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【のりこえねっと通信0042号】 本日21時より「靖国問題を考える 高橋哲哉×洪貴義」 放送です!
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【のりこえねっと通信0042号】 本日21時より「靖国問題を考える 高橋哲哉×洪貴義」 放送です!

2014-08-18 17:57
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    ■■■■■-ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク-
    ■■■■
    ■■■    のりこえねっと通信 0042号 2014年8月18日発行
    ■■
    ■                        ◆転送歓迎◆
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ★メールアドレスのご変更等は、info@norikoenet.org までご連絡下さい。
    ――――――――――――――――――――――――――――――――――
    
     賛同者の皆さま のりこえねっと通信をお読みの皆さま
    
     フリーライターの李信恵さんが、在特会及び桜井誠会長および発言を掲載
    したインターネットサイトに損害賠償を求めて、提訴します。在日朝鮮人
    2.5世の李さんは、桜井にさんざん聞くに堪えない言葉をツイッターなどで
    撒き散らかされました。またインターネットまとめサイト「保守速報」は
    このようなヘイトスピーチをたくさん掲載して、大儲けしています。提訴に
    あたっては、さらなる嫌がらせや経済的負担を覚悟しなければならないはず
    です。李さんの決意に敬意を表するとともに、のりこえねっとも支援共闘す
    ることを表明します。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 〈今号の目次〉 1.8月18日のりこえねっとTVのお知らせ 「靖国問題を考える」 2.8月13日のりこえねっとTV報告 「慰安婦問題を考える」 3.今後の反レイシズム情報 4.新聞・雑誌記事・Webより 5.もはやヘイトスピーチ? 嫌韓本トンデモ発言ランキング(webより) 6.韓国学習サイトが開設 7.編集後記 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●1.8月18日のりこえねっとTVのお知らせ ★タイトル:「靖国問題を考える 高橋哲哉×洪貴義」 月曜日に放送時間が戻りましたので、ご注意ください。 ◎放送日時 8/18(月) 21:00-22:00 ◎ニコニコ生放送入口URL http://live.nicovideo.jp/watch/lv189963257  8月15日は、69回目の終戦記念日でした。 日本では300万、アジア全体では数千万人もの死者を 出し、ようやく終わった戦争でした。 靖国神社は、戦前国家が戦死者を英霊として顕彰し 国民をさらに戦争へと駆り立てる役割を果たしました。 戦後は日本人遺族が心の拠り所とすると同時に 「戦争神社」として復権させようとする試みに 宗教者や革新勢力が反対してきた歴史でもあります。 さらに昨年暮れの安倍首相の靖国参拝では 「靖国の英霊に親や祖父母を殺された」という アジア各国からも反発が出ています。 今回は、ゲストに東京大学の高橋哲哉教授をお迎えして 靖国問題とは何なのか、考えていきます。 聞き手は政治学・思想史を研究している洪貴義さんです <出演> 高橋哲哉(たかはし・てつや) 1956年福島県生まれ、東京大学大学院総合文化研究科教授 西欧哲学を研究しながら、歴史修正主義や歴史認識、 戦後責任などを論じてきた。 主な著書に 「靖国問題」(ちくま新書) 「戦後責任論」 (講談社学術文庫) 「デリダ」 (「現代思想の冒険者たち」Select) など 最新刊に 「フクシマ以後の思想をもとめて: 日韓の原発・基地・歴史を歩く 」共著 (平凡社) 洪貴義(ほん・きうい) 1965年生まれ、大学非常勤講師。 政治学・思想史専攻。 難民、ディアスポラという現象を研究しながら、 近年は朝鮮半島を中心に東アジアの思想に関心を深めている。 共著に『ポストコロニアリズム』(作品社) 『マイノリティは創造する』(せりか書房) 『ディアスポラから世界を読む』(明石書店)等 ◆視聴方法についてあらためて記載します。 【視聴方法】  ▼初回にニコニコ動画に会員登録が必要です。(一般会員は無料です)   http://www.nicovideo.jp/  ▼メールアドレスとニックネーム、性別、年齢等のプロフィール、   パスワードを登録してください。  ▼そして、以下にアクセスするとのりこえねっとTVをご覧いただけます。   http://ch.nicovideo.jp/norikoenet-tv ※ブロードバンドのインターネット環境、もしくはLTE通信環境のスマート フォンなどからもご覧頂けます。あらかじめタイムシフト予約をしていると 放映後1週間以内はいつでも見ることができます。 ◆皆さまへのお願い 現在、のりこえねっとTVはニコニコ生放送( http://live.nicovideo.jp/) のトップページ番組表に掲載されておりません。 Twitter、公式サイトにて告知しておりますが、ニコ生のトップページ番組 表に掲載されると目に留まりやすく、さらに視聴者が増えると思われます。 番組表に掲載されるためには、【タイムシフト予約】の人数が200名を 超えなければなりません。ぜひ、みなさまのご協力が必要です。 拡散・周知も続けて頂けますよう何卒お願い致します。