• VRChatでworldを作った話

    2019-03-09 21:55
    この話は 普通の人には何てことない普通の事だが 私にとってはドラマだった

    はいどうも、おはこんにちばんわ
    nikuです。
    最近はVRChatハマりすぎてkuniyanて名前のがしっくりくる気がします。すなわち名前なんてただの名前でしかなくて、本質は私という存在なのです。つまり私はみんなのアイドル。

    先日VRChatにて「How To Use VRoid」というワールドをアップロードしました。twitterでたくさんのRTいいねを頂き、多少なり知名度を持ったワールドになってくれたのじゃないかな?って思います。特にVRoidユーザーは気になったんじゃないかなーと作者は期待しています。
    さてまぁしかし、こいつがまぁ、まぁまぁ、本当に大変でした。アップした日は独りで打ち上げ乾杯しようかと思うほどに、この世界が滅んでももう悔いはないと思うほどに、それはもう大変だったのです。
    「そんなに凄いワールドなのか?」
    いえいえそんなこたーありんせん。public化してごめんなさいと思う程度のものですよ。
    いや!自分の作品をそんな卑下していてはいけないな!凄いんだよこれが!すご!・・もうあれが!・・・そう!あれが凄いんだ!あれ・・あの・・なんだ・・・あれなんだよ・・・

    まぁね!とりあえず経験として、凄く面白かったからその話したいなーって思ったのよ。実際に話を聞いてくれる友達がいないとかそんなんじゃないから!いいから聞け!

    きっかけは友人のツイートだった
    いつも初心者を捕まえてはVRChatの使い方や楽しみ方を教えるという初心者狩りを生業としている他人思いの優しい友人がいるのだが、彼がポッとつぶやいた。
    「誰かVRoidの使い方紹介するワールドつくって~」
    確かこんな感じだった。
    仕事から解放されて無職を堪能していたその時の私はおそらくあくびしてちんちんを掻きながらタイムラインを眺めていた所だっただろう。
    そんな私の目に彼のツイートは強いオーラを纏って突き刺さった。
    「なんか面白そうじゃね?」
    そう思った。
    私はその頃アバターをいじったりしているのが楽しくてそればっかりやっていたのだが、実はかなり前に一度ワールド作りを体験してみた事がある。
    ワールドってどうなっているのだろうという疑問から触ってみただけの全く形になっていないテストワールドだった。数か月放置していたらいつの間にか中身が壊れて進めなくなっていたのがまた数か月したらいつの間にか戻っていた。そんなレベルのゴミのようなワールドだ。
    中身はゴミだったけど、作っている間はそれなりに楽しいものであった。
    だからかもしれない。一度真面目にワールド作りに取り組んでみたいという気持ちがあったからこそ私の目に止まったのかもしれない。

    私の脳内スケジュール表によると数日余裕があった。なので彼に伝えた。
    「おれやってみるよ」

    はじまりのplane
    ワールド作りってどこからやるのだろう、全く知らない人はそう思うだろう。何をどこから着手するのか全く解らないのじゃないだろうか?
    まずはunityで何もない空間に板(plane)を置く。それを床とする。
    勿論、壁から入る人もいるだろうし、いきなり箱(cube)からスタートする人もいるかもしれない。
    とにかく言いたいのは真っ新な無の空間に何かの物をテンッて置くのだ。
    これが中々に気持ちいい。ここから始まるのだと気分を高揚させる。
    プログラムを勉強する初歩で定番の「hello world」を表示した時はなんとも思わなかったけれど、unityでこれを行うとその先が楽しみになってワクワクとさせる。

    ちなみに、Blenderとかのモデリングソフトでワールドの形を作っておいてunityに持ってくるって方法もある(というか凄いワールドはだいたいそうだと思う)ので全員最初はここからという訳ではないよ。

    さて次は・・・次は・・・・どうしよう?
    床は置いたけどえ?どうする?どうしよう?
    ワールドの形どうやって決めよう?
    形は床と壁を並べていけば作れるのは解っているのだが、デザインに困った。

    まずVRoidの使い方を紹介するワールドってなんだ。ググればいっぱい記事あるじゃろがい。
    そう、ググればいっぱいある。解りにくいブログがいっぱいいっぱいある。結局どうしたらいいのか解らなくなるやつ。私も最初経験した。
    しかもVRChat上でワールドとして説明を置いたところで、その人が作業する時はVRChatにインしていないのじゃないか?
    画面見ながら作業するってやっぱりブログのがよくないか?
    ググればあるなんていうのは友人だって百も承知だろうに何故ああ言ったのだろう。
    彼の普段を思い出せばそれを想像するのは容易かった。
    おそらく彼が初心者を案内している時に「VRoidって何?」とか「VRoidに興味あるんですけど」とか言われたりしたのだろう。
    しかしVRChatにログインしながらVRChatの世界の中でそれを説明するのが難しかった。それを説明するのが容易くなるワールドが欲しかったんだ。
    私はそう想像した。想像はできた。
    しかしそれでもそのワールドが真に必要なものか、私は納得できないままでいた。
    よく解らんけどワールド作りの勉強って側面が大きいからとりあえずそれで進めていこう。
    そう思うことに落ち着いた。

    雛形作成
    ではVRoidの使い方を説明するってことはたくさんの文章が必要になるだろう。直感的に使う事ができるVRoidStudioだが、解らない人もいるはずだ。透明の画像のチェック柄が透明に見えるかどうかのようなものだ。
    本当に最低限のところを書かなければならない。
    そしてこういう作業には画面のスクリーンショットがあると解りやすい。なので画像も並べよう。
    じゃぁ壁に画像と文章を書いて並べて歩きながら読み進めていく形にしようか。うん、実にVR空間だ。
    せっかくVRChatのワールドなのだからVRChatにアップロードする方法まで書きたいな。でもそれだと壁がめちゃくちゃ長くなっちゃうな。分野ごとに分けて通路にしよう。

    そうして出来た雛形はメインのハブ的な部屋とそこから5本の通路が伸びていて、上から見るとタコ足構造のようなものだった。
    この状態で友人に一度見て貰おうと思ったのだが、あまりにも何もない。これじゃどういう感じになるかイメージしづらいだろう。
    なのでVRoidStudioをインストールしてからどうやって操作してどうやってエクスポートするのかまでの文章と画像を作った。
    実際に私がVRoidStudioを触ってスクリーンショットを撮って矢印とか書き込んで、地味に面倒だったが、こうすればいいだろうを実践している最中なので楽しかった。
    ワールドに壁に板をつけて、板の画像をスクショの画像に替えて、文字はキャンパスという機能を使って壁に書いた。

    そして雛形ワールドをアップロードして友人達に来てもらった。
    「こんな感じにしようと思うんだけどどうかな?」
    「いいんじゃない?でも廊下を行って戻ってくるのが面倒だな」
    「この廊下は切り離して遠い所においてテレポーターで移動するようにしたらいいよ。距離を離すと画面の描画処理する範囲から出て軽くなるから」
    「文章の癖が強い」
    「画像の位置が高くて上向かなきゃいけないから見づらい」
    そういったアドバイスを貰うことができた。

    そして貰えた意見を反映させていく。通路を切り離して部屋にしてワールド空間の中で遠くに置いた。部屋にすることで説明文を一周させて読み進めたら戻ってくるようにした。私の文章の癖の部分(「好きにして」とか)を消した。画像の位置を下げた。

    たくさんの人から意見を貰いたかったから友達を捕まえて呼び込んで意見を貰いながら文章作成作業を進めていった。この間もワールドが少しづつ形になっていくのが楽しくて勢いを持って作業していた。

    作業を進めていく中で、ふと、せっかくメインの部屋があるんだし、メインの部屋を作業部屋にしたらいいんじゃないかなと思った。思ってしまった。これが後に私を苦しめることになる(そのお陰でクオリティが上がったとも言えるが)。
    まず友人達に話を聞いてみた。
    「この部屋を作業部屋にしたいと思ってるんだけどなんか欲しいものとかあるかな?」
    「アバターテストだと・・鏡は当然だよね」
    「おれウェイト確認の為によくダンスワールドで作業してるからダンスがあると嬉しい」
    「ライティングのテストも欲しいな」
    「後ろから見る為に座ったら後ろから見える椅子とか」
    ふむふむと思いながらメモしておいた。

