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モハル! 謀略編【天】
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モハル! 謀略編【天】

2020-01-22 00:36

     【 謀略! レイア姫の真実 】

     レイア姫の運搬と、その治療のため
     シャルカが姫を抱きかかえて直接王城へ、ましろがその後に続いた

     レウス王はまだ満足に歩けず、
     肩を貸して歩く・・ 一人では厳しいので、ザザ美にも手伝ってもらう
     虎縞のアイルーは辺りを警戒しながら先導するように跳ねていく

     手ぶらなのはナナ皇女と妹のギザ魅だ
     二人はなにやら後ろでまた言い合いを繰り返しているが、
     少し成長したのか 殴り合いには至らないようだ・・


     坂道を下り終えた後、ぐるりと回って城門についた
     番兵が敬礼して開門 城内へ入ると、ラン・オースとその部隊が
     竜車を2台ほど用意してくれていた。

     ・・すぐにでも兵舎など借りて休みたいところだが、
     王を竜車に座らせた後、そのまま姉妹と席を共にする
     「・・・ちょっと! こっち一人じゃない! 寂しいんですけど?」
     「・・仕方ないニャ 皇女の相手をしてやるかニャ」
     「じゃあここは姉さんに任せて 私もあっちに行くわ」

     いつのまにか膝の上に乗りこんでいた虎はぴょんと飛び出し、
     ナナ皇女の竜車の方へ飛び乗った
     ギザ魅も後に続き・・ 乗り込むなり皇女のほおを肘でぐりぐりしている
     ・・・大丈夫だろうか・・

     「出発!」
     兵士達が竜車の周囲を警戒しながら大通りを城へ進む
     虎退治に同行したエリオはまだ戻っていないのかと、辺りを見回すと
     工房の方に姿を見かけた

     工房長のヤン先生と何やら話し込んでいたが
     こちらに気づくと、また何か申し訳なさそうな目線を送る

     王はしばらく黙っていたが
     「・・・前にも似たようなことがあった」

     レイア姫の暴走について語り始める
     同じように我を失い、同じようになんとか動きを抑えて
     お前は~ と続柄と役割を 正気を取り戻すまで訴えかけたという

     最初のきっかけは、誕生時にさかのぼる

     前代レイア(同じ名前を継ぐ)つまりレウス王の妻が子を授かり、
     そして生まれた我が子を喜びのあまり空を連れまわした際に

     峡谷辺りで落としてしまったという

     「・・・・」
     「・・・(何してんの?)」
     
     ・・慌てて探し回ったがすぐには見つけられず、
     姫は無事ではあったのだが・・・

     そこに居たのは、我が子の面影を残した黒い生き物だった
     周囲には血だまりと肉片が散乱し
     襲ってきた獣を返りうちにしたのか、それとも・・・

     城で待つ妻を泣かせるわけにもいかず
     レウス王は、それが我が子だと信じ、落としたことを謝り、
     そしてその黒い生き物に お前は我が子、レイア・リオラールであると言い
     親特有のなんかこう強く温かい眼差しというかそんな感じで抱擁する

     王を見つめ・・ 徐々に見慣れた姿に戻っていく我が子を見て安堵し
     抱き上げて王城へ帰ったという

     「・・・それではレイア姫は・・まさか」
     「・・私の娘だ」
     「・・・」

     実子の真偽はさておき・・
     レイア種ではない可能性がある・・ということか

     「それからも何度か・・
      誤ってレイアの楽しみにしていたおやつを食べてしまったり・・・
      新技を試し撃ちしようとしてたところに飛んできたレイアに当ててしまったり・・
      妻の死を嘆き悲しむあまり当たり散らしてしまった
      私を止めるために・・・」

     「・・そ、それは・・・」
     「・・・ほぼアンタのせいじゃねーか」

     「最後は・・雪山の事件の時だ」
     「雪山を根城にしているレディ・ブランの一味が
      アルビノ・・今のましろだが
      独りでうずくまっている彼女を発見して報告してきたことがあってな
      保護する名目で駐留させているジーナの部隊を連れて雪山に踏み込んだのだが、
      洞窟を抜けて山頂に続く岩場に差し掛かった時だ
      ・・・運悪く 金獅子、更に蒼い稲妻・・幻獣が突然降ってきて・・
      連中が戦いを始めたのだ・・」

     「・・・まさしく災害だった
      レイアは無事だったが、ジーナは戦闘に巻き込まれて死んだ・・
      部下の死に憤り、戦いながら飛び去っていく天災どもを追おうとしたのだ
      ・・あの時はなんとか止めることができたが、
      平時の力も私を上回ってきている・・限界を感じたよ」
     「・・保護するはずのましろに助けられた、というのが事実だが」

