• ヴァイオレット外伝とMADについて1

    2020-09-18 00:00
    AniPAFE2020!参加させていただきました!


    そんな感じで後書きです。


    ・テーマ「三つ編み」

    本作はテーマ賞へのエントリー作品なので、テーマを設定しました。
    そのテーマは、上記の通り「三つ編み」


    今回はこのテーマに込めた意味とそのテーマに設定するに至った経緯をヴァイオレット・エヴァーガーデンという作品を振り返りながら書いていけたらなと思います。


    ・「Braid」

    まずはタイトルの「Braid」の意味について。





    意味は「三つ編み」です(Google翻訳...)。

    この最初のタイトルの構図は絶対にやりたかった。テイラーとイザベラは遠く離れていているのに、その髪の毛を結うのはどちらもヴァイオレット。

    めっちゃ運命的。

    そして、このシーンがこの物語、さらにはヴァイオレット・エヴァーガーデンという作品がどういう作品なのかを表しているシーンだと思いました。


    そこら辺についても順番に書いていこうと思います。



    ・プロローグ




    今回かなり長めに導入部分を使ってしまったんですが、この場面こそが「三つ編み」というテーマに設定するに至った大事なシーンなのでガッツリ尺使っていきました。

    長すぎてここで視聴やめちゃう人も中にはいるだろうな...と思いつつ、やっぱりこれ以外には思いつかなかった。






    ヴァイオレットの真似をして三つ編みにしようとしたけどできなかったテイラー。
    むくれてる。かわいい。

    そんなテイラーを見て三つ編みをしてあげるヴァイオレット。なんだこの美女。





    「二つではほどけてしまいますよ、テイラー様」

    「三つを交差して編むと、ほどけないのです」

    このセリフを聞いて「これだ!!」と思いました。
    この言葉こそがテーマ「三つ編み」に直結するものなのですが、これは本当にビビっと来ましたね。

    このセリフがこの作品にどう重なったのか、一回MADを最後まで解説したうえで一番最後に書いていきたいと思うのでお付き合いいただければ。



    ・誰もが誰かを想っている







    ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝(以下外伝)で主に登場するのはヴァイオレット、イザベラ、テイラーの三人。(ベネディクトもかなり大事なポストにいたと思うがコンセプト的に外れるので割愛)

    三人ともふとした瞬間に心の中にいる誰かを思い出す。
    少佐。テイラー。エイミー。

    でも、誰も会えない。



    ・ふたりきりでは手は繋げない

    エイミーとテイラーは苦しい生活でも、二人で幸せに生きてきました。

    しかし、エイミーは貴族の隠し子でテイラーの生活を守るためにも名前を捨ててテイラーとの別れを決める。







    体が弱いうえに貧しいのもあって、この生活に限界を感じていたのかもしれません。

    それに何よりエイミーはテイラーの幸せを願っていて、別れることが幸せにつながると思いこんでいたのかもしれない。

    でもたぶんテイラーはそんなことは望んでいなかったんだろうなーと思います。
    孤児院を飛び出す大冒険をしてまでエイミーを探しにくるわけですから。

    しかし当時はテイラーは言葉を話すことができず、自分の想いを伝えることができなかった。
    そしてエイミーも、テイラーに自分の想いを伝えることをしなかった。

    すれ違いというのか、とにかくお互いに想いを伝えられなかったことで二人の手はほどけてしまった。

    ふたりきりでは手は繋げない。

    誰か、伝えられない本当の想いをすくい上げてくれる人がここにいたらなあ...









    いた!!!