    説明文の描き直し
    説明部屋達がだいぶ出来上がってきた。アバターのアップロード方法も書いたし、その勢いでアップロード後によくあるトラブルの対処法まで書いた。
    こうしておけば初心者だけじゃなくて使っている人たちにとっても見に来る価値があるワールドになるだろう。
    そうして全ての画像と説明文が壁に飾られた。そこまでで予定をはるかにオーバーして一週間以上かかってしまった。
    しかし頑張っただけにワールドの情報量は相当な物だと自負する。ギミックとかは全然無いけど、情報量は半端ないから!
    書き終わった達成感で少し賢者モードになった。
    そしてアップロード。また誰か友人に見てもらおう。
    そして捕まえた友人を案内しながら見て回ったのだが、友人は渋い顔をしていた(VR空間だけど空気で感じた)。

    「kuniyanこんなとこで言葉選んでも仕方ないからハッキリ言うけど、凄く読みにくい。文章のバランスとか言葉とか大きさとかめちゃくちゃ。」

    これには正直泣きそうになった。上司から説教受けている気分だった。
    ここまで頑張って作ったものが否定されたのだ。おれのワールドなんだからおれの好きにしていいだろ!とも思った。
    でも違う。彼が言っているのは忖度していない心から思った感想であって、否定した事で嫌われるかもしれない人間関係の中でハッキリと言った彼はとても勇敢で尊敬に値するし、ハッキリと言ってもらえたことを感謝しなければならない。
    めちゃくちゃ悔しい気持ちは残っているけど否定した彼から吸い取らないと。
    「じゃぁどうしたらいい?文章とかどう書いたらいい?」

    そしてその友人から具体的な改善方法を教えて貰った。
    文字のサイズを替えて段落を作ったり、改行箇所を替えたり、文章の内容というよりも視覚的に読みやすくなるように修正しなければならない事になった。つまり全部修正。
    指が痛くなる程度にキーボードを叩いて書いた文章だったので正直かなり凹んだ。全部読み直して書き直さないとならない、かなり面倒だ。
    作者のおれがいいって思ったんだからもうこのままでもいいんじゃない?文句があるなら見るなのスタンスでもいいんじゃない?
    でも、でもでも、ここでそうして投げ出したらその程度のワールドになるのだろうな。
    その程度のワールドってこんだけ頑張ってたのが無駄になるみたいで嫌だな。

    直そう。

    腰は重いけど直そう。

    また数日かけて文章を直していった。
    数日後、出来上がったものをハッキリ言ってくれた彼に見て貰うと
    「うん!凄くよくなった!凄く読みやすくなったよ!」
    そう言って貰えた。これには嬉しくて涙が・・・とはならなかったんだけど仕事をひとつ乗り越えたような深い安堵のため息が出るような気持ちだった。

    ギミックの実装
    さて、じゃぁ説明のところはできたしメインの部屋を作業部屋として使えるようにしていくか。
    鏡程度のものは簡単なので隙間時間にペッて置いておいた。

    まずライトテストルーム。
    これは暗い部屋で色つきのライトを並べてその光の下でどう見えるのか解るようにしなきゃならない。どうしよう?Directional Lightを暗くすると他の部屋も暗くなっちゃうし。
    友人に相談してみると「TriggerでDirectinal Lightを消せばいけると思う」との情報を得た。
    なるほど、LocalのTriggerにすればその人だけが太陽光OFFになるんだな。これはいける。
    スイッチを置いてTriggerを引かせるのはイケてないと思ったのでテレポーターをTriggerにしてテレポーターをくぐったら自動でライトをOFFにするようにした。うん、イケてる。
    あとはスポットライトを並べて鏡を置いて・・・うん?
    鏡に映った自分が暗くなっていない。ああ、そうか、鏡で見るとそういうデータが反映されないのか。
    だったらビデオカメラとそれを映す画面を置こう。ビデオカメラだと他の人が見ている映像と同じように見たものを表示しているから鏡とは違って変に処理されたりしない。
    しかもビデオカメラならカメラの位置を変えられるので後ろから見た姿なども見ることができる。よし、これでいこう。

    次にダンスか。ダンスはどうやるのだろう。

    ググった。見付からない。

    ググった。見付からない。

    ググった。やりたいことと違うけどかすっているものがあった。
    それを隅から隅まで読んで内容を理解する。
    なるほどね、VRCの椅子にはanimationをしこむ事ができて、座った時の姿勢をそれにする事ができるのか。そしてそこにダンスのanimationを入れたら座った人を踊らせることができるんだな。
    スタートボタンを押したらobjectと椅子を出してobjectに当たった人は椅子に座るようにしよう。いける気がしてきた。
    そんな作業をしながら友人と駄弁っていたのだが
    「最近ダンス作ってるんだー」
    「あーダンスって曲とかモメたから難しいよ」

    「え”?」

    「一応無償利用OKとか探してやってるんだけど」
    「んー、それでも作者がVRCを想定していないかもしれないし」
    「(そこまで気にするのか)」
    これはまたやっかいな事を聞いてしまった。
    これは悩む。実は昔から大好きなダンス動画があって是非それを躍らせたいなって思っていたのだ。やめておくべきなのだろうか、いやでもあのダンスが踊りたい!ここで諦めたら試合終了ですよ。
    なので曲や振付作者にメールを送ることにした。同人や二次創作では原作に聞くことはダメなことだと言われている。
    わかっている。でも、あの曲であのダンスを躍らせたいんだ!
    そんな熱い気持ちもあって連絡してしまった。
    それぞれの方々は快く許可してくれたので本当によかった。
    そうしてダンスも実装することができた。
    さくっと書いたがダンス実装だけに3週間程度かかった。

    その他ペンやメッシュライト等はそれぞれ一日もかけずに実装できた。

    そう言えば以前友人と駄弁っている時に「英語・韓国語・日本語って書いてあるスイッチみたいなやつを置いておいて、スイッチかと思って押したら持っちゃって翻訳スイッチじゃねーのかよ!っていう意地悪やりたい!」って話をしていた。
    ついでにそれも置いておこう。
    ほいほいとオブジェクトを置いてみる。テストしてみると持ったオブジェクトが謎に湾曲した。なんじゃこりゃ。面白いから残しておこう。
    こうして謎オブジェクトが生まれた。後にみんなから遊び倒される人気のおもちゃとなった。
    原因は床のオブジェクトの子にそのオブジェクトを入れているせいで座標やサイズ情報が親である床の情報に影響されて湾曲してしまうようだ。

    ライト関係
    もうだいぶ出来上がってきたなという所でライトについての話が耳に入った。
    「リアルタイムライトは重くて悪だからライトベイクしなければならない」
    はっ?ベイクって何?焼くの?
    いろんな人に話を聞いてみてやっと解ってきたのが、ワールドの中で動かさないオブジェクトは光の情報を先に設定しておいて影を作っておいた方がログインしている時に処理がいらないから軽くなるということらしい。
    だからライトをベイクするというのか。
    よっしゃ、じゃぁ動かさないobjectをstaticにしてライトをベイクじゃ!
    GPU「まかせろ」
    「たのむわ」
    GPU「・・・」
    「?・・・GPU?」
    GPU「すんませんアニキ、おれはここまでみたいっすわ。おれんことは捨てて先に行ってつかぁさい」
    「何を言ってんだお前は!いっぱい金かけてやっただろう!」
    GPU「アニキにはいっぱい可愛がってもらいやした。だからおれがここで!命をかけてアニキにこうkピーーーーーーーー」
    「GPUーーーーーーーーー!!!!」

    解った事:ベイクする時はできるだけ他の負荷はかけないようにしよう。

    ベイクが終わったワールドを見てみると、そこは闇に堕ちた光の射さない世界であった。
    そんな・・・GPUがあれだけ頑張ったのに・・・。
    光の色やシェーダーの反射等いろいろいじってみるとなんとか見えるようになった。
    でもなんだろう、床のフローリングの茶色が反射して壁も茶色くくすんでいて・・・こう・・・喫煙所みたいな色合いだ。
    あまりにもヤニが酷いので壁とかもろもろ青っぽい色に替えて緩和させた。
    それでも説明画像に反射しているのが少しくすんでいるように見えた。ここまでか。
    友人たちに見てもらったら「え?そーお?そんな気にならないけど」って感じだったのでヨシとしよう。

    ライト関係は難しい。用語も効果もよく解らないし、解説ブログが少ない。

    お洒落改装
    さてさてワールドがほとんど出来上がってきた。
    アップロードして友達を呼びながら回ってみる。
    「いいんじゃない」
    「いいと思うよ」
    ん~そうかなぁ~?