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●2.8月13日のりこえねっとTV報告 「慰安婦問題を考える①」 梁澄子×北原みのり 8月14日は初めて日本軍「慰安婦」被害者として名乗り出た日(1991年)   8月14日は、1991年に韓国の金学順(キム・ハクスン)さんが日本軍「慰安 婦」被害者として初めて名乗り出た日。2012年12月、第11回アジア連帯会議 が台北で開かれ、8月14日を「日本軍「慰安婦」メモリアル・デー」とする ことが決まりました。また、2014年6月16日には、旧日本軍による慰安婦問 題の解決を目指している韓国挺身隊問題対策協議会が、スイス・ジュネーブ の国連本部前で、8月14日を「慰安婦メモリアルデー」として制定するよう 国際社会に呼び掛ける活動を行いました。同協議会は、慰安婦メモリアル デー設定のための署名活動を世界各地で実施しており、これまでに92カ国、 約150万人の署名が集まったということです。日本では、8月5日の朝日新聞 朝刊で慰安婦問題の特集を掲載し、大きな話題となっています。今回は、戦 争と女性の人権博物館(WHR)日本後援会代表の梁澄子(やん・ちんじゃ) さんをお迎えして、慰安婦問題の解説と、これからについてお話を伺います。 梁さん「朝日の記事は慰安所の本質について述べており評価する」   まず梁さんは朝日の記事について語ります。の記事は、慰安婦問題の本質は 「強制連行」にあるのではなく、「軍の関与がなければ成立しなかった慰安 所で女性が自由を奪われ尊厳を傷つけられたこと」とはっきり言った点は評 価に値する。一方、石破自民党幹事長は国会に朝日を呼んで検証が必要かも 知れないなどとメディアへの政治的圧力を露骨にしており、そういうことが 公然と言えるようになった日本社会は危険だと語ります。  また、朝日の記事によってすべてが捏造されたという主張を強化するよう な新たな物語が作られている状況があるが、体験を踏まえて実際はそうでは ないと批判します。梁さんは、83年に出た吉田清治氏の本を、その当時読ん でひどい話だと思ったが慰安婦問題に取り組まなければとは思わなかった。 被害者である金学順さんの名乗り出を契機に、90年代以降に韓国を含めて各 国の多数の被害者が名乗り出てきた。慰安所がなかったという主張がある が、もしそうであれば1人の名乗り出からこれだけ多くが名乗り出ることは なかった。それ以降、彼女たちの勇気ある告発と証言活動によって世論化さ れて国際問題化していった。だから吉田清治氏や朝日が問題をつくったので はないと批判します。 北原さん「自分と同年齢で慰安婦にされ、長い年月後名乗り出たことに衝撃」  北原さんは、名乗り出たときの金学順さんはすでにお婆さんだった。学生 だった自分と同年齢のときに慰安婦にされた彼女が、その歳月を秘密にせざ るを得なかったことの重さを思い、女性である自分の問題として関わるよう になったと語ります。そして問題を日本の尊厳を傷つけられたとかと日韓の 問題に矮小化していく状況下で、どう闘えばいいのだろうかと問います。  梁さんは、韓国でもまだ理解が進んでいないときは自国で自分の体験を語 るのは難しかったが、そんなときに日本に招いて話を真剣に聞いたのは日本 の市民だったと語ります。振り絞るような性暴力の被害証言を受け止める人 がいることを何度も確認しながら少しずつ傷が癒えていくことを見てきたそ うです。もう一つは、被害者の名乗り出とともに、官憲が強制的に連行した 「狭義の強制連行」が公文書で確認できなければ強制性を認められず日本軍 と政府に責任はないとしたことが、国際世論を盛り上げたと指摘します。  そして梁さんは、これまでは自分たちの主張だけをしていけば良いと考え てきたが、新たにつくられる物語があまりにひど過ぎるので、細かく反論す ると語ります。物語は根拠もなしにつくれるから楽だが、それに対して根拠 を示して反論するは時間もかかるし大変な作業だそうです。 新たに作られる物語のひどさ  まず今回、5月25日付け産経新聞の記事のひどさについて反論します。92 年のアジア連帯会議に関する記事ですが、「白いチマ・チョゴリ」姿以外に 記事とはまったく重なるところのない写真を掲載し、それに連帯会議とウソ のキャプションをつけいると指摘します。そして25年前のことだが事実関係 を調べたそうです。93年第2回会議の大きな問題は呼称で、議論の末に「日 本軍『慰安婦』」に決まったにもかかわらず92年の会議に「日本軍『慰安 婦』問題行動ネットワーク」が参加しただけでなく、会議の雰囲気、議長席 の存在、物質的補償についての論議等々、記事の内容自体が事実と異なる物 語になっていると批判します。完全な物語になっていて、世論に影響を与え ていると感じ無視できないと考え、細かく調べて訂正要求を出したそうです。  梁さんは、この記事のような物語がどんどん単純化され。強制連行はな かったとか慰安婦はいなかったなどの極端な結論となり、一般にも共有され ていっている気がすると警鐘を鳴らします。例えば、学生はデータを示して 説明すると了解するのだが、「いたと思う」というような感想文がこの 1~2年の特徴、つまり「いなかった」説がこんなに浸透してると思わせる ものがあるそうです。また中学教科書にきちんと載っていた時代に育った学 生は基本的なところはわかっているが、その後の世代になると慰安婦は聞い たこともなかったとの感想文が出たり、聞いたことはあるが想像していたこ ととまったく違い驚いた、つまり言葉だけで勝手な想像をしていたために驚 くという、教育不在の時代に小中高を過ごした世代がこの1~2年の状況だ と語ります。 日本軍「慰安婦」メモリアル・デーから見える普遍性  そして梁さんは日本軍「慰安婦」メモリアル・デーについて語ります。91 年の名乗り出に触発されて多くの被害者が名乗り出たころはユーゴ紛争のと きだった。92年からボスニア・ヘルツェゴビナ紛争が勃発し、相手側女性を レイプすることが相手に対して最大の侮辱感を与えるということで、女性へ の性暴力が武器として使われた。