    ほどけた手をちゃんと繋いでくれるヴァイオレットちゃん。

    ヴァイオレットも二人きりでほどけてしまった人がいるから。




    イザベラは後にヴァイオレットに勧められた手紙でテイラーに魔法の言葉を授けてます。

    「エイミー」

    その言葉でテイラーはここまで来れたんじゃないかな。ヴァイオレット万歳。







    その手紙を握りしめてライデンにやってきたテイラーは、配達人の見習いとしてCH郵便局に住み込むことに。

    そこでヴァイオレットと過ごす日々が、イザベラとヴァイオレットが過ごした日々に重なるんですよね。


    リオンから教わった星座の話をするヴァイオレット。

    わかりにくいけど右下にヴァイオレットとテイラーのシルエットがある。↓



    お風呂も一緒に入る。





    お風呂あがりは髪もふいてあげる。

    お姉ちゃんのほうが甘えん坊かもしれない。


    そしてこのシーン。




    イザベラもテイラーも寝ぼけなからヴァイオレットに自分の大切な人を重ねて見る。

    ヴァイオレットが二人を繋ぐ存在だからこその演出だと思います。

    ヴァイオレットを介して、二人はまた繋がっている。


    でもそれだけじゃダメなんだと。

    「手紙を書きませんか」

    想いはちゃんと伝えなきゃって、ヴァイオレットだから知ってるんだと思います。





    書いた手紙は届けないと読んでもらえない。
    ヴァイオレットとイザベラ、ヴァイオレットとテイラーだけじゃ手紙は届かない。

    二人だから、またほどけてしまう。

    でもここにもちゃんと繋いでくれる人がいる。



    「届かなくていい手紙なんてねえからな」

    ベネディクトまじでイケメンですよね。出番短くてごめん。


    ちゃんと届いたかな。
    届きました。







    結局この外伝の中では二人が再会することはないけれど、ちゃんとあの日伸ばした手はどこかでまた繋がると思います。






    円盤の特典小説では再会まで描かれています。





    ヴァイオレットはこうやって二人をまた繋ぐことができたわけですが、これまでもずっと同じことをしてきたんですよね。

    あの手も、この手も、その手も、全部ヴァイオレットが繋いできた。
    ヴァイオレットがいたから繋げた手だと思います。





















    ・愛を教えてくれた君へ





    今回使った曲は、クアイフの「愛を教えてくれた君へ」という曲です。

    この曲の中で「愛を教えてくれた君」はもう会えない人として歌われているように感じます。

    「愛を教えてくれた君」をヴァイオレットにとっての少佐、イザベラにとってのテイラー、テイラーにとってのエイミーに置いたとき、ヴァイオレットだけが愛を教えてくれた君との再会ができない。

    それは、ヴァイオレットと少佐は二人だったから。

    あの戦場で二人を繋ぐものは二人しかいなかったから。

    でも、イザベラとテイラーも最初はそうだったんですよ。
    繋いでくれた誰かがいたから会えないはずの「愛を教えてくれた君」に会うことができたんです。



    ・三つ編み

    ここで最初のテーマに戻ってきました。

    この三つ編みは、テイラーとイザベラ、そしてヴァイオレットの三人の関係を表現する言葉だです。

    テイラーとイザベラは二つ編みのようにほどけてしまったけど、ヴァイオレットが絡むことでしっかりと繋ぎとめられる。三つ編みの様に。

    そして、テイラーとイザベラはいつかのヴァイオレットと少佐です。

    今のヴァイオレットと少佐はもう二人きりではないと思います。

    最初は二人だったから、冒頭のテイラーの二つ編みのようにほどけてしまったけど、今のヴァイオレットは愛を知っている。

    代筆を通して多くの手を繋ぎながら、また自分の手も繋いでもらっていたのだと思います。

    今のヴァイオレットは、ほどけない方法を知っている。

    もしまた少佐と会うことができたら、その時は今度こそずっとそばにいられるんじゃないかなと思います。

    だからこその

    「二つではほどけてしまいますよ、テイラー様」

    「三つを交差して編むと、ほどけないのです」

    このセリフがこの作品のテーマになりました。



    このMADは劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン公開日にあわせて投稿していますが、その作品がヴァイオレットにとって幸せな物語になったらいいなという思いを込めて。

    「愛を教えてくれた君」との再会を願って。







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  • リズと青い鳥とMADについて 2

    2020-05-03 19:18
    先日、新しいMADを投稿しました。(第9回ANIMAAAD祭参加作品兼依羅グルーヴ事変支援作品としての投稿になります)