    なんかのっぺりしていると言うか、息苦しい、そう!壁に囲まれているからだ!
    窓!窓が必要なんだ!

    そうして窓をつけると空間の解放感がグッとあがり、天窓もつけることにより更に居心地のよい雰囲気になった。頭の中でビフォーアフターの曲が流れた。
    この勢いで観葉植物なんかも置いちゃおう!いいね!カフェっぽくなってきた!
    じゃぁBGMもジャズにしよう!
    この辺頭がおかしくなっていたのかもの凄い勢いでカフェ化していった。

    public化
    そんなこんな「もういいだろ!」「もうゴールしていいよね!?(威圧」ってぐらいまでワールドが出来上がった。
    最終確認でアップロードしてまた散策する。
    「何かおかしいところないかな?」「何かミスしてないかな?」
    しばらくそうしていたが特に何も無さそうだったのでパブリック化申請することにした。
    申請はちょろちょろっと英語を読んで必要フォームに入力してVRChat公式に送る。
    審査が通ればそのワールドはパブリック化される。
    まぁ、正直蹴られることはないだろうと思っていた。ギミックが少なかったり特に何もないワールドとか蹴られたりしているけど、多少なりワールドとしてのクオリティはできているし大丈夫だろう。

    そしてその翌日、私のワールドは無事パブリック化された。

    一般の人達に公共の場として公開されたのだ。やりきった。
    予定より遥かに時間がかかったけど、形になった。
    これを作る為にVRChatのシステムとかunityのコンポーネントの中身とかたくさん勉強して、その集大成が形としてあるのだ。
    一皮むけたような気持ちである。
    こういうワールド作ったんだよ!ってツイートすると私の過去最高と言えるくらいの反響があった。
    たくさんの人が見にきてくれて感想をつぶやいたりしてくれた。
    とても嬉しかった。

    そして、
    最初にワールドを作ってとつぶやいた友人から

    「作ってくれてありがとう」

    と言われた。
    「いいよいいよ。めちゃくちゃ勉強になったしやってよかった」

    本当にそうだ。めちゃくちゃ勉強になった。
    最初は板を置くだけだったものが、後半は置いたもののコンポーネントの中身の数値ばかりいじっていた。
    この数値がこれの機能を持っているからこれをこうして、こっちのチェックボックスはこういう機能があって、ずっとそういう内容だった。
    この一連の作業は毎日頭をひねって毎日少しづつ進歩ができた。
    辛いこと苦しいことがたくさんあったけど、私のワールドはパブリックなんだという自信と優越感はとても気持ちよい。
    以前ほかのワールドで遊んでいる時に「このワールドパブリックの意味あんのかよ」とか言っている人がいた。うるせえお前程度には解らない難しさがあんだよ。お前作れんのかよやってみろよ。そう思った。
    ワールド作りは難しい。アバター作りより難しいの?とかそういう話じゃなくて単純に難しい。要件を満たすことも難しいし、他人に使ってもらうことをかんがえながらやるのがもっと難しい。
    それが楽しくもあるんだけど。

    みんな、ワールド作りはいいぞ。苦しみを味わえるぞ。
    そしてもしかしたら、ドラマの主人公になったような翻弄され流される充実した日々を送れるのかもしれない。
    一年分の脳のリソースを使い切った気分になれるかもしれない。
    何か案とかこうしたらとか思いついたらやってみてほしい。
    うん?誰か来たようだ。
    「くにや~ん、ワールド見てきたよ~。表記ミスと画像ミス一か所見つけたよ~」

    え”?






    *ver2へのアップデートでリフレクションプローブを導入し、ワールド全体のヤニ感が消え、画質が上がったかのように見やすくなりました。リフレクションプローブ凄いぞ

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  • VRoidをVRChatに持っていく方法

    2018-12-15 23:48
    えーと、パソコンヨワヨワな私がここ最近いろいろ頑張ってなんとかVRChatでオリジナルアバターを使えて、少し慣れてきたころなので後発の為にまとめられたらなと思って書き出します。
    初心者にとってはめちゃくちゃ大変だったよ。解らなくて調べて調べて半日かかって見つけて1クリックして解らなくて調べて調べて半日・・・な毎日だったよ。
    あの苦しみはそれなりに技術力上がった気がするけどフラストレーション天元突破だったので少しでも楽をさせてやりたいと思いまして。
    (でもあくまでヨワヨワ勢なので環境依存は知らないしある程度は自分で調べてね。あとなんかあっても相談は乗るけど責任はとれないからね。あとあと、ところどころ出てくるログインとか登録については私は既に全部登録が済んでいて、いつどこでそういう画面が出るか忘れてしまったのでそこは説明できないです。すんません)

    1、VRoidStudioの用意
    https://vroid.pixiv.net/download.html ←ここの下の方からダウンロードします。



    私はwin版(64bit)でダウンロードしました。最新版をダウンロードしてください。
    テキトーな所へ保存してzip解凍。



    解凍したものの中にVRoidStudio.exeがあるのでそれをダブルクリックで起動できます。
    もしかしたらいろいろ登録とかインストールとかあったかもしれません、覚えていないです。

    2、VRoidStudioでモデリング
    起動したVRoidStudioでどうぞ好きなようにモデリングしてください。
    結構使いやすいので直感的に操作出来ると思います。操作法の詳しくはググってください。
    注意点はいじりすぎると重くなって止まったり、二度とそのモデルファイルを開けなくなったりします。楽しくなってやりすぎるとさよならせざるを得なくなります。上の左にある「ファイル」の「名前をつけて保存」または「保存」でちょこちょこ保存しておくことをオススメします。
    また、VRChatは2018/12/15現在アップロード出来るアバターのポリゴン制限が2万ポリゴンまでというルールがあります。7万まで引き上げる予定だそうですが今は2万です。
    ポリゴンとはモデルの三角面のことで、3Dモデルの体というのは全て主に三角の面を組み合わせることで作られています。つまり球を作ろうとするとその円形の形からめちゃくちゃポリゴンが多くなります。ポリゴン少な目に球を作るとカクカクした球になります。じゃぁ球があるアバターはポリゴンが多いのかというと、これはテクスチャとかシェーダーとかで見栄えはごまかすことが出来ます。あまり詳しくは私も解りません。テクスチャとかシェーダーとかは追々触ることになるのですが別にデフォルトでも問題ないのでここでは自分で調べてねってことにします。
    で、VRoidStudioはめちゃくちゃ簡単に自作アバターが作れますが、VRoidアバターは重いです。気を使って作っても2万ポリゴンをオーバーすることがザラです。ここで2万を越えても後でいろいろな方法で削減できるのですが、かなり難しくなるので2万以内に収めてください。
    コツは髪型編集で右側にある調整スライダーの中のヘアーパラメーターで
    ・出来るだけ太くする(太くすることで全体の本数を少なく出来る)
    ・なめらかさを15にする(なめらかさは上記の球のポリゴンのようなものです。15より下げるとグチャッってなりやすいです。15以上でも見た目が崩れるかもしれないので見ながら調整してください)
    ・断面形状を「底なし三角形」にする(髪型は外から見えてりゃいいので内側は変でも問題ないです。ひし形の半分を切ると底なし三角形になります、つまり無駄なポリゴン削減になります)



