-
超乗合馬車2019レポート(二日目)
-
超乗合馬車2019レポート
超会議2019でのユーザー支援企画「超乗合馬車」のレポート。●新しい馬車格納庫の建設
台風で馬車を格納していたテントが潰れたので、庭に新しいガレージを建てた。設計も工事も全部自分一人でやった。
●車輌整備
きしむ音がしていた後輪。もともと廃車から外してきたものだが、錆びがケースに接触していた。
前輪は耐荷重700kgの大型キャスターを使っている。超会議で二日走らせると髪の毛その他がこんなにからみつく。
前輪のバンパーを改良した。馬車は人混みの中を通るので、前輪を地面すれすれまでカバーして歩行者の靴の巻き込みを防ぐ。
車体前部にあるケモミミ。塗料の剥がれたところを塗り直した。
●トラックに積み込む
設営日前日、レンタルした2tトラックに馬車を積み込む。手動ウインチとロープで少しずつ引っ張り上げる。それから付属品を隙間に詰め込み、念入りにロープをかけて固定する。●設営日
道中、エンさんと電光掲示板を積み込んでメッセ到着。ここで後部のラッタル(階段)が破損していた。これには焦ったが、運営さんが会場に来ていた大工さんにかけあって、応急の階段を用意してくれた。かたじけない!
夕方、中曽根オフ・パレードのリハーサルに参加する。水色Tシャツのダンサーが乗り込み、しばらく進んで水戸黄門の前で飛び降りる。
●超会議初日
8時頃集合して、中曽根オフの出番位置で待機する。メッセの外周には待機列がみっしり。音楽とともに撮影車が近づいてきた。
水色Tシャツを運ぶところは写真がないので公式動画等を参照されたい。水色Tシャツが降りたら馬車はお役御免なので、一般コスプレイヤーを載せてパレードについていく。
5ホールの馬車乗り場に戻って、運営スタッフとブリーフィング。開場すると来場者が雪崩を打って駆け込んでくる。「走らないで!」と制止するスタッフ。毎度のことだけど。
ルーティーンな馬車の運行が始まる。運営スタッフの判断で混雑した場所をかわしながら、できるだけ多くの人に乗ってもらう。乗り方は簡単で、馬車乗り場に並ぶだけ。ただし単なる遊覧ではなく、コスプレや歌ってみたなど、なんらかのアピールをする人を優先する。●ラスボス小林幸子さん搭乗
「あっ、ラスボスだ!」「目の前を小林幸子が!」と馬車のまわりは大騒ぎに。ちょうど人通りの少ないタイミングだったので、ちょっともったいなかったけど。
●初日終了
帰途につく来場者を運営スタッフが見送る、これも恒例のセレモニー。
(二日目に続く)
-
プレミアム特典なんかいらない
超会議が近づいてきた。私は例年どおり、超乗合馬車を持ち込む。今年はホール1~3の通路を周回する予定で、発着場はホール3にある。コスプレしたり歌ったり演奏したりする人なら誰でも無料で乗れるので、ぜひ立ち寄っていただきだい。幼い子連れや車椅子の人も歓迎だ。
さて、超会議が近づいてニコニコ動画への愛がぶり返してきたので、掲題のことを述べたい。このタイトルには補足事項があるが、それは最後に示す。
2019年3月11日の運営生放送で終始「プレミアム特典を増やせ」というコメントが流れていた。それを見るたびに私は「そうじゃねーだろ」と舌打ちした。プレミアム特典を増やせば何かが良くなると思っているあなたは間違っているよ。あと百花繚乱氏を「運営の犬」よばわりするのも(冗談半分としても)違う。この人ほどニコニコを真摯に思いやっている人はいない。
私は11年前、頼まれもしないのにニコニコ動画プレミアム推進ユーザーアピールというものを始めた。当時はニコニコ動画が盛り上がっていた時代で、いまはオワコン、運営がgdgd、KADOKAWAのお荷物、などと言われているが、私の考えは一度も揺れていない。