    前回作に続いてまたしてもリズが題材で、今回はリズMADあとがきPart2ということでよろしくお願いします。

    前回のMAD↓

    そのあとがき↓
    https://ch.nicovideo.jp/nin/blomaga/ar1868814


    ・ANIMAAAD投稿期間初日。。。

    今回がANIMAAAD初参加なのですが最初はこのMADを作るつもりはなかったし、構想すら頭の中にありませんでした。

    MARCOさん主催の京アニ合作に参加していて、それが投稿されたら後は高見の見物を決め込むつもりだったのです。↓



    が、投稿期間初日から素晴らしいMADが大量に投稿されていてうわーMAD作りてー、と。
    いてもたってもいられなくなってしまった。。。
    MADの力は偉大。

    しかし何も構想がないのでまずは題材と曲を決めるところから。
    何か良いのないかなーと前回のMADに使った曲のアーティスト「ハルカトミユキ」の曲を何となく聴き漁っていたら「DRAG & HUG」という曲に一目惚れならぬ一聴き惚れ

    聴いた瞬間に「これは希美だ!」と思ってこの曲とリズと青い鳥で作ることに決めました。
    どこが希美なんだって感じですが、確かに希美のことを歌っているように感じたんですよね。

    そこら辺の話も含めて、MADの内容をなぞりながら書いていけたらなと。


    ・冒頭

    今回のMADは希美をテーマにして作ったつもりです。

    冒頭の「私、みぞれが思ってるような人間じゃないよ」というセリフから始まるわけですが、ここに自分の考える希美という人間の全部が詰まっているなと思って最初にこのセリフを持ってきました。

    これは前回のMADのあとがきにでも書きましたが、希美ってめちゃくちゃ人間くさいんですよね。
    純粋無垢なみぞれに対して、明るくて活発な仮面の裏で嫉妬とか愛とか、いろいろグチャグチャになった感情でみぞれのことを見ているんじゃないかなーと思います。

    そういう希美の性格を表しているのが、「私、みぞれが思ってるような人間じゃないよ」

    しかも本人の自己申告だし、このセリフありがたく使わせてもらおうじゃないのー。


    そんな感じでこのセリフを冒頭に置いて、「こんな感じの人間の物語、始まります」。




    ・イントロ


    4カットしかないし特に語れることもありませんが強いて言うなら希美の表情が映らないようにしました。何となく。




    ・希美がテーマと言いつついきなりのみぞれ

    ここはちゃんと理由があります。

    シーンとしては登校してきたみぞれがふと立ち止まり、それからくるっと後ろを向く場面。
    初めてこのシーンを見たとき「なんで振り返ったんだ??」と思いました。

    しかもこの振り向く時の動作がみぞれにしては大きいな、と。
    基本おっとりしてるみぞれだけどここでは「ピタっ」と止まって「クルっ」て感じで回る。
    そのあと校門のほうを見つめて立ち尽くすみぞれのシーンですが、これってみぞれが希美にむけている愛ですよね。多分。

    歩いていて、「もしかしたら後ろに希美がいたりして」若干期待しながらくるっと振り返る。
    「あーいないか」みたいな感じでわかってはいたけど肩を落とす。







    ここってそんなシーンだと思うんですよね。
    希美がいない時も希美のことで胸を弾ませたりちょっと沈んだり、みぞれがどんな感じで希美のことを想っているのかがさりげなく描かれているんじゃないかなーと思います。
    勝手な解釈です。

    そういうことでここでは希美という人間が受けている「愛」を、遠回しに表現した感じです。



    ・寄って離れて

    その次に見せたかったのは希美のみぞれとの付き合い方。
    希美ってなんかふらっとみぞれに近寄ったり、離れたり。 近いようでいてどこか距離があるんですよね。





    ここの歌詞が「右目で媚びて左目で見下した」ってなっていて、さすがに媚びてもないし見下してもないと思うんですが、この二面性が希美のみぞれに対する付き合い方に当てはまるかな?という感じで寄り添う希美、それから離れていく希美のシーンを歌詞にのせてみました。