    これでかなりポリゴン数削減出来ます。というかこれをしておかないとほぼ2万オーバーします。

    3、アバターのエクスポート



    モデルが出来上がったら上の右にある「撮影・エクスポート」を押して左にある「エクスポート」を押して右のエクスポートでテキトーな所に保存してください。左上の「ファイル」の「保存」は編集情報の保存なだけでモデルが出来上がっている訳ではないのでここでエクスポートをしてモデルファイルを作ります。
    VRoidStudioから作られたアバターはVRMというファイル形式です。

    4、Unityの用意
    アバターをVRChatに持っていく為にはUnityを使う必要があります。Unityとはゲームが作れたりするソフトで、3DモデルをVRChatで使えるように変換することが出来ます。
    そして、ここは結構重要なのですが細かい点は忘れたのと私の時と状況が違います。
    古いやり方ですが、私は最新版とver5,6,3の2つのunityを使用してモデルをVRChatにアップロードしていました。これは細かく言うと長いので割愛しますがそうする必要があったのです。
    新しくて今時でなうでヤングなやり方は「最新版とunity5,6,3p1」ではなく「unity2017,4,15f1だけ」を使います。VRChatの2018/12/12のアップデートでVRChatがunityの5,6,3から2017,4,15に対応しました。そして5,6,3ではモデルが壊れたりするようになったので2017,4,15を使った方がいいです。なのでダウンロードインストール時点でのやり方、最新版と2017,4,15をダウンロードしなきゃいけないのか、2017,4,15だけダウンロード出来るのか私は解りません。PC容量があまってるなら両方入れちゃえばいいんじゃね?って思います。知らんけど。

    unity最新版インストールの参考
    https://tech-camp.in/note/technology/44408/
    unity2017,4,15インストールの参考
    https://vrcworld.wiki.fc2.com/wiki/Unity2017.4%E3%81%B8%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%89

    unity2017,4,15f1が動かせれるようになったら次へいきましょう。

    5、VRCSDKの用意
    VRCSDKというのはVRChatにアップロードする為のunityに使うSDKです。SDKが何?っていうのはよく解りません。使っていればなんとなーくこういう為のものなのだなって解ってくるのですがSDKの定義は知りません。ggrks
    VRCSDKはVRChatのサイトにあります。



    ログインして左のdownloadからのcontent creationの下のdownload vrchat sdkからダウンロード出来ます。

    6、VRM Converter for VRChatの用意
    unityにVRMモデルを入れる為に必要です。BOOTHにあるのでPixivのIDが必要になります。これを使わずにunityに入れようとすると多分モデルがおかしくなります。目の周りが黒くなったりしたっけな?いまいち覚えてない。別に使わなくても私がやったようにunity2つ使ったりとかやりようはあるのですが、これを使うと圧倒的便利。圧倒的です。ヤバいです。

    VRM Converter for VRChat | ぽけもり BOOTH支部 https://booth.pm/ja/items/1025226

    これの最新版をダウンロードしましょう。マジでめちゃくちゃ便利なのでご支援用にカンパしてもいいと思えます。

    7、uniVRMの用意
    これもunityでVRMを扱う為に必要です。これはマジでないとダメなやつのはず。
    でもね、上記の神様がVRM Converter for VRChatのファイルの中にVRM Converter for VRChat + UniVRM-0.45というuniVRM付きのものを用意してくれてあります。本当に足を向けて寝れません、どこに住んでるのか知らんけど。
    勿論別で用意しても構いません。

    uniVRMはdowangoのgithubにあります。
    https://github.com/dwango/UniVRM/releases
    前から思っているのだけどgithubって使い方がよく解らないよね。部分的にダウンロードすべきなのかどうなのか操作法も解らないです。

    8、Unityで作業
    やっとunityに取り掛かります。ちなみにunity2017,4,15ですが、私も、私が教えてあげた人も何故か一回目の作業では謎のエラーで使えませんでした。2回目は何故か普通に出来た。もしかしたらこれから書く内容を繰り返さないといけない事になるかもしれません。

    まずunity2017,4,15でptojectを作ります。
    右上のNewを押して、



    こんな感じにして「create project」を押します。



    こんな画面が出てきたでしょうか?ここで「Main Camera」と「Directional Light」がなかったらもしかしたらおかしいかもしれません。私はそうでした。もう一度projectを作り直してみてください。


    まずassetのimport package→custom package



    VRCSDKをimportしてください。このimportする順番は結構大事です。



    これも特にいじらなくていいです。




    すると上の列と真ん中下(画像では右下)のprojectにVRChatSDKが追加されている事を確認してください。
    同じ要領でVRM Converter for VRChat + UniVRM-0.45.unitypackageをimportしてください。



    こうなりましたか?
    これで準備が出来たのでモデルをunityにいれます。
    モデルファイルをprojectの中にドラッグ&ドロップします。



    「hina5制服.vrm」というファイルを入れました。
    画像の青い四角のマークのついたやつ(prefabといいます)を一度クリックして、そのまま上に並んでいるUniVRM-0.45という所をクリック。



    中にある「Duplicate and Convert for VRChat」を押します。



    こんな画面が出てきたら
    ・default animation setを「female」
    ・視線追従を有効化のチェックをクリックして外す
    ・VRoidなで肩解消のチェックを外す(外さなくてもいいです。出来上がりがなで肩になるかどうかで、私はチェックを外した方が好きです)
    そして「複製して変換」を押す。これでVRMモデルがVRChat用に変換されます。顔の表情や手の動きや目のまばたきや声に対する口の動きやその他も全部自動で設定してくれます。神です。



    こんな感じにHierarchyの中にCloneが出来ているはずです。変換する時に確認ウィンドウみたいなのが出てくるかもしれません。ちなみにこれポリゴン数20527で2万オーバーしてしまいました。これはアップロード出来ませんが、まぁ参考なのであとで差し替えます。

    ここで重要。変換した後にVRM Converterの仕様で一度unityを再起動する必要があります。再起動する前にいろいろ保存しましょう。左上のfileからsave sceneを選んでテキトーな名前で保存します。



    それと左上のfileからsave projectでprojectを上書き保存します。
    unityのwindowを閉じてもう一度unity2017,4,15を起動。先程保存したprojectを選んで開いてください。



    再起動したらCloneをクリックして、右側にある枠がservicesになっていると思うのでinspectorをクリックするとこのゴチャゴチャしたやつが出てきます。



    inspectorの中にVRC_Avator Descriptor(Script)があるのでその中のview positionをいじります。
    オススメは左上の画面(scene)の位置を画像のようにしておくと調整しやすいです。
    sceneの操作法はマウスポインターを左上の枠内に持ってきて、マウスホイール(左クリックと右クリックの間の画面をスクロールさせる為のクリクリ)を押し込みながらマウスを動かすと全体が移動、マウスを右クリックで見える角度が変わります。操作はすぐに慣れると思います。
    view positionというのはVRChatの中で自分の視点がどこにあるのかというものです。
    これが目の間にある灰色の球で、画像にあるように目の間に半分くらい顔に埋まるぐらいがいいと言われています。
    私の場合、x 0 y 1.385 z 0.09 です。
    これで最低限の準備は完了です。

    9、VRChatにアップロード



    上にあるVRChatSDKをクリックして中にあるShow Build Control Panelをクリック。



    するとこんな画面が出ます。この場合ポリゴン数がオーバーしているので赤いエラーが出てアップロードできません。他にも赤いエラーがあれば何かおかしくてアップロードができません。黄色のビックリマークは無視でいいです。
    黄色だけであれば真ん中のBuild & Publishを押してください。



    左下の画面がこんな感じになっていればもう少しでゴールです。
    左下の中でAvatar Name等を編集してください。触っても動かなかったら真ん中上の一時停止ボタンを押せば左下の画面の中をクリック出来るようになると思います。
    正味Avatar NameとSharingのPrivateをチェックするだけでいいんじゃないかと思います。まぁ、自分の好きにしてね。
    準備出来たらUploadの上の最終確認みたいなところにチェックを入れてUploadを押します。
    Upload完了みたいなのが出たら完成です!unityのprojectとsceneをsaveしてからwindowを閉じましょう。
    お楽しみのVRChatへ!