その被害者が韓国の被害者と93年に出会 い、半世紀前の被害者が闘っているのを知り勇気づけられた。そういう出会 いを通して自分たちだけじゃないと知り日本軍の被害者も変わっていく。韓 国では米軍慰安婦として国家管理されていたことなどを学んでいく。その中 で、もし日本が賠償したらその金はいまも戦時下で自分たちのような経験を 強いられている人々に全部あげてくれとの被害者の意志を受けて、韓国の団 体がナビ基金をつくった。しかし日本がなかなか出さないので、彼女たちの 思いを受けて自分たちで拠金し先行して始めた。最初にコンゴの性暴力被害 者に、去年からは韓国軍による性暴力被害のベトナム女性とその子どもたち の自立支援を実施した。戦時下の性暴力は常にあったし現在もある。その全 てに反対し根絶しようとの運動になってきた。自分の被害を語るのが精一杯 だった被害者が変わっていくこの20数年の闘いは壮絶だった、その起点と なった8月14日を日本軍「慰安婦」メモリアル・デーとして記念し記録した い、と。 梁さん「戦争遂行のために女性の性を利用してはならない」  北原さんは、去年のメモリアル・デーに女の問題として参加し、男たちの ヘイトスピーチのひどさに言葉を失い、いまの日本の雰囲気と結びついてい ると感じたそうです。ヘイトスピーチ側に女性もいたが、その中で被害者の 声が聞こえなくなり性暴力であることの意味が日本についての話に矮小化さ れて伝わらなくなっているように思うと語ります。メディアも慰安婦問題に は慎重でタブーになっているし、特定思想の持ち主と矮小化される状態だと 指摘します。  梁さんは、日本のプライドや国益を主張する人々は、戦争が起きて国家権 力が目的を達成しようとするとき、人権を踏みにじられる側であることに気 づいてほしいと彼らを見ながら思うと語ります。自分に引きつけて想像する 力が何かに妨げられている、その妨げのない人は自分だったらどうかという 想像力で十分に理解できる問題だと強調します。そしてメモリアル・デーが 国連の公式記念日になれば、戦争遂行のために女性の性を利用してはならな いことを確認する意味を持つだろう。また、タブーにすることが一番怖いと 述べて終わります。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●3.今後の反レイシズム情報 -------------------------------------------------------------------- ★公式サイト 学習会カレンダーにも順次掲載致します! http://www.norikoenet.org/workshop.html#callendar ★集会・デモ・カウンター・セミナーなどのお知らせを掲載します。  日時、会場、タイトル及び内容、主催者、主催者の連絡先などを400文字  以内で、お送り下さい。件名に「のりこえねっと通信掲載希望」と明記して 下 さい。 1)HOWS講座 : フィールドワーク 靖国神社「遊就館」を訪れ、討論 日時:8月23日(土)13:00~ 集合場所:12時45分に靖国神社・第一鳥居に集合(時間厳守) 案内=内田雅敏(弁護士) コンサート 李政美・竹田 裕美子 参加費:一般1,500 円、学生1000 円 お問合せ・参加申込は、HOWS事務局までご連絡ください。 電話03-5804-1656 FAX03-5804-1609 E-mail : hows@dream.ocn.ne.jp 2)『ジョン・ラーベ 南京のシンドラー』上映会 日時:8月23日(土) 12:30と17:00の2回上映 場所:文京シビックホール 小ホール(地下鉄 後楽園・春日駅すぐ) 料金:1500円(第1回はシンポ含み1800円) シンポジウム:   ・永田浩三さん 元NHKプロデューサー・武蔵大学教授   ・鈴木邦男さん 「一水会」顧問   ・永田喜嗣さん ジョン・ラーベ研究家・大阪府立大学 主催:「南京・史実を守る映画祭」実行委員会 MAIL. info@jijitu.com 3)レインボーサンライズ! レイシストくたばれデモ! in秋葉原 日時:8月24日(日)16:00~ 集合場所:練成公園(東京都千代田区外神田6-11-19) ※東京メトロ銀座線 末広町駅徒歩2分(秋葉原駅からも徒歩10分程度) http://yamaguchiyujiro4.seesaa.net/article/403407606.html 4)第76回在日韓人資料館土曜セミナー いま、何が起きているのか -現代日本のヘイトスピーチとレイシズム- 日時:9月 6日 14時~16時 講師:辛淑玉(のりこえねっと共同代表) 会場: 資料館セミナー室(3F)(麻布十番駅徒歩5分) 資料代:1,000円(学生500円) 5)第77回在日韓人資料館土曜セミナー 表現の自由を守るためにヘイト・スピーチを処罰する 日時:10月4日 14時~16時 講師:前田朗(東京造形大学教授・のりこえねっと共同代表) 会場: 資料館セミナー室(3F)(麻布十番駅徒歩5分) 資料代:1,000円(学生500円) 4)5)とも事前申し込みが必要 事務局まで電話・FAX・メールのいずれかでご連絡ください。 TEL : 03-3457-1088 FAX : 03-3454-4926 MAIL : info@j-koreans.org ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●4新聞・雑誌記事・Webより 1)東京の反韓・嫌韓デモ、3日に1回 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 8月12日  東京では今年に入り、3日に1回のペースで反韓・嫌韓デモが行われている ことが分かった。  韓国外交部(省に相当)が12日、国会議員に提出した資料によると、年初 来7月18日までに東京では67回の反韓デモが行われた。うち60回は在日日本 大使館前、7回は東京都内の別の場所だった。  