    なんで希美がこんな行動をとるのかなっていうのは前回のあとがきで触れているのでよかったら見てみてください。


    ・サビ(その1)


    ここは希美のみぞれの感じ方。
    希美にあっていたピントがみぞれにあわさる。





    並んで座って演奏に集中しているようだけど、隣にいるみぞれの気配を確かに感じている。
    完全に自分で意味をこじつけました。まあいいんだよ。



    ここら辺は希美の悪気のない冷たさを出したかったのかなと思います。
    サビの終わりでこういう後味少し悪いシーン入れて、曲の雰囲気とのチグハグ感をここら辺から出せたらなという感じ。






    ・間奏

    ぶっちゃけここは何も考えてないです。
    ここら辺を編集していたのがもうANIMAAAD投稿最終日で、Twitterで22時に投稿すると宣言してしまったので焦ってとにかく埋めました。
    リミットまで4時間の時点。
    このパートに限らずですが、もう少し作りこみたかったのが本音です。




    ・サビ前

    「ああ なんて愛おしい」という歌詞部分ですが、ここは素直に愛おしそうにみぞれのことを見ている希美にしました。
    希美ってこうやってみぞれが自分のことを見てないときはめちゃくちゃ見るなあ。





    ここら辺から希美のぐちゃっとした感情が出てくる場面を。





    この希美がみぞれを無視するシーンが結構好き。

    笑ってるんですよね。
    リズ自体が全体的に綺麗な雰囲気でまとまっている作品なので、ふとこういうサイコパスチック(?)な描写があるとぞくってする。


    ・サビ(その2)

    ここは一回目のサビとの対比。

    穏やかな演奏シーンから一転して希美がズッタズタに打ちのめされるシーン。
    ここもほんとに大好きな場面です。

    リズと青い鳥に例えられる希美とみぞれの関係が決定的に動いた瞬間だと思います。



    まったくなんつー顔してオーボエ吹いてるのよ。


    ここら辺の希美が周囲の世界全てから取り残されているような印象を受けました。

    希美が演奏をやめた時、滝先生は希美の目の前にいたし音が消えたのも絶対わかるしそのことに気付いていたと思うんですよね。

    でもそのことを無視して演奏を止めなかった。
    MADには入れていませんが瀧先生のメガネに光が全反射していて表情が読めないシーンがあって、少しゾッとする冷たさを覚えました。

    この演奏でみぞれはもう飛び立とうとしている。
    対照的に希美はまだどこにも行けない、飛び立てない、取り残されている。
    自分の行く先がまだわからないのだと思います。



    ここで曲の歌詞が「ああ なんて愛しい 曖昧な日々」って入るんですが、ここがこの歌が希美のことを歌ってるんじゃないかなと思ったきっかけの歌詞です。

    愛おしい曖昧な日々というのは、希美が自分のことが大好きなみぞれに安心して自分が青い鳥だと思っていた日々のこと。
    みぞれに対する愛情も、胸の奥にある嫉妬みたいな感情も全部曖昧にしてなあなあにしてきた日々。
    みぞれに近寄ったり離れたり、そんなことを繰り返している日々に当てはまるなーと思いました。

    でももう皆に取り残されちゃったから、あの日々には戻れない。


    そのあとのココ。
    大好きのハグのシーン。




    一連の流れにそぐわない気がして「みぞれのオーボエが好き」って言って笑うシーンは入れてないんですが、ここが希美の中でいったん答えを見つけた場所だと思います。
    なんか吹っ切れた顔してるし。