    Avatarの中のPersonalに自作アバターがあればアップロード成功です。おめでとうございます。
    とりあえずこれでアップロードまで来ることができました。
    また、Vroidアバター特有の問題なんかもちらほらあるのですが、ほとんどunityで修正することができます。使っていればダメな部分が見えてくるので調べて聞いて直してください。

    ここの説明で間違っているものがあればご指摘ください。
    あ、あと仕事ください

    VRChat ID:kuniyan
    twitter ID:@nikutokuni
  • ヨーロッパ弾丸ドライブ旅行記

    2018-12-08 13:33
    ヨーロッパをふらふらと旅した日記の始めの3日分を公開します。いろいろなトラブルや体験、学ぶことがありました。これを読めばあなたも異世界へ行った気になれるかもしれません。全編はboothにありますのでよろしくお願いします。

    日目11/6


    旅に出る。
    重いバッグを肩にかけてリュックを背負って家を出た。イヤホンから流れるつじあやのの「風になる」。
    小学生の頃に毎日歩いた道を歩く。普段は駅に向かう時は家族に送迎して貰うのだが平日の日中に出発するので今回は仕方なかったのだ。久しぶりに歩くこの道はイメージよりも随分狭く感じて成長した事を実感する。
    向かうはヨーロッパだ。ヨーロッパと言うと漠然としているしあまりにも距離があるので非現実的に思うかもしれない。私自身がそうだ。既に家のドアを潜って歩み出しているというのに本当にヨーロッパに行くのか信じられなくなる。
    何故ヨーロッパに行くのかは自分でも上手くまとめられない。旅は昔から好きだし、ヨーロッパには行った事がないし、中世的な風景に憧れがある。うん、これだけかもしれない。もっと深い精神的な物を述べたい気持ちだが特に思い付かない。だからヨーロッパのどこに行きたいというものがない。ヨーロッパのどこでもいいのかと問われるとそれも違う。そんな訳の解らない駄々をこねる程度に私は面倒くさい人間である。
    ただ何も決めずに「よし!行こう!」と言って行けるものではないことは解っている。航空券も予約したし最初に泊まる所も決めてある。不十分かもしれないが最低限の準備はした。その後はなんとかなるだろう、これが私の旅のスタイルだ。
    私事だが私は日本の全ての都道府県を車で走った事がある。これは通過しただけのものも含めているので自慢するには微妙なのかもしれないが、それなりに旅が好きだというアピールだ。テントや寝袋を積んだバイクに乗ってあてもなく走り回るのはとてもワクワクする走った分自分の世界が広がっていくように感じた。本当は世界中をそうして旅したい。しかし世界ってとても複雑で、外の国では自分の国と同じようには振る舞えない。言葉の違いも勿論あるし、法律や文化の違いが大きい。だから自由気ままに行動するのはとても難しい。このヨーロッパ旅は中身は適当であるが私にしては良く考えた方なのだ。そこまでしなければ行けないということがとても悔しい。
    言語が統一であれば多少はマシであっただろうに、バベルの塔を壊した神は何故そんなことをしたのだろう。そんな事を考える程度に私は浮き足立っている。そう、私は今ハイになっているのだ。今日は東京へ向かって羽田空港の近くのホテルに泊まる予定でまだ国内に居るし旅の初日と計算していなかったのだが、そうかこれほどハイになるのであれば旅は既に始まっていたのだな。
    ヨーロッパの気候を予想して選んだ厚手のコートがその能力を目一杯に発揮してくれているお陰で背中に汗を滲ませながら駅まで歩いた。
    高速バスに乗り東京に移動する。最近高速バスの椅子では寝づらくなってきた。歳のせいだろうか。
    蒲田にあるカプセルホテルにチェックインした。明日のフライトは8時過ぎなので早目に行くことを考えると始発くらいで動き出さなければならない。さっさと寝よう。
    明日はこのヨーロッパ旅で一番の難所だと思われるイベントがある。それが往路の中国国際航空でのフライトだ。信頼と実績の中華クオリティとなるのだろうか。ネットで調べるとトラブルが発生しない確率が20%程度だそうでワクワクが止まらない。到着せずに旅が終わるなんてことは本当にやめて欲しいところである。
    何故そのような航空会社を利用するかと言うと圧倒的に安いからである。シーズンを外しているとはいえヨーロッパまで行くのに往復8万円程度なのだ。値段に親指が吸い付けられそのままタップしてしまった。安かろう悪かろうなので高品質でなくてもよいのだが、荷物のロストは本当にやめて欲しい。本当に、本当にだ。荷物のない旅だなんて無駄に難易度が上がるだけである。
    不安と期待で胸を膨らませて明日に備えよう

    二日目11/7
    朝の4時に起きて準備をし始める。京王蒲田駅から始発で羽田空港へ向かう。トラブルを怖れての早めの行動だ。



    羽田空港へ着くととりあえずチェックインカウンターへ向かった。モニター操作で券を取ろうとしたのだが上手くいかない。入力画面に求められる予約番号が家から印刷してきた書類に無いのだ。どういうことだ?近くの係員に聞いてみた。
    「これはエアチャイナの予約ですね、ここはチャイナエアラインです。」
    おっと恥ずかしや。中国国際航空は英語でエアチャイナなのだな。失礼しました。
    案内されたエアチャイナの窓口付近にあるモニターを操作しようとしたのだが日本語がない。ここは日本だぞ。
    前の仕事はアメリカ人やイギリス人と共に作業していたりしたのだが、上司が口癖のように「ここは日本だぞ、日本語喋れや」と言っていた。私は英語が話せるようになりたい人なのでそうは思わなかったのだが、なるほどそういう姿勢も必要なと思った。
    日本語入力がないので面倒だなと思ってそのまま窓口で手続きをした。中国国際航空なので窓口のお姉さんが中国人なのか日本人なのか解らず、日本語が通じるのか少し心配だったが、普通に日本人だった。多少なり下手くそな英語は話せるので困ったら英語にするつもりだったが、ここは日本語で話したかった。何故かと言うと北京でトランジット(乗り継ぎ)の際に預けた荷物を一時的に受け取る必要があるのか確認したかったからだ。これはとても重要だ。慣れない言葉で誤解をすると大変な事になる。目的地まで運んでくれると言われたのだがそれでも一応荷物受け取り口には行っておこうと考えている。それだけ心配なのだ。それだけ信用が無いのだ。
    海外旅行にトラブルは付き物である。これは長い間私と付き合っている方は覚えているかもしれないが、以前初めて海外旅行にアメリカに行った際に中々楽しいトラブルにあった。それはそれはいい塩梅に追い詰められ、選択を間違えば路頭で死んでいた可能性もあった。しかし、そんな楽しい経験をしたお陰で海外旅行というものにとても理解が深まった。それだけでなく言語や文化の違いにもいろいろ学ぶ事があったのだがそれは別の機会に話そう。とにかくだ、私にとっては海外のサービスは信用が出来ない。副案の保持、とまでは言わないが無闇に信じるのは危険であると考えている。
    荷物を預けて両替所へ行く。空港内をふらふらと歩いてみた感じだとみずほ銀行の両替窓口が手数料が安いようだ。日本円で10万円分をユーロに替えた。少ないのではないかと不安になるがあまり多くの金を持ち歩くのも煩わしい。クレジットカードでいいのでないの?と思うそこのあなた、前のアメリカのトラブルがカード系なのだ。なので私は完全キャッシュレス化はとても不安になる。ちなみに今回はその前回の経験からクレジットカードを2枚、プリペイドカードを2枚用意している。これだけあれば流石に大丈夫だろう。フラグにならないよね?
    その後グローバルWi-Fiというモバイルルーターを窓口で受け取った。海外SIMをお使いのスマートフォンに挿した方が楽なのだろうが、私の使っているSoftbankのルールで購入後約三か月SIMフリーに出来ないらしく、仕方なくモバイルルーターを契約。ちなみにグローバルWi-Fiの窓口で「行く所はドイツ、フランス、イタリアでいいですか?」と聞かれて「ヨーロッパ周遊プランにしたはずですが?」と言うと「はい、ですが行く国の設定をしておかないと使えないですので」との返答。ヨーロッパ周遊プランとはなんだったのか。一応、ヨーロッパ内の国は追加しても追加料金がかからないようなのでその辺が周遊プランなのかもしれない。今後契約する方はご注意あそばせ。
    時間がきたので搭乗する。席は後方窓際、動翼が見えるオタクポジション。
                 