東京での反韓デモは2011年の46回(8日に1回)から昨年は128件(2.8日に 1回)に増加した。外交部関係者は「2010年以前は大使館周辺でのみデモが あり、頻度も低かったが、最近は回数が増え、韓国人経営の店が集中する地 域などに拡大している」と説明した。一部の反韓デモでは「韓国人を殺せ」 「ゴキブリ朝鮮人を追い出せ」といったヘイトスピーチも登場している。  資料を受け取った沈載権(シム・ジェグォン)国会議員(新政治民主連 合)は「嫌韓デモを放置することからみて、日本政府に韓日関係改善の意思 がないと考えるほかない」と 話した。朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は先 月25日、韓国大統領府(青瓦台)で舛添要一東京都知事と会談した際、「日 本国内の一部団体の反韓デモは隣国の国民の感情を傷つけており、日本の国 際的イメージを失墜させかねない問題だ」と述べ、対策を求めた。 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/08/12/2014081203748.html 2)民団が「嫌韓デモ」規制の陳情活動開始 全国で展開 東京聯合ニュース 8月13日    在日本大韓民国民団(民団)は来月から日本政府や各政党、また国会議員 や地方自治体のトップ、地方議会議員らを相手に、嫌韓デモやヘイトスピー チ(憎悪表現)を規制する法律および条例の制定を要求する陳情活動を行 う。民団中央本部の徐元喆(ソ・ウォンチョル)組織局長が13日明らかに した。   現在、陳情書を作成中で、草案には人種差別や民族差別を助長するヘイト スピーチやデモを法律で禁止し、集会や公共施設の利用を許可しないなどの ほか、ヘイトスピーチが法律で罰せられる違法行為であり犯罪であることを 認めることなどの要求事項が含まれた。   陳情の理由については、嫌韓デモは日本社会の「恥」であり、2020年 に開催される東京五輪・パラリンピックに悪影響を及ぼす行為であると指 摘。また日本国内に居住する韓国人にとって大きい脅威であると同時に、青 少年の教育にも弊害があると強調した。さらに、国連の人種差別撤廃委員会 が日本国内のヘイトスピーチに懸念を示していることや、ドイツ、英国、フ ランスなどの国でもヘイトスピーチが処罰の対象になることなどに言及した。  民団は来月17日の全国地方団長会議で全国的な陳情運動の方針を確認し た後、年末までに地域ごとに国会および地方議会議員らを対象に「マンツー マン」式の活動に入る。秋の臨時国会や10月18日にソウルで開催される 韓日・日韓議員連盟による合同総会などの機会に嫌韓デモの規制が議論され ることを目指す。   民団の動きが最近日本国内で起きている嫌韓デモ自制論を後押しすること ができるか注目される。   舛添要一東京都知事や橋下徹大阪市長ら、嫌韓デモが頻発する大都市の トップは先月相次いでヘイトスピーチの深刻さについて指摘。規制の必要性 について言及した。    また安倍晋三首相は7日、嫌韓デモについて、日本の誇りを傷つけるもの で、恥ずかしいことと指摘。規制を検討する考えを示した。また自民党も欧 州の外国人排斥運動に対する規制方式など、海外の事例に関する研究に着手 した後、結果を基に党内で議論を開始するとした。   だが憲法で保障された表現の自由を理由に、嫌韓デモを規制する法律や条 例の制定に反対する意見もあり、法律や条例が制定されるかについては、予 断を許さない。  徐局長は「2018年に平昌冬季五輪と2020年に東京夏季五輪が開催 されるため、それ以前に嫌韓デモを終息させることを目標に請願運動を進め る」とした上で、「各政党と国会議員に対してはヘイトスピーチを規制する 法律を、地方自治体のトップや地方議会に対しては嫌韓デモや集会に公共施 設を利用できないようにする条例を用意するように求める計画」と説明した。 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/08/13/2014081303670.html 3)Barneys New York が人種差別騒動において52万5000ドル (5,300万円) の支払いを命じられる THE FASHION POST 8月14日 『WWD』によると米国大手百貨店の Barneys New York(バーニーズ ニュー ヨーク) は、黒人2人組がニューヨーク市内の同百貨店にて昨年買い物をし た際に、黒人であることを理由に「人種差別」的な扱いを受けたことに始 まった一連の騒動により、9ヶ月間の調査の結果、同市の裁判所より、調査 にかかった費用や罰金として、52万5000ドル (約5,373万円) の支払いを命 じられた。同調査によると、かなりの数のアフリカ系、またはラテン系の 人々が、万引きやクレジットカードの不正使用の「疑惑」で取り調べを受け ていたことが明らかとなっている。また、今後このようなことが二度と起き ないよう、様々な施策を取り入れるよう、同百貨店は厳重に注意された。 http://fashionpost.jp/archives/27938 4)日本国籍気付かず誤認逮捕、茨城 ロイター 8月 14日  茨城県警牛久署は14日、日本国籍とフィリピン国籍を共に持つ、さいた ま市のパート工員の男性(20)を、日本国籍に気付かないまま誤って入管 難民法違反(旅券不携帯)容疑で現行犯逮捕したと発表した。約7時間後に 釈放した。  牛久署によると、13日昼すぎ、牛久市のJR常磐線ひたち野うしく駅近 くで「不審な外国人がいる」と駅前の交番に通報があった。交番で署員が男 性から事情を聴き、外国人なのにパスポートを常に携帯する義務を守ってい ないと判断し、午後5時10分ごろ、現行犯逮捕した。  その後、通訳が同席して取り調べ、確認が取れた。父親が日本人、母親が フィリピン人という。 