    ただ歌の歌詞が
    「白黒つかない 割り切れやしない 感情ひきずってゆく」
    ってなってるんですよ。

    大好きのハグで吹っ切れたんじゃないのかよーって感じですが、ここも「あ、この歌は希美だ」と思ったポイントです。


    映画本編の一番最後の下校シーンで希美がみぞれにこんなことを言うんです。

    「みぞれ、私みぞれのソロ完璧に支えるから、今はちょっと待ってて」

    振っ切れた人間の台詞にしては少し消極的で、まだ一歩踏み出せていないような感じすらしました。

    「やっぱりいきなり全部割り切れないし、白黒つけられない。この感情はあともう少しだけ引きずっていく」っていう風にこのセリフを解釈しているんですが、だとしたらこの歌詞ぴったりじゃんって。

    多分これ希美が作曲したな。



    ・のぞみの行く先


    「のぞみの行く先」というタイトルですが、「のぞみ」とひらがなにしたのはわざとです。

    ここには「希美」「望み」の二重の意味をかけました。



    「希美」の行く先




    希美って進路決めるときにみぞれと離れたくない、あるいは対抗心で音大志望ということにしてたんですが最後には変わっていましたね。

    どこの大学に行くのとかそういう狭い意味ではなくて、もっと人生全体を見た広い意味でこれからの希美はどこに行くのかな、未来の希美はどんな場所に立っているのかな。
    そんな感じです。



    「望み」の行く先




    この望みというのは希美の望みのことです。(ダジャレじゃないよ)

    大好きのハグで「みぞれのオーボエが好き」とつぶやいた希美ですが、その言葉にはどんな意味があるのかなーと。

    この場面、希美がリスでみぞれが青い鳥と例えることができるのなら、青い鳥に美しい翼で羽ばたいてほしいと願うリズの願いが希美に重ねられると思います。
    みぞれにも自分の好きなオーボエではばたいてほしいという「願い」=「望み」。

    でもこの時の希美はまだ自分の中でも整理がついていなくて、だとしたらもっと先の話をしたときに最終的に希美の望みはどこに行くんだろう。
    何を望んでいるんだろう。
    そういった意味を込めました。



    前回のブロマガでも書きましたが、この話はここで終わりではなくさらにまた続きがある物語です。

    だから今は「のぞみ」の行く先の答えを見つける必要はないかなーと思います。
    MADも全体を通しての落としどころみたいなのは作ってません。

    なので視聴後にモヤっとした感じが残ったりスッキリしない人も中にはいるんじゃないかなと思いますが、希美と一緒に曖昧な感情を引きずっていってください。





    長くなりましたがここらへんでMADの話は終わりです。
    ANIMAAADにも無事に間に合ってよかった。。。

    お付き合いいただきありがとうございました。




  • リズと青い鳥とMADについて

    2020-02-23 20:19
    先日、新しいMADを投稿させていただきました。

    このMADに少しだけ触れながら、リズと青い鳥について書いていけたらなと。
    語彙力はありませんが頑張ります。


    ・なんかカクカクし過ぎじゃね?


    まず一番初めに触れておきたいのが、このMAD全体を通してひたすら画面をカクカクさせ続けるという演出。
    やりすぎかなー、でもなー。みたいな感じで結局こんな感じになったのですが、画面が見づらいという人もやはりいたそうで。
    でもこれが自分のやりたかったものだし、まあしょうがない。

    じゃあ、なんでこの演出にこだわったの?という話なんですが、一応ほわっとした理由はちゃんとあります。

    これはリズと青い鳥という物語の立ち位置にあります。
    そもそもこの作品はTV版響け!ユーフォニアムと劇場版の誓いのフィナーレの間の話で、時系列で並べてみるとこんな感じ。


    希美、みぞれ疎遠からの仲直り(「響け!ユーフォニアム2」)

     
    「リズと青い鳥」←ココ
     
    コンクールでリズと青い鳥を演奏(「誓いのフィナーレ」)


    希美とみぞれは中学からの親友で、高校では行き違いがあったもののそれも円満に解決していた、と思います。

    でも、京アニさんはそのまま誓いのフィナーレへ、とはしませんでしたね。
    このリズと青い鳥という話が必要だったからです。
    自分ではそう思っています。

    あのコンクールでの演奏を成立させるためには、希美とみぞれの歪な関係を少しだけ、動かす必要があった。そんなこんなで必要なのが「リズと青い鳥」というお話。
    歪かな?歪だと思います。
    そう考える理由は追々。