    モニターの操作方法が解らないので操作ボタンらしきものをいろいろ触っていたらCAさんがやってきて「May I help you?」と。「?・・No?」と言うと私の操作パネルの所を押して帰っていった。どうやら呼び出しボタンを押してしまっていたようだ。中央左の人型のマークだ。
         


    ちなみにこの操作パネルだが、肘置きの上面にあるのでその後何度も「よっこいしょ呼び出し」しては自分で取り消した。
    何のトラブルも無く定刻通りに飛行機は上がった。あぁ雲の上ですね。あのふかふかの綿みたいな物の上を駆け回りたいね。もしくは戦闘機に乗って縦横無尽にかっ飛ばしたいね。私はF-15に乗りたいな。最新鋭ステルスもカッコいいけど世代的にF-15かな。
    映画「キングスマン」をボケーっと眺めている内に北京上空まで来た。



    中国も初めてなのだが空から見るその風景に驚愕した。マザーボードというか基板というか、田んぼなんかもいっぱいある田舎なのに、区画毎に建物が全て同じなのだ。明らかに人為的に統一されている。右へ習え人種と言われる日本人の私でも引くレベルの光景。私はそれを見てとても気持ち悪いと思った。一周まわってうつく・・いややっぱ気持ち悪い無理。まるで軍隊の行進を見ているようだ。
    何故軍隊が動きを揃えた行進をするのか知っているだろうか?あれは集団が高度な動きを同じタイミングで揃えて行う事によって「我々はこれだけ的確に命令を遂行することが出来る」というアピールなのだ。また、その訓練を行うことで個人の能力アップとチームワークの育成が出来るとも言われているみたいだが、なんとも脳筋的な考え方ではないか。
    話を戻すと、逆に中国人は家のデザインに全く興味がないのかもしれない。自分の好きなようにするという概念がないのかも?実際の所は何故そうなっているのか解らない。気になった方はお近くの中国人までお問い合わせ下さい。
    北京に到着しトランジット(乗り継ぎ)で進む。そのまま搭乗口まで来てしまった。荷物の確認出来なかったな。
    北京空港を歩き回って聞き回った結果全面禁煙だと解った。本当にイメージしていた中国と違う物を見せてくれる。だから旅は面白いだ、行ってみるとイメージしていたものが壊れる瞬間が多々ある、良くも悪くも。存在しない喫煙所探しにあくせくしている間に乗り継ぎ便の時間になった。
    さて次はドイツのフランクフルトだ。ついにヨーロッパに突入する。その為に長いフライトを耐えねばならない。それぞれの現地時間で言うと四時間くらいのフライトだが、体感時間が狂いに狂っているので訳が解らないが私はおそらく過去に向かって飛んでいるようだ。
    上空から見る世界はまた私に新しい物を教えてくれる。地平線まで続く荒野、木も水も見えない。生物は存在するのだろうか。ジャングルの中に山手線くらいの大きさの犬が散歩したのかと思えてくる足跡のような地形、ファンタジーな妄想が捗る。
    高度1万メートル。地上速度9百キロメートル。外気温度マイナス55度C。正直機内もめちゃくちゃ寒い。飲み過ぎて布団かけずに寝夜中に「・・・さむっ」って言って目を覚ますあの時ぐらいの寒さだ。席に置いてあったタオルケットを身体に巻いても少しマシになる程度、よくも誰も文句を言わずにいられるものだ。私はここに書いて発散するものとする。
    ところで飛行機といえば機内食というものが付き物だが、味はお察しの通りだった



    機内食を食べた事が無い人はイメージし辛いかもしれないが、まぁ味がしない食事だ。何故機内食は美味しく作れないのだろうか、原因が気になる。
    ちなみにこの機内食だが、羽田から北京の間に回。搭乗一時間前に吉野家の牛丼を食べていた私に軽くジャブを打ってくる。北京からフランクフルトの間に回。座っているだけなのにそんなに腹減らない。だいたい二時間置きに食事を提供されている気がする。
    私の腹が加圧されつつ飛行機はフランクフルト空港に無事に降りたった。
    入国審査場は行列でしばらく並んでいると私の前に中国人と思われるおじさんが割り込んできた。流石中国である。しかもオンリーチャイニーズで担当の白人イケメンを困らせ、私はしばらく待たされた。やっとおじさんが終わると担当者は私に何も聞かずにパスポートに判子を押した。信頼のジャパニーズクオリティなのか、ただイライラしていただけなのか。私の「サイトシーイングって言うぞ。言ってやるぞ。さぁ聞け。自信満々に答えてやる。」という心構えが無駄に終わった。「thank you(ニコッ)」と言って通り過ぎる。人時間をかけて私の番まで待っていたのに、過去最速タイムを叩き出したのではないかと思う程に早かった。
    入国審査場から荷物受け取り場は少し離れていて、しかも案内がドイツ語なので戸惑ったが無事に荷物も受け取る事が出来た。なんと!なんと中国国際航空、ノートラブルで乗り切りました!(多少の遅延はあったが多少である。)



    その後喫煙所を探し、そう言えば中国でライター没収されたなと喫煙所に居たポリスっぽい若い男女に「please let me fire」と声をかけた。男は「may be ...she」と歌うようなイントネーションで女に目線を送ると女はポケットを探りながら「may be ...me」とまた歌うようにポケットからライターを取り出し、私のタバコに火をつけた。クールだ。この些細なやり取りで存分にクール感を出してきた。なだ、なこんなにカッコよく見えるだ。そう言えば辺りを見回すとイケメンと美人しかいない。私がアジア顔なのだと強く認識させられる。
    その後フランクフルト中心部に予約したホステルへ向かう為電車に乗りたかったのだが、切符の買い方が解らない。JRと京王線のような違いがあるのだがどの券売機がどこに対応しているのか解らない。しばらくいろいろ探ってみたのだが、解らんものは解らんので窓口で買った。電車はとても綺麗で快適であった。日本のようにごった返してもいない。
    フランクフルトのメイン駅で降りるとそこから異世界が始まった。




    欧州を感じる建物が並び何かを揚げたような匂いがする。



    でも何故だろう、心が歓喜しない。珍しい風景なのでパシャパシャと写真を撮るのだが、その心は皆に自慢してやろうという気持ちだけだ。おそらくまだ現実感が湧いていないのであろう。あるいはただ単に今生きている場所がドイツのフランクフルトにあるだけという方が感覚的には近い。そうか、今更になって気付いた。旅を彩るのは経験だ。美しい風景を見るもそうだし、何かのレジャーを楽しむのもいい、人との出会いや何らかのトラブルもそうだ。私は何も計画していない。旅をすれば何かあるだろうと思っているから。それつまり何かあるまでは眈々としたものになるのかもしれない。いいや、普通に考えればここまで来るだけで充分に非日常であるはずなのだが、私の感性はどこをほっつき歩いているのだろう、早く私の元へ帰ってきて欲しい。
    メイン駅から徒歩分でホステルに着いた。人部屋だが、あまりフレンドリーなメンバーではないようだ。まぁ一向に構わない。