ニコニコ文化は今も昔もクソだ。しかし、たまにではあるが最高に素敵なもの、他のサービスからはでてこない感動と共感が得られるのでやめられない。こういう場は清濁ひっくるめて尊重しなければ文化も文明も育たない。そのニコニコ動画はユーザー課金で回っている、世界にも希なサービスだ。だからプレミアム会費を払わないと立ちゆかなくなる。広告収入もあるが、それでは追いつかないのが現状だ。
したがって月500円のプレミアム会費を支払うことはユーザーとして当然のたしなみである。払えない人にも一般会員として最低の門戸を開いているまでのことだ。
YoutubeやFacebookのようにサービスは無料だと思い込んでいるのは、いわゆるGAFAの思うつぼだ。無料の昼食などというものはない。そんなニコ厨の私だが、これまでは動画の視聴と投稿がメインだった。ニコ生におけるプレミアム特典が実にうまくできていることに気づいたのは、最近のことだ。
ニコ生のギトギトした雰囲気は私に合わず、これまで公式番組以外はあまり視聴してこなかった。去年の10月、カスタムキャストにはまってから、「カスタムキャスト配信」タグを巡回するのが楽しみになった。自分でもときどき配信している。カスタムキャスト配信は(いまのところ)とても優しい世界なのでおすすめだ。
さて、ニコ生におけるプレミアム特典のどこが優れているかというと、利他的な機能が多く含まれていることだ。
プレミアム会員は配信者をフォローすることでそのユーザーレベルを上げられる。配信につりっくまなどのゲームを貼れるのもプレミアム特典だ。(いっぽう、あまり知られていないが、クリエイター奨励プログラムからの収益受け取りは一般会員でも可能だ。ただし本人証明などの手続きが面倒で、プレミアム会員なら1ボタンですむ違いはある)
つまりプレミアム会員は他の配信者を「推す」ことに貢献できる、すぐれて利他的な特典を持つ。配信者から見れば、プレミアム会員はヒーローだ。これがニコニコ動画内の経済を回し、場を盛り上げる。他の配信者を喜ばせることで、自分も感謝され、めぐり巡って自分の得になるというシステムデザインだ。こんなサービスが他にあるだろうか?
また、いま挙げた機能を除いても、プレミアム会費を払ってサービスの維持に貢献すること自体、利他的な考え方だ。そこには、自分たちの活動の場は自分たちで維持していこうとする、社会規範に沿った意識がある。
利他行動には、いずれ自分を利する、おこぼれがあるものだ。この「利他行動のおこぼれ」は月500円の会費より遙かに大きい、プライスレスなものだ。人に喜ばれることを重ねていけば、人生は確実に豊かになる。そうでない収益など、あぶく銭にすぎない。
人を楽しませる音楽や動画を作ったり、配信する。MMDモデルをシェアする。二次創作で加勢する――そうしたことを続けていれば、収益は後からついてくるものだ。いずれベーシックインカムが実現すれば、この評価経済こそ人類活動の中核になるだろう。いっぽう、運営生放送で飛び交っていた「プレミアム特典を増やせ」要求は「でなきゃ退会するぞ」と続くように、利己的なものと考えられる。一般会員と差がつけば、張り合いが出るとでも思うのだろうか?
運営はユーザーの目先の欲求に応えようと苦心しているようだが、ウォンツ(目先の欲求)とニーズ(真に必要なもの)は峻別しなければならない。利己的な欲求に応えても「一般会員では使い物にならない」「プレミアムでやっと普通」という不満は解消しない。不満の持ち方が間違っているからだ。ニコニコ動画における真のプレミアム特典とは、人に喜ばれるための土俵に立てることである。
反発・反論はあろうけど論旨は述べたので、タイトルを補足しよう。
「利己的なプレミアム特典なんかいらない」
広告
1 / 33