    要は、このリズと青い鳥はTV版から誓いのフィナーレの間になくてはならない「綻びを修復する物語」である、と、そんな感じのことを言いたいのですが語彙力がなくてうまく表現できません、ニュアンスで何とか察していただけると(おい)。

    それが今回のカクカク演出にどうつながるの?って話なんですが、ざっくりと言えばこのリズと青い鳥が「物語」であることをどうにかして強調したかったとか、そんな感じの理由です。
    いや、映画だしもちろん物語だけどそういう意味での物語ではなくて、これは希美とみぞれだけの物語であり、外部の人間には「こんなエピソードがあったらしいよ」とか、言うなれば絵本の様に語られる物語だと思うんですね。

    こうして文章にしてみると何も思ったことを伝えられていないような気もしますが、つまりこのMADを絵本のように外から見る物語にしたかったんです。
    カクカクさせて臨場感を排除した平面的な世界を作って、そこにテクスチャを重ねて絵本にする、みたいな。
    うーん、何を言っているんだろう。

    とまあそんな感じで、そこにありながらも外から物語を覗いているような少しずれた次元にあるものを見ているような、そんな「若干の見づらさ」が欲しかったわけです。

    それで、あのカクカクに。

    まあ、なので「見づらい」「目が疲れる」という意見も狙った効果が出た結果なのかなと思ったりしてますが、もう少し調整するべきだったなーとも。

    そんな感じのふわっとした理由でした。



    ・リズと青い鳥、MADについて


    では、今度は何を考えながらこのMADを組み立てていったのかなとか、そこら辺の話を。

    まずは自分がこの映画をどのように解釈したのか、そこからになります。

    先ほどリズと青い鳥は「綻びを修復する物語」だと言いましたが、その綻びとは?
    希美とみぞれの間にある、とても歪な関係のことです。

    二人は親友、それは確かだけど二人の間の距離はとても離れていて、不安定なもの。

    それらは最初から描かれていると思うんですよね。

    この、歩く時の、距離。








    ずっと希美が前を歩いて、みぞれが後ろをついていく。
    昔から変わらない関係性。




    この歩いているときの描写こそが二人の間にある関係を象徴していると思います。

    前を歩く希美が常にこの関係をリードしてきたんだなーと。
    そんな印象を受けました。

    でもなんか、親友のそれとしてはあまりにも歪ではないかな?と思うわけです。

    歩いている時ではなくても、この二人って常に距離があるんですよね。
    で、その距離を生み出しているのは希美、じゃないかなと。

    みぞれは希美がめっちゃ大好きで、重すぎるくらい大きな愛がある。
    「希美は私の全部だーー!」と本人の前で言ってしまうくらいマジで重いです。

    他にも隣に座る希美の肩にそっと頭を預けようとしたり、貰った羽を包み込んで、キスしたり。





    安直な言葉で表すならば、「恋」と呼んでいいのかもしれない。

    親友の域を超えた感情だとは思います。

    それは恐らく希美も同じはずなんですが、こっちはどうにもギリギリのところでみぞれを突き放そうとする。

    肩に寄りかかろうとした時にすっと立ち上がったのも、本当はみぞれの行動に気付いていたんじゃないかなー。

    大好きのハグのなんちゃってーの場面も、多分みぞれの上がりかけていた手に気付いてたと思います。根拠はないです。
    が、希美はそういう子です。多分。





    この希美という少女、希美大好きの感情だけのみぞれとは違い人間すぎるほど人間臭いんですよね。
    愛。嫉妬。いろいろなものがぐちゃぐちゃになった感情でみぞれを愛しているんです、きっと。