    好きにしろ、私も好きにする。
    夕食と朝食はフリーらしいので頼んでおいた。
    スマホをポチポチしている間に夕食の時間となり食べに行く。ヨーロッパ初の食事はグラタン(?)のようだ



    マカロニにトマトソースを絡めたものだった。これが中々旨い。めちゃくちゃ簡単な料理のようだが普通に旨い。もしかしたらヨーロッパの料理は舌に合うのかもしれない。アメリカは無理だった。
    でも少し物足りないしせっかくドイツに来たので夜の街をふらついてみることにする。レーマー広場と呼ばれる所まで歩いてみた。道中の風景は常に石だたみに石作りの建物。アニメや映画で見た風景だ。小雨が降っているのがまた雰囲気を上げている。どこを見てもインスタ映えじゃないか。





    私は普段あまり写真を撮らないので下手くそだが、インスタ女子が来れば1日中写真を撮る事になるだろう。
    レーマー広場ではレストラン等が屋外のテントで食べれるようになっており、せっかくなので少し食べる事にする。



    「ドイツで人気のビールってどれ?」と聞くと「ハイネジャア」と教えて貰った。これ多分ハイネケンの事だな。ハイネケンよく飲むから別のにしたかったが聞いた手前もあるし、現地で飲めば違うものかもしれないと思ってそれにした。ついでにソーセージも頂く。
    ドイツの広場で飲むハイネケンだが、控え目に言って最高でした。過剰に言うと天国でした。日本のハイネケンより風味があるような気がする。雰囲気に流されているかもしれない。
    ソーセージは、ソーセージであってるか?ウインナー?フランクフルト?まぁソーセージと呼ぶことにしよう。これまたはじけるギリギリの茹で具合でフォークを刺すとパリッと音がなりブリブリとした弾力ある感触。味は別段特別ではなかったのだが、茹で加減がパーフェクトで量の割りにサクッと食べる事が出来た。ああ、最高か。これで先程話していた思い出がひとつ出来た。酔って顔を赤らめながらドイツの街を歩いて帰るのがまた気持ち良くて、なんだよここテーマパークか?って現実感が喪失した。
    ホテルの前の喫煙所でタバコを吸っているとおじさんが一本くれよと話しかけてきた。「this is japanese cigarette」と言って渡したら「japanese cigarette ...very strong... 」と言っていた。まぁそうだろう、日本の中でも結構強いやつだからな。
    部屋に帰ると同部屋のおじさんが「その辺散歩に行かないか?」と誘ってきたのだが「既に飲んできたんだ」と断った。気持ち的にはめちゃくちゃ行きたかったけど、もうお腹いっぱいだし歩き疲れただ。残念。こういうことをホステルに求めていたよ私は。また、同部屋に女性のも居てすげえなと関心したりもする。怖くないのだろうか。私は男だけどそれでも少し怖い気持ちがあるのに。修学旅行みたいに部屋で雑談したいところだが既に寝ている人もいるので大人しくしよう。

    三日目11/8
    心なしかアジア人の動き出しが早い気がする。
    顔を洗って外にタバコを吸いに出る。真っ暗な廊下は「あ、これホラーで見たやつだ。絶対グロテスクな幽霊出るやつだ」とかなり怖かった。



    時刻は早朝6時。出勤前のポリスの集団が喫煙所でタバコを吸っているし、近くのカフェでは消防士の集団が朝食を買っている。公務員がコンビニに行って怒られるのどこの国だっけ?
    ホステルの受け付けで「レッドブルくれ」って言ったら「you can wait the twenty minutes.you can eat the breakfast and juice.」と教えてくれた。意外にも親切だ。このホステルではこの場合はカードよりキャッシュのが安いからそっちがオススメだよと教えてくれたりして中々親切である。
    ちなみに気付いたのだが、このホステルのビルは一階にEとあり、二階から一階という表記になっている。他のビルもそうなのか解らないがここは0階からスタートのようだ。



    朝食はバイキング形式のような簡単なトーストである。トースターの使い方がよくわからないが、まぁテキトーでええじゃろ。
    味はサラミがとてもおいしかったのだが多分単体だと脂っこいのでトースターに乗せて食べた。
    手持無沙汰なのでホステルを出た。日が昇るドイツもとても素敵な風景だ。特にフランクフルト駅なんかは余所見しながら歩けばホグワーツへ行きかねない。
    昨日は窓口だったがなんとなく切符の買い方が解ったので券売機で切符を買い、電車に乗る。
    電車から外を眺めていると家庭菜園が豊かな家々が見えた。土の盛り方等は日本と遜色なく、こういうのは世界共通なのかもしれない。
    また、高速道路の上を通った時に思ったのだが、右側通行なのだから左が追い越し車線になるはずなのに左側のが車両が多く流れが悪い。これは飛行機から見下ろしている時にも思ったことだ。教えられていた事と違う状況に運転に対しての不安感が増す。
    空港に着いたが時間があったので車で充電出来る機械を探した。エレクトロニクスショップがあったので今回初めてGoogle翻訳を使用してこれが欲しいんだと説明する。イケメンは車のシガーソケットに刺すUSB充電器とtypecケーブルを出してきた。それそれと言ってhow much?と聞くと34ユーロ。たけぇ!4千円くらいするじゃないか!日本で用意しておけばよかった。
    時間になったのでレンタカーを借りに行く。今回rentalcars.comで予約したのだがここのサービスがとてもよかった。電話でいろいろ聞いたのだがヨーロッパ周遊するつもりなんですがと言うと「あ、じゃあ国境越え出来る車か現地に確認してまたメールしますね」と言った具合に親切。かなり安心出来る。受付で諸々の書類を出して手続きする。「保険はこうなってるけど」と言われ、「ネットのこういう保険に入ってるけど?」と言うと「それじゃダメだ。うちのに入れ」と少し強気に言われた。まぁよく解らん土地で運転するし、保険を保険として使うとするか。
    「解った。じゃあそれでよろしく。ちなみにもし何かアクシデントがあったらどうしたらいい?」
    「何もしなくていい。連絡くれたらうちで全てやる」
    お、お、何て信頼感のある台詞だ。
    そんなこんなを貰い、駐車場へ。駐車場では管理っぽい兄ちゃん二人が居た。
    can i smoke in the car?」
    no. only outside.」
    ok.(兄ちゃん達がそこでタバコを吸っていたので)i want to smoke before i drive .can i smoke here」
    of course.hey brother.where are you going?」
    i will go france, italy, australia, switzerland」
    switzerland?どやこやどやこや(何て言っているか解らなかったけど、窓を開けて走れ、空気おいしいから。みたいな事を言っていた)」
    ok.i'll go.thank you」
    have fun」
    車へ向かうと驚いた。コンパクトカーで予約したのに日本でいうSUVクラスなのだ。



    フォードのエコスポーツってやつかな?あれー?と言わざるを得ない。まぁこれがこの国的にコンパクトなのだろう。may be
    ナビをドイツ語から英語に変えてしばらくいじってなんとか次のホステルを登録した。
    さて出るぞ、左ハンドル6速マニュアル。
    サイズ感が大きいので地下駐車場から出るのにぶつけやしないかとヒヤヒヤした。
    外に出ると早速ラウンドアバウト(日本にはあまりない特殊な交差点)。あれよあれよ目的地とは逆方向の高速へ。幸いドイツは高速が無料なので間違え放題ではあるのだが、ナビに従うのが難しい。次右?右行くよ?え?次の次だった?みたいな感じ。
    なんとか向きを修正してパーキングに入た。いやぁ怖かった。左マニュアルは意外と普通に運転出来る。ただ交通ルールが解らない
    制限速度70キロを80キロで走ってもピタ付けされるし、あ、これはもう後ろの車無視する方向にしよって思った。法定速度なんて実際の交通状況より遅いものだが、他所の国で「皆やってるから」って言い張るのは怖いからね。
    ちなみに誰も制限速度を守っていない名阪国道では警察に「皆守ってないけど何キロで走ればいいの?」と聞いたら「流れに乗ってください」と答えられた。そういうことだ。速度超過してもよいとは言ってないので勘違いしないように。
    さて、ホステルへ向かって高速を走らせる。車内のBGMは艦これ17年夏イベントの西方再打通!欧州救援作戦だ。う~み~におちるって~。
    高速をしばらく走っていると運転が楽しくなってきた。初めて自分の車に乗った時のような楽しさで、延々に走っていられる気がする。下道も練習したいので敢えてナビを無視して高速を降りる。何せ今日は運転の練習をするつもりでそれほど遠くない所にホステルを予約したのだ。ド田舎な道を走る。まるで北海道のような広大な土地を快速で走り抜ける。時折欧州らしい小さな街を通り過ぎてはここがドイツなのだと再認識する。航空券が安いから選んだ11月だったが、紅葉の時期がドンピシャなようで、赤と黄の並木道がとてつもなく美しい。気持ち良くなって窓を開けると寒くて閉めた。



