
那加「あっ・・・チッ」
× × ×
ベンチに座っている那加と鉄棒。
那加「会社を首になって、ネット見てたら公園での殺害予告があって・・・。子供が心配だから大丈夫だとは思うけど一応監視している・・・と」
鉄棒「はい・・・」
那加「いや、仕事探したりとか色々あるでしょ?人の事いえませんが・・・」
鉄棒「じゃあ、あなたも・・・?」
那加「家事手伝いと言うか・・・こっちの事はいいじゃないですか。んー、まぁそういう事情なら町内には言っときますので。ただ変な行為はしないようお願いします。ここに居て下さい。ベンチに座っててください」
鉄棒「はい・・・、すいません」
ため息をつく那加。歩いていく。
○家野家・前(夜)
○同・台所
家野母(56)と那加が話している。
母「それで?」
那加「いや、だから悪い人じゃなさそうだって・・・」
母「そんなの分からないじゃない。犯罪者は皆そんな事するようには思えない人ばっかりなの!また公園に来るんでしょ?その人」
那加「まぁ・・・ベンチに居ろとは言ったけど」
母「居ろって言ってどうするのよ!・・・もう、あなたが監視しなさい」
那加「ええ・・・」
母「どうせ暇なんでしょ?それぐらいしてご町内の役に立ちなさい!」
○公園(朝)
鉄棒がベンチに座っている。那加が歩いてくる。
鉄棒「あ、おはようございます」
那加「・・・こんな朝から大変ですね」
鉄棒「まぁ、他にする事ないんで・・・」
那加「・・・分からなくはないですけど」
鉄棒「そうですか・・・はは」
那加「・・・」
鉄棒「・・・」
那加「・・・えっと、前の仕事って聞いてもいいんですかね」
鉄棒「・・・ひどいとこでした」
× × ×
お弁当を食べている鉄棒。那加はコンビニのおにぎりを頬張っている。
鉄棒「これ、母が作ってくれてるんですよ。申し訳ないなーと思いながらも、中々次の一歩に踏み出せなくて・・・」
那加「はぁ・・・。まぁ作ってくれるだけマシなんじゃないですかね。私なんてもう放っとかれてますから」
× × ×
夕方。
鉄棒「今日はありがとうございました。色々愚痴みたいなの聞いて貰って・・・」
那加「いえいえ・・・、まぁ監視みたいなものですから」
鉄棒「監視・・・?」
那加「こっちの話です」
鉄棒「では、また明日・・・」
歩いていく鉄棒。
那加「明日も来るんだ・・・」
那加のN「そんなこんなでこの男、鉄棒登さんとの無駄話は二ヶ月続いた・・・」
○公園
鉄棒「へぇ、案外経験豊富なんですね」
那加「案外って」
鉄棒「ああ、そんなつもりじゃ・・・」
那加「まぁ、今でこそ親の脛をかじってますが。それなりの・・・つもりだったんですよね。若さ故の暴走というか、年取ると、何か悲しいですよね」
鉄棒「そうですね・・・。でも、楽しい事もありますよ」
那加「・・・例えば?」
鉄棒「えっと・・・、急にはちょっと」
那加「親が言ってきません?結婚しろだのなんだの・・・。あ、男はそうでもないか」
鉄棒「いえ、言われますよ。あんたも結婚したらちょっとは責任感が生まれて、お父さんみたいにいい男になれるかもねって」
那加「うわ、凄い。お母さんラブラブですね」
鉄棒「いやー、そんな事は・・・あるかなぁ」
笑う二人。
鉄棒「家野さん・・・良かったらちょっと結婚してみません?」
那加「・・・いやいやいや。やめて下さいよ」
鉄棒「ああ、そうですね。すいません、ちょっと思いつきで・・・。まずは仕事が先かなー」
那加「私もそうですねー」
○家野家・前(夜)
母の声「いい話じゃない!」
○同・台所
那加「ええ・・・、でも冗談みたいだったし」
母「あんたみたいな売れ残り、貰って貰える相手が居るだけで幸せと思いなさい」
那加「お母さん、怒るよ?その言い方」
母「ああ、ごめんごめん。ただ、ちょっと考えてもいいんじゃない?」
那加「はぁ・・・」
○公園
那加「母がモウ色々うるさくってもう」
鉄棒「親なんてそんなものですよ。言ってくれる内が花なんて言いますけどね。僕等も親になったらそんな感じじゃないですかね」
那加「あ・・・。あの、前の話ですけど」
鉄棒「・・・はい?何の話でしたっけ」
那加「デートぐらいなら、その・・・」
鉄棒「あ・・・え、いいんですか?」
那加「いや、親がうるさいんで・・・軽くそういうのでもって」
鉄棒「ああ、分かりました。いいですよそんなのでも。俺は嬉しいんで」
那加「あ・・・、何かすいません」
○駅前
おめかしした那加が立っている。
いつもの格好で来る鉄棒。
那加「・・・」
○水族館・前
○同・内部
話している那加・鉄棒。
那加の目が泳ぐ。
○家野家・前
○同・台所
那加「ダメ、全然」
母「・・・何が?」
那加「トキメかない、全くそういうのがない。どこに居ても公園で話してるのと同じ」
母「・・・そんなもんじゃないの?」
那加「ダメ!あんなのデートじゃない。私の中の乙女が許さない」
母「何が乙女よ・・・いくつになったんだっけ?」
那加「うーるーさーい!ダメったらダメなの!」
母「はいはい」
○公園
那加「やっぱりあの・・・、そういう風には見れないというか。・・・ごめんなさい」
鉄棒「・・・いや、いいんですよ。気にしないで」
那加「ほんとごめんなさい・・・」
鉄棒「いいですよ。それより、話の続きを」
× × ×
字幕「翌日」
歩いてくる那加。
ベンチに誰も居ない。
○家野家・前
母の声「あーあ」
○同・台所
母「もったいない。振られたか」
那加「・・・振ったのよ」
母「それで寂しく泣き寝入りですかー。あーあ」
那加「うるさいわね!もういいでしょ、公園の不審者は居なくなりました。問題解決!」
歩いていく那加。
母「でもあんた、最近楽しそうだったわよ」
一瞬立ち止まり、すぐ歩き出して部屋を出る那加。
○公園
一人ベンチに座っている那加。
鉄棒が歩いてくる。
鉄棒「家野さん!良かった、会えて」
那加「・・・あ、こんにちは」
鉄棒「仕事、決まったんですよ!一番に伝えたくて」
那加「おめでとう!おめでとうございます!良かった、ほんと良かった」
鉄棒「家野さんのお陰ですよ。で、良かった今晩飲みません?給料前借してくるんで、親の金じゃなくて堂々と」
那加「あ、じゃあ割り勘で・・・」
鉄棒「いいですよそんなの、奢らせてくださいよ。仕事決まったのも半分は家野さんのお陰なんですから!」
那加「・・・じゃあ、お言葉に甘えて」
○居酒屋「解体業者」・店内
酒を飲み話している鉄棒と那加。
○ホテル街
歩いてくる鉄棒と那加。
鉄棒が早足で歩き出す、その腕をつかむ那加。
那加「ちょっと休んでいきません・・・?」
鉄棒「え・・・」
○ラブホ「サル山」・一室
ベッドで寝ている全裸の那加・鉄棒。
那加が起き上がり鉄棒の顔を見る。
那加のN「・・・やっぱりトキメかなかった。んー・・・」
那加の方へ寝返りをうつ鉄棒。
那加のN「でもまぁ・・・、何か落ち着くし」
○公園
無人のベンチ。
那加のN「三ヵ月後、私達は結婚した」
END