    そしてそういった感情の中で、みぞれの依存ともいえるほどの大きな愛を感じながら、心地よさ、嫌な言い方をしてしまえば優越感を感じていたのだと思います。

    希美って結構優位に立っていたい性格なんじゃないかなーと。
    後輩たちがフルートのソロはのぞ先輩だよねーという話をしていた時はみぞれに機嫌よく振舞っていましたが、これ多分後輩に褒められたからだけじゃなくて、みぞれが一人だったのも希美にとっては心地好かったんじゃないかと思うんですよね。

    え、めっちゃ嫌な奴じゃんって。
    でも、それが多分希美。
    大好きな人が自分にしか興味がないのがとても安心できて、心地いい。私は色々な人に囲まれていて、さらにみぞれも私だけを見ている、みたいな。
    うーん、違うかな?どうなんでしょう。


    この後、そんな希美の性格故に二人の間に亀裂が入るわけなんですが、きっかけはみぞれ音大受験するかも事件、剣崎梨々花接近事件。

    で、ここでMADを作るうえでかなり悩んだものがあって、それが梨々花ちゃんを登場させるかどうかというものだったんですが、結局登場させました。
    冒頭でも記述した通りこのMADは希美とみぞれの二人だけのものにしたかったのでそれ以外の人物は入れないようにしましたが、梨々花ちゃんはみぞれが希美のいない世界に少し踏み込むためのきっかけっていう重要な立ち位置にいるんですよね。
    何回もダブルリードの会っていう新しい世界にみぞれを誘っているわけですし。




    最初はみぞれも相手にしなかったけどだんだん仲良しに。


    しかし、希美にとっては穏やかじゃないですね。
    みぞれが遠くに行ってしまう。






    さらに、みぞれだけ新山先生から音大を勧められる。
    張り合って自分も音大に進もうとするが、新山先生のみぞれへの期待値と自分への興味の無さのギャップに気付いてしまう。
    うわー劣等感。ついにみぞれとまともに接することができなくなります。






    無視



    でもみぞれって、依存しきっているようでいて実は希美よりもはるかに強い心を持っているんですよね。
    希美が一回退部した時もショックを受けながら、意味を見失いながらもずっと一人でオーボエを吹き続けてきたわけですから。
    (希美も一旦は吹部を離れながらみぞれとの実力差に負い目を感じるのもなかなか傲慢なことだとは思います)

    もう、自分で飛び立ちます。新しい季節。






    からの大好きのハグ。



    ここで希美が言う「みぞれのオーボエが好き」って台詞、これが希美の愛の形を見つけたんだと思いました。
    希美にリズを重ねるならば、青い鳥に美しい翼で羽ばたいてほしいと願うリズの願いも重ねられると思います。





    ・そのまま、ここから


    今回MADに使っている曲って、「新しい季節」とか、次の世界へ飛び出すような、そんなメッセージのようなものが込められた曲だと思うんですね。なんというか、ネクストステージへの希望の歌のように感じました。

    一方、リズと青い鳥もものすごく静かなようでいて実は何かが大きく変わる、今までの歪な関係が終わり、つまり綻びが修復され、新しい何かが始まる。
    そんな変化を描いたものだと思います。



    二人はそれぞれの道を歩く。




    ただここで大事なのは、このお話は「おしまい」ではなく「続く」なんです。
    あくまでも「誓いのフィナーレ」へ繋げるための、ステップアップの話。

    だからこその、この曲と物語で作った「そのまま、ここから」です。

    でも、「そのまま」って?
    そのままです。
    結局希美とみぞれは大好きハグしましたが、特に謝ったり過去の清算をしたりはしていませんよね。

    全部、そのまま。
    なかったことにはしない。

    すべてが絵の具になるから
    下手くそだって消さないで

    これは曲の歌詞ですが、何となくここの部分と希美とみぞれの歩みを重ねたりもしてました。

    最後、二人は初めて本当の意味で向き合えたんじゃないかな。
    「ここから」、また始める。





    ぐだぐだと滅茶苦茶な日本語で書いてきましたが、こんな感じです。

    こういったものを感じながら今回のMADを作ったんだよーという、そんなお話。
    まとまりのない話にここまでお付き合いいただきありがとうございます。