    ちなみにこの車に取り付けられている純正のようなナビは無視するとひたすらその場Uターンを求めてくるようだ。迂回させて戻す日本のナビは充分に有能なのではないだろうか。
    途中、腹が減ったのとトイレに行きたい気持ちでたまたま見付けたパン屋に入った。メニューがドイツ語なので全て読み方すら解らない。これは旨そうと思って指を指してロールケーキとコーヒーを頼んだ。



    ロールケーキはレモンのような酸味が強く、チーズケーキと言った方がしっくりくるものであった。コーヒーは「何がいい?」と聞かれたから「普通ので」と言って出して貰ったものだがこれが中々旨い。完全に普通な味だ。否定する要素が見付からない。
    支払いにカードを出して店員がカードリーダーに通すが3度通しても上手くいかない。
    「これ使えないんじゃない?」
    (マジか・・・)解った。キャッシュで。」
    おい!まだ2日だぞ!?2日でクレジット1枚死んだのか?!思い起こされるアメリカの思い出。カード4枚あるから大丈夫とか行ったやつ誰だ!・・・そう、まだ大丈夫。まだ大丈夫だ。トラウマに精神をまいらせながら自分に言い聞かせた。それにまだカードが死んだと確定した訳ではない。
    寄り道のお陰で夕方にホステル付近まで来た。ちなみにここはライン川のすぐ近くで「ラインの悪魔は居ませんでした。」ってネタをやるつもりでいたのだが、中々イケてない展望具合だった。



    ホステルに着き駐車場に車を停めて中に入る。ん?フロントがないぞ?あれー?
    入り口に書いてあるドイツ語をGoogle翻訳で訳してみる。
    「入ったらドアを閉めてください」
    おまっ・・・うん。それっぽいのが見当たらない。予約したエクスペディアで情報を見てみると注意事項に「24時間前までに直接電話してチェックインして下さい」と書いてあった。エクスペディアからのメールでは予約完了!予約確認の電話は不要です!書いてあった。「予約確認の」はいらないってことね。やられた。そして私の携帯、Wi-Fiで繋いでるから電話出来ないですよね。緊急事態なら電話せざるを得ないんだけど、前回のアメリカの時、緊急事態で使用してて電話代が10万を越えたのだ。最悪不泊でいいから電話は出来ない。どうしよう、とりあえずエクスペディアからメールを送っておくか。ホステルの前でしばらく待っていると、いい具合に尿意が・・・。あ、あ、あ、やべっす。とりあえず車を出して何かしらのお店を探す。数キロ走るとスーパーがあった店内に入るがトイレが見当たらない。店員用のを借りるのもぶしつけだしなぁ。とりあえずパンや飲み物を買った。そこではクレジットカードが使えた。一度通してエラーが出た時は「あ、本当に死んだな。」思ったが、二度目が通った。何故だろう?カードの傷具合なのか?まだ使えるのか死んでいるのか判断しかねない状況だ。
    とにかくトイレはなかった。タイミングよくメールが返ってくる事を祈ってもう一度ホステルへ向かう。返信が来ない。来ない。来ない。誰か店員が通らないかとか他の宿泊客が来ないかとか待ってみたけど誰も来ない。限界!
    ナビでトイレを探す。勿論トイレ検索なんて無い。スーパーはダメだと解ったのでショッピングセンターで検索した。既に意識がアソコにしかいかない程度の尿意。サクサクとショッピングセンターに向かい中を見回したがトイレが無い。マジか、マジなのか。ホステルの方も一向に連絡が来ない。これあれだ、見てない系だ。まぁ最悪テキトーにドライブして車中泊すればいいから泊まれなくても大丈夫なんだけど、キャンセル料がどうなるのかとかが気にはなる。それより今はトイレだ。
    またナビで検索すると5キロ先にマックカフェを見付けた。マックカフェならトイレあるだろ!急いで向かおうとするのだが、なんと渋滞が発生していた。しかも中々進まないレベルの渋滞。モジモジしながらクラッチを踏むのが辛いし、アイドリングストップからの始動の衝撃でマジでアへ顔5秒前だ。もう限界!ちんちん痛いレベルになってる!という時に公園らしきものを発見!公園の前に路駐して公園内にトイレがないかと探す。ほぼ真っ暗なのでよく見えないがトイレらしき建造物は見当たらない。ちくしょう仕方がない、しげみに隠れてやっちまうかと進んでみると暗がりから顔を表したのは平たい石板の列だった。そう、ここは墓地だったのだ。墓地・・・墓地かぁ・・・墓地は流石になぁ・・・ああ、そうか、ラインの悪魔は居たんだな・・・。
    もう誰でもいいどこでもいいからトイレを借りよう。少し歩いた先に何屋なのか解らないショップがあったので店員に声をかけてトイレを借りた。英語が喋れない人だったけど私の気持ちは届いたのかトイレの場所を教えてくれた。ああ、なんとか生き残った。
    海外旅行あるあるトイレで困るを今回はなんとか乗り切る事が出来た。車に戻るとちょうど友人からメッセージがきていた。
    「どう?ボンに到着した?」
    彼はvrchatで知り合った中国人で現在ドイツに住んでおり、今回の旅の計画段階でもいろいろとアドバイスをくれた。
    「ああ、早速トラブルにあったよ。ホステルがどやこやどやこや」
    「解った。僕が電話してみるよ」
    おほーっ!持つべきものは友と言うが困った時に助けてくれる友人が居てアタシは嬉しいよ。友人が代わりに電話してくれたお陰でホステル側と友人を介して連絡ができ、無事部屋に入る事が出来た。
    本当に友人様々である。今回の事でフロントデスクがある所に予約しなければならないと学んだ。
    しかしこれは実は禁忌に触れた行為でもある。好き勝手に旅をするなら責任は自分で取らなければならない、自分で出来ない事はしてはならない。だから独りで完結出来る(ホステル側には迷惑はかかるだろうがキャンセル料をとられるから金は払っている)最悪不泊かなと考えていたのだが、タイミングのいいことに友人がメッセージをくれた事でつい甘えてしまった。今後はないようにしなければならない。
    前回のアメリカで多くの人に迷惑をかけた私が言えたもではないのだけど、そういう心構えは必要だと思います。はい、毎度すみません。
    早速トラブルが起き始めてい。今後の旅が楽しみだ。
    その日の夜はTシャツがカロリー臭くなっている事に気が付いて悲しくなった。カロリー臭いというのは日本以外の食事、主にお菓子に香る独特の匂いだ。そういう街の匂いでもある。なんとも表現しづらい臭いなのでカロリー臭いと言ってみた。Tシャツが・・・借りパクしたTシャツが・・・。この日の晩飯はスーパーで買っておいたパンを食べる。冷えて固まってはいるが見た目通りの味でおいしかった。






    ここまで読んで頂きありがとうございます。ここから先はもっともっと面白くなりますし、もっともっと美しい風景に出会えました。下リンクも是非是非よろしくお願いします

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