     「・・・次に暴走したら、私一人ではもう止められない
      私も、娘も、よく分かっていた・・ だから気を付けてはいたのだが・・」
     「テスカートの使いで金獅子がやってきた時・・・
      レイアの力のことだと察しがついた もう暴走させるわけにはいかない・・
      だが・・追い返せずにこのザマだ・・・」

     「・・王様」

     「ヤツの2発目の雷玉で、私も覚醒するかと期待したんだが・・
      残念ながら娘だけの特性らしい・・・」
     「・・・今回の件、お前たちがいてくれてよかった・・
      この場におらぬ者にも感謝を述べていたと、よろしく伝えてくれ」

     「・・・わかりました」

     竜車がゆっくりと停止する。王城についたようだ。
     「金獅子・・ これで退いたと思いたいが
      再襲撃を警戒し兵たちに警備を強化させる
      だが・・功労者であるお前たちには休んではもらいたい
      医務室に近い救護室になるが・・ 毛布など運ばせよう」

     「陛下、失礼します」
     「うむ・・」
     ラン・オースら兵士が左右から王を支え、連れて出す
     「なに、動けはせぬが私は階上から睨みを利かせておこう」

     「それには及ばぬ、レウス王は休んでいろ。私が哨戒に出よう」
     鈍色の騎士が言う
     「・・・シャルカ殿、レイアの容体は?」
     「甲殻の変色以外は良好だ・・と思う じきに意識も戻るだろう」
     「そうか・・」
     「私も!私も元気なのよ!門番でもなんでも命じるがいいわ!」
     「殿下は・・そうですね姫の傍にでも」
     「わかってるわね!」
     「すまない、助力感謝する」
     「・・・襲撃の件はこちらの落ち度でもある。我々には知らされていなかった・・
      本当に、気にしないでくれ・・・」

     王に一礼すると鈍色の騎士は城外に飛翔し、王都を旋回する
     レウス王は自室で休むと言い、兵士に支えられ2階へ
     皇女は喜々として医務室へ向かった

     ハンターと姉妹は救護室で・・ 休む前に、レイア姫の様子を覗きについていく

     医務室の垂れ幕をくぐるなりナナはベッドで眠っているレイア姫に
     全力で絡む

     「レイア! レイア!! ・・まだ寝てるのね
      ましろよ!アレをやるのよ! 唾液を口の中に垂らしなさい!」
     「・・・うるさいなぁもう アレはあなたに必要だからやっただけ~」
     「なにそれ! 納得いかないわ!!」
     「ざ~んね~ん 手当はもう全部終わったあと~ もう見守るだけ~」
     「むぅぅ・・・」
     「皇女様は姫様がお好きなんですねぇ ニヤニヤ」
     「・・・そうよ! カニ如きにまで分かるほど大好きよ!」
     「お、おう」
     「・・レイアは・・・
      優しくて、強くて、父親にも認められてて・・・
      そして、力の暴走に苦しみながらも敵に立ち向かう・・
      私のあこがれ、私の永遠のライバルよ!」
     「・・・はは~w おみそれしました~ww」

     ギザ魅は茶化しているが、ザザ美は目頭を熱くしている
     ナナ皇女は間違いなく成長しているッ・・!(見た目以外は)

     静かな寝息が聞こえる
     シャルカやましろの言うように、心配はないようだ
     ・・ただ、新緑色をしていた甲殻は
     もう黒みを帯びたまま戻りそうにはない・・・
     だが姫が無事であったのなら、それでよかったのだろうか

     まぁ・・ここは任せて、救護室で休むとしよう
     いくつかのベッドは既に埋まっている
     金獅子襲撃の被害者だろうか。

     余っているベッドは2つ こちらは3人だ
     「・・・」
     「我を忘れているニャ」
     「あっ いたんだ~」
     「まぁ気にするニャ 床でも構わんニャ」

     「毛布をお持ちしました・・っと」
     目立つねじれた二つの角・・・
     ディアナ書記官が、どうやら空いているベッドの分の
     毛布を持ってきてくれたらしい

     「ご、ご ご無事で何よりでしゅ」
     あ、見つめるとダメなんだな・・・
     「・・・ご一緒しても・・よろしいですか?」
     「おいおいおいー ディアナちゃんといえどお義兄ちゃんとは寝かせられないぞー」
     「じゃあ、私と寝ましょう ディアナちゃん(ニコッ)」
     「お姉ちゃぁぁぁん」
     「ぎ、ぎっちゃん だって・・・」
     「・・俺も床で構わないぞ、これでもハンターだからな」
     「そんなー」
     「お願いですハンターさん、一度ぎっちゃんと・・・」
     「・・・」

     ああ、疲労が限界のようだ
     目の前にベッドが迫り、ボスッという音を最後に意識が途切れた


     つづく
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