http://jp.reuters.com/article/kyodoNationalNews/idJP2014081401000784 5)ヘイトスピーチ:ネット発言、在特会を提訴   在日朝鮮人ライター、18日にも 毎日新聞 8月15日 インターネット上の人種差別的な発言で名誉を傷つけられたとして、在日朝 鮮人のフリーライター、李信恵(リ・シネ)さん(42)=東大阪市=が、 「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の桜井誠会長や在特会に約 550万円、また発言を掲載したインターネットサイト「保守速報」の運営 者に約2200万円の損害賠償を求める訴えを、18日にも大阪地裁に起こ す。専門家によると、在日への「ヘイトスピーチ」を巡り、個人が賠償請求 する訴訟は初めてとみられる。  李さんによると、桜井会長らは昨年初めから今年7月までインターネット 上で、在日朝鮮人という李さんの出自を取り上げて、「不逞(ふてい)鮮 人」などと蔑視、差別するような言葉を繰り返し投稿。「保守速報」も昨夏 から今年7月まで同様の匿名による差別的な発言を掲載した、としている。  ヘイトスピーチを巡っては、京都地裁が昨年10月の判決で、在特会など による京都朝鮮第一初級学校(当時)への街頭宣伝を「人種差別」と認定。 大阪高裁も今年7月の2審判決で、1審の判断を支持した。在特会側は上告 したが、李さんはこうした経緯をふまえ、裁判を通じて、桜井会長らの発言 が「人種差別撤廃条約が禁じる差別に当たる」などと主張する。  ヘイトスピーチの法規制を研究する師岡康子弁護士(東京弁護士会)は 「本来なら脅迫罪、名誉毀損(きそん)罪などの刑法で対処すべき問題だ。 学校を攻撃対象とした朝鮮学校訴訟から発展して、今回の訴訟には、特定の 個人に対するヘイトスピーチも違法だと確認する意義がある」と話す。  ヘイトスピーチに関し、国連人権委員会は先月、日本政府に現行の刑法や 民法では十分に対処できていないとして、発言者を処罰する法整備を求める 勧告をした。安倍晋三首相は今月7日、東京都の舛添要一知事との会談の中 で「しっかり対処しなくてはならない」と対策を検討する考えを示した。  ◇ネットに再三の暴言 李さん「家族も傷付いた」 (略) http://mainichi.jp/select/news/20140815k0000m040128000c.html 6)ヘイトスピーチ規制へ自民、議員立法を検討 読売新聞 8月15日  自民党は、在日韓国・朝鮮人への差別をあおるヘイトスピーチ(憎悪表 現)を取り締まるための法整備を検討するプロジェクトチーム(PT)を近 く設置する方針を固めた。  7月に韓国の朴槿恵(パククネ)大統領と会談した舛添要一東京都知事の 要請を受けた安倍首相が、高市政調会長に検討を指示していた。  首相は、日韓首脳会談の実現に意欲を示しており、韓国側が問題視してい るヘイトスピーチに対応する姿勢をアピールすることで、日韓関係の改善に つなげたい考えがあるとみられる。  主要7か国(G7)でヘイトスピーチに関する法規制がないのは米国と日 本だけで、国連の自由権規約委員会も7月、日本に対策強化を求める報告書 を公表した。ただ、法務省などは「憲法が保障する表現の自由に抵触しかね ない」として法規制に慎重で、自民党は、欧州の法規制の状況を研究し、議 員立法による新法制定の可能性を探る方針だ。 http://www.yomiuri.co.jp/politics/20140815-OYT1T50028.html?from=tw 7)カウンター、対ヘイトスピーチ効いてきた<4団体の素顔> 民団新聞 8月15日  ヘイトスピーチ(憎悪表現)に対して、安倍晋三首相が条件付きながら法 規制に言及。差別扇動・排外集団に対する包囲網が狭まってきた。最近の川 崎市や広島市内でのヘイトデモを見ても、1000人、2000人を動員したかつて の勢いはない。13年から登場した各カウンター団体の息の長い取り組みがよ うやく実りつつあるようだ。このなかから代表的な4団体の素顔に迫った。 ■□「C.R.A.C」  東京・新大久保でのデモ前後に同商店街を歩き回り、野放図に嫌がらせを 繰り返してきたいわゆる「お散歩」行為を物理的というか、無理矢理止めた 「レイシストをしばき隊」が母胎。 ◆新大久保 「お散歩」追い出す 「民主主義を守る」の一念で  東京・新大久保の路上で近隣の店や通行人に暴言を吐いたり、嫌がらせを するネット右翼の「お散歩」を邪魔しよう。野間易通さんが「隊員」を募集 して「レイシストをしばき隊」を結成したのは13年1月のことだった。 「しばき隊」はメンバー・シップ制。一般のカウンターとは一線を引いた。 なぜなら、「カウンター・デモでも抗議行動でもありません。彼らが狭い商 店街でそうした行動に出た場合、非暴力でいちはやく止めに入ること」と目 的が明確だったからだ。プラカードなどの持ち込みも認めなかった。 (略)  「しばき隊の呼称は半分ふざけた感じがして、行政を相手に交渉するにも 動きにくい」と、13年9月30日に「しばき隊」を解散。同年10月1日には新 たな団体「カウンター・レイシスト・アクション・コレクティブ(略称 C.R.A.C)」を旗揚げした。 (略)  「自分たちが多数派であることをいいことに、日の丸をバックに『在日特 権』といった実体のない概念をねつ造して、特定のエスニック・マイノリ ティーの社会的地位をおとしめる行為を繰り返している。それ自体が民族的 憎悪を扇動する表現=ヘイトスピーチであり、差別行為そのもの。アンフェ アだし、単純にむかつく。調子に乗んなよ、ですよ」 (略) ■□「差別反対 女組」  東京・新大久保の現場で通行人から「過激派同士の争い」、「どっちも どっち」と眉をひそめる通行人を見て、これはいけないとカウンターへの賛 同を訴えるカードを配る。7月には東京の2会場で反差別パネル展「ヘイト スピーチと闘う市民たち‐」を開催して理解を求めた。 ◆「現状知って」とパネル展  三鷹市の国際基督教大学と新宿区立区民ギャラリーで各2日間、反差別パ ネル展「ヘイトスピーチと闘う人たち‐」を開催、合わせて669人の入場者を 集めた。  365人が訪れた新宿会場でアンケートを募ったところ、回答者124人のうち 半数以上がカウンター未経験者だった。ヘイトスピーチの現場を知らない、 または関心のない人たちに見てもらいたかったという山下歩さん(差別反対  女組代表)。来場者アンケートに確かな手応えを感じたという。 (略) ■□「差別反対東京アクション」  ヘイトスピーチを規制する実効措置を東京都に求めて毎週月曜日夜、新宿 の庁舎前でアピールを繰り返す。時間は19時から1時間余り。参加者は代わ る代わるマイクを握り、都知事と職員に思いのたけをぶつける。4日に40回 目を数えた。 ◆「都は対策を」訴え続け  「差別をやめろ、差別を許すな」。「差別反対東京アクション」の石野雅 之さんが声を振り絞る。石野さんの後ろに控えたカウンターメンバーの唱和 が続く。ときおり通行人が立ち止まり、耳を傾けたり、プラカードに目をやる。  ここは新宿の都庁舎前歩道。街灯に照らされたメンバーの顔がかろうじて 判別できる暗さのなかで「差別反対都庁前アピール」が始まった。  ある在日同胞がマイクを握り、舛添要一知事に向けて訴えた。「もう限 界。(ヘイトスピーチなど)聞きたくない。都内でやるのを止めてほしい。 デモをやらせないでください」。石野さんもいらだちをぶつけた。「こんな こと市民にいつまでやらせるんだ」 (略)  毎週月曜日、プラカードを持ったカウンターが集まる。アピール時間は 19~20時のおおむね1時間ほど。ただし、発言の機会を待つ参加者は引きも 切らず、30分は延長されるのが常だ。  石野さんは「在日のメッセージが心に残りますね。当事者が自分の体験を 話すのはつらいですよ。ほんとうは話しをさせたくないけど…。ここは抗議 の場であり、僕らが在日から学ぶ場でもある」という。 (略)   石野さんは、「都が人種差別撤廃都市宣言を出すなど、なんらかの行動 を起こすまではアピールを続けていく」という。 ■□「男組」  「しばき隊」よりも過激な「非暴力超圧力の反差別団体」。「超圧力」と はぎりぎりまで圧力をかけること。「逮捕されたら負け」といいながらも、 カウンターの現場ではつい行きすぎた行為で逮捕者を出している。埼玉県西 川口、大阪の鶴橋まで遠征する。 ◆過激がなんだ…差別は許せぬ  高橋直輝さん率いる武闘派カウンター団体。高橋さん自身、これまでに3 回逮捕された。昨年秋ごろまでは「逮捕上等」と広言してはばからなかった が、2回目の逮捕で実刑10カ月(執行猶予3年)となった昨年11月以降は 「逮捕されたら負け」と考えを改めた。  それだけに今年7月、昨年10月の案件で大阪府警に逮捕されたことだけは 納得がいかないという。最終的には略式起訴となったが、検事も差別・排外 扇動集団のビデオを見て「暴力は認められないが、男組のやっていることは 決して間違っていない」と認めてくれたことがうれしいという。  男組は「差別をなくそう、レイシストをぶっつぶそう」の一点だけで結び ついている。考え方は右から左まで幅広い。ちなみに、高橋さん自身は「右 翼」。高橋さんによれば、「本物の右翼は人種差別をしない」。 (略) http://www.mindan.org/shinbun/news_view.php?page=2&category=3&newsid=19304&utm_content=buffer32958&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer 8)出版界にも歯止めの動き…目に余る「嫌韓嫌中」本 民団新聞 8月15日 寄稿 森幸子「ヘイトスピーチと排外主義に加担しない出版関係者の会」 製造者責任を自問…「反ヘイト出版会」立ち上げ  今年の2月中旬。「書店の棚がひどいことになっている。ごく普通の書店 の棚が〝ヘイト本〟で埋まっている。でも書店ばかりが責められるのも違う と思う。僕ら出版社の側がそういう本を作って書店に送り込んでいるのだか ら」。友人の編集者の話がきっかけになった。朝日新聞に「売れるから『嫌 中憎韓』 書店に専用棚/週刊誌、何度も扱う」という記事が掲載された数 日後のことだった。  私はその記事を見逃していた。いつも利用する駅ビルの書店を回ってみる と、たしかに友人の言ったとおり、民族的憎悪や国家間対立をいたずらに煽 る、驚くようなタイトルの書籍が歴史、国際関係、ノンフィクション、ベス トセラーと、いくつもの棚に並んでいる。週刊誌の電車の中吊り広告を眺め れば、他国をけなして愛国心を満たすようなドギツイ見出しが躍る。 「嫌韓嫌中」の空気が圧力を増しているのは感じていた。が、事態ははるか に深く進行し、出版業界がこの状況に大きく関与していることがいたたまれ なかった。  「ヘイトスピーチと排外主義に加担しない出版関係者の会」(以下、反ヘ イト出版会)は3月中旬、フェイスブックページを立ち上げたことからス タートする。  大手から中小までの様々な出版社の編集・営業、フリーの編集者、書店員 など、30~40代中心の約20人。先の友人が発起人となって知り合いに声をか けたり、フェイスブックなどを通じてつながったりしたメンバーだ。出版業 界内部にもこの状況をおかしいと思っている人が多いことを示し、内部から 歯止めをかけたいとの思いで、とにもかくにもスタートを切ることにした。 (略) http://www.mindan.org/shinbun/news_view.php?page=1&category=3&newsid=19303 9)命をつないだドブロク(濁酒)造り… 民団新聞 8月15日 <寄稿>李杏理(一橋大学大学院言語社会研究科博士課程) 忘れまい 1世の生活闘争 ■□8・15後のどん底 職失い路頭に迷う…どんな仕事にも体当たり  仕事はなんでもやりましたよ。焼酎を作って売ったりね。(略)それを一 升びんに入れて売りに行く。自転車につけて、駅前の屋台に卸すの。自転車 に大きいカゴをつけて、びんをひもでしばって、オヤジが運ぶの。見つかっ て、税務署がきてとられたりもした。(略)  生きていくのが精一杯だった。子どものために必死になって働くばかりだ からね。(金文善)  これは、同胞たちが地を這うように生きた証をたどる文である。  69年前の今日、8・15をむかえた同胞は、日本の地でも「ウリヌン ヘバ ンテッター!(私たちは解放された)」と村々で叫び合った。土地を奪わ れ、徴用や徴兵に従うしかなかった苦しみからようやく解かれたのだ。 ◆屑拾いなどで食いつないだ  しかし、それはまた、日本での働き場を失うことをも意味した。解放前、 同胞の多くは募集や徴用に応じて、鉱工業や土建業で働いていた。だが解放 後には、7割近い同胞が日雇い労働者や失業者となり、生きる方途を失って しまうのである。そこで、くず拾いや物品の買出し・売り出し、濁酒(= マッコルリ)づくりをして食いつなぐことになる。  生きていくのが精一杯だった。金文善さんは、苦労をたたんだ笑い皺とこ じんまりとあたたかい手のひらをのせて語ってくれた。彼女の歩んできたで こぼこ道と、そのなかで生き抜いてきた営為をすくいとりたい。それが、私 が濁酒について研究するきっかけとなった。こうした1世の話に心揺さぶら れたのも、私の母が、子どものために必死になって働く姿を見てきたからで もある。  金文善さんは、濁酒をつくるだけで生活できていた時期もあったという。 しかし、税務署の取締りが厳しくなると生活が立ち行かなくなり、屋台や肉 体労働もして、後には生活保護をもらうようになったという。 ◇◇◇◇  戦争終わって食べるものがないっていうんで、私はうちでドブロクやりま したよ。ドブロクは年中持ってかれちゃうからね。(略)それで今度は飲み 屋だ。会社なんて使ってくれないですよ。特例ちゅうて永住権は変わったけ ど、絶対会社は入れないですよ。(略)市の仕事もできないです。女はやれ るとこないでしょ。それで飲み屋やりました。 (朴順伊‥かわさきのハルモニ・ハラボジと結ぶ2000人ネットワーク生活史 聞き書き実行委員会『在日コリアン女性‥20人の軌跡』明石書店、2009年) ◇◇◇◇ ■□異なる酒造文化 重宝された「家醸酒」、取締り強化にとまどい  同胞たちからは濁酒の記憶がよく現れ、断片的には語り継がれている。ま た、敗戦直後は日本各地で連日のように濁酒をめぐる事件があり、新聞記事 になっている。  報道では、おそろしい「密造」事件として語られ、同胞が犯罪集団である かのようなイメージをつくっている。そこでは先に述べたような、朝鮮人が 失業状態に置かれており、生活の困窮をしのぐためになされた面が抜け落ち ているのだ。 ◆新聞報道など犯罪集団扱い 「終戦になると職場は解雇になり、残った所は人員過剰でどこでも使ってく れませんですから未だ無職であります」(金斗賛・男性)。「終戦後日本人 事業家が我々を使ってくれない為働く所がありません。その為に多数の家族 と共に失業となっております」(金福金・女性)。  秋田県鹿角郡尾去沢町で1948年に酒税法違反で検挙された方への聞き取り である。敗戦にともなう解雇が同胞の生活に打撃を与え、濁酒づくりに向か わせた。 (略)   ■□吹き荒れた弾圧の嵐 次々検挙 生きる糧破壊され…世代超え一丸で阻止 ◆女性や子供も身体を張って  同胞は、生活をかけて摘発を阻止しようとした。日本全国、各地の集住地 域で取締りがなされるなか、同胞は捜索を妨害したり、濁酒のかめを割った りして抵抗した。  近所の女達と共に片手にマサカリをひっ提げて裸足で飛び出して行った。 警官は農家から借りた大八車一杯にカメや樽を乗せて村道をゴロゴロ引っ ぱってゆく。彼女達はマサカリを振りあげて走りながら片っ端からカメや樽 を叩きこわしてゆく。ほとばしる濁酒の飛洙は警官達の帽子や顔に飛びかか る。(判沢弘「在日朝鮮人‥李圭善の生活と思想」『思想の科学』1949年5月)  こうして女性や子どもが検挙隊に抵抗した記録はいたるところで見られ る。横須賀(神奈川県)では同胞女性約30人が警察署に押しかけ、「警察に 生活権をおびやかされた」と、署長に会わせなければ野宿でもするとすわり こんだ。大阪では子どもたちがトラックの前に寝転んで検挙隊の進行を阻止 し、女性のヘアー・ピンさえも武器にしてタイヤをパンクさせたのだ。唐辛 子を警官の目に投げつけもした。 (略)  1946年大阪では、在日本朝鮮人連盟と建国促進青年同盟がともに「朝鮮人 弾圧反対委員会」を立ち上げていた。その後東京で生活擁護委員会がつくら れ、全国的に生活権を守る闘いが広がっていた。各地の民族団体は、生活協 同組合を設立して同胞たちが生きるために必要な物資を供給したが、それも 配給権をめぐって困難にぶち当たっていたのだ。  「ヤミ」をめぐっては1946年、椎熊三郎議員は、朝鮮人・台湾人が「あた かも戦勝国民のごとき態度をなし、(略)その特殊な立場によって警察力の 及ばざる点のあるを利用し、闇取引をなし日本の闇取引の根源は正に今日こ の不逞なる朝鮮人などが中心となっている」と発言した。しかし実際には、 露店商で検挙されるのは同胞より日本人の方が多かった。 (略) http://www.mindan.org/shinbun/news_view.php?page=10&category=3&newsid=19329 10)韓国民団 光復節記念式 過去認めてこそ友情 吉良議員祝辞 しんぶん赤旗 8月16日  在日本大韓民国民団(民団)は15日、朝鮮半島の日本の植民地支配から の解放を記念する第69周年光復節中央記念式を都内で開きました。  呉公太(オ・ゴンテ)団長は、来年の韓日国交正常化50年に向け友好促 進をはかるとする一方、ヘイトスピーチの横行は「我慢できない」と地方自 治体に厳しい対処を要請。来賓の自民党を含む各党国会議員も取り組み強化 を表明しました。  日本共産党の吉良よし子参院議員は、「皆さんとの友好、特に若い世代の 関係を発展させたい」とあいさつ。ドイツでユダヤ人虐殺の歴史を伝える教 育を見聞したことに触れ、日本側が「過去の誤りはきちんと認め清算してこ そ、日韓の心の通う友情が築ける」と述べました。  日本軍「慰安婦」問題についても、青春と人生を傷つけられ今も苦しむ女 性たちへの日本政府による謝罪と賠償を求めると力を込めました。  吉良氏はまた、日本は憲法9条を守り生かした平和外交を、と力説。永住 外国人の地方参政権も、早期実現にむけ、頑張ると述べました。  最後に、日本の学生や若者が、「ヘイトスピーチは人間として許されな い」とデモや抗議に参加することで、自治体の対応にも変化がおきていると 指摘。「日韓関係が改善され、北東アジアの平和が確かになるよう市民の皆 さんと力を尽くす」と表明し、大きな拍手を受けました。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-08-16/2014081602_04_1.html 11)札幌市議:「アイヌはもういない」 ネットで自説 毎日新聞 8月17日   札幌市議会の最大会派「自民党・市民会議」に所属する金子快之(やすゆ き)市議(43)=同市東区選出=がインターネットの短文投稿サイト「ツ イッター」に今月11日、「アイヌ民族なんて、いまはもういない」などと 書き込んでいたことが分かった。アイヌ民族でつくる団体からは「不見識 だ」と批判の声が上がっている。  ◇協会「あまりに不勉強」  金子市議はツイッターに「せいぜいアイヌ系日本人が良いところ」「利権 を行使しまくっているこの不合理。納税者に説明できません」などとも投 稿。今年3月には「同じ日本人に無理やり色を付けて、不透明な特権を与え ることが一番の問題ではないか」とも書き込んでいた。  アイヌ民族をめぐっては、2007年の国連による「先住民族の権利宣 言」を受け、国会が08年6月にアイヌを先住民族とする決議を全会一致で 採択した。決議では「日本が近代化する過程でアイヌの人々が差別され、貧 窮を余儀なくされた」として、アイヌの人々を先住民族と認め、総合的な施 策を取るよう政府に求めた。  今年6月には、政府がアイヌ文化の復興を促進するため北海道白老町に整 備する「民族共生の象徴となる空間」の運営の基本方針を閣議決定。札幌市 には、アイヌ民族を対象に低金利で住宅新築資金を貸し付ける制度がある。  金子市議は毎日新聞の取材に「同じ日本人を区別し出自によって公的補助 をするやり方は間違っていると批判したかった。誤解を与えるような表現が あったかもしれない」と説明した。  北海道アイヌ協会の阿部一司副理事長は「いつアイヌがいなくなったのか 教えてほしい。国も先住民族と認め、復権に向けて歩んでいるなかで、議員 としてあまりにも不勉強で歴史を踏みにじる発言だ。国際的にも恥ずかし い」と反発している。 (略) http://mainichi.jp/select/news/20140817k0000m040120000c.html ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●5.もはやヘイトスピーチ? 嫌韓本トンデモ発言ランキング(webより) お金を払って読むのもばかばかしい嫌韓本ですが、地道に読み続けた方がい ます。きちんとした批判ですので、ぜひリンクの方でご確認ください。 10位~6位(前篇) http://lite-ra.com/2014/08/post-338.html 第10位  竹田恒泰「私は李明博(り あきひろ)と呼びますが」 『笑えるほどたちが悪い韓国の話』(ビジネス社/2014年) 「明治天皇の玄孫が放つ“創氏改名”風味のオヤジギャグ」 第9位  室谷克実「沖縄の気質は、韓国に似ている」   『韓国人がタブーにする韓国経済の真実』(共著者・三橋貴明/PHP研究所 /2011年) 「沖縄=朝鮮同質論まで! 嫌韓作家の次のテーマは『嫌沖』か!」 第8位  呉善花「韓国人は、(中略)目に見えない所では平然と誤魔化し をやって当たり前だと思っています」 『日本人は中韓との「絶交の覚悟」を持ちなさい』(李白社/2014年) 「保守オヤジを喜ばす韓国出身女性論客の日本ユートピア論」 第7位  倉山満「大震災で家を焼かれたときに敵国のスパイの手先が暴れ 回るとして、冷静になれと言うほうがおかしい」 『嘘だらけの日韓近現代史』(扶桑社新書/2013年) 「関東大震災の朝鮮人大虐殺も『ソ連の手先』と正当化!」 第6位 宮脇淳子「一応このウィキぺディアの『金日成』も使って話してい こうと思います」 『真実の朝鮮史[1868-2014]』(共著者・倉山満/ビジネス社/2014年) 「『大陸の歴史』専門家は『ウィキペディア』信奉者?」 5位~1位(後編) http://lite-ra.com/2014/08/post-342.html 第5位   テキサス親父「そんな女と“行為”をする場合は、紙袋をかぶせな きゃならないなっていうジョークを、実際に『慰安婦像』を使ってやるって んだぜ」 『テキサス親父の大正論 韓国・中国の屁理屈なんて普通のアメリカ人の俺 でも崩せるぜ!』(徳間書店/2014年) 「百田センセイが“ユーモアあふれる提案”と大絶賛する性差別ギャグ」 第4位  百田尚樹「中国だったらとっくに縛り首です」 「WiLL」2014年9月号「慰安婦像に紙袋を! 大炎上対談」 (対談相手・テキサス親父ことトニー・マラーノ)  「反日をディスるあまり本音が…百田センセイは日本を中国にしたがってる?」 第3位  豊田有恒「(韓国は)ほぼ2000年のあいだに960回も異民族の侵入 を受けている」 『どの面(ツラ)下げての韓国人』(祥伝社新書/2014年) 「出典がよくわからなくても気にしない? 嫌韓本の〈ケンチャナ〉精神!」 第2位  室谷克実「大型フェリーが沈没する確率はどれほどか。そこに 乗っていたのが、有名な反日高校の生徒たちだったことは、あまりにも偶然 すぎる」 『ディス・イズ・コリア 韓国船沈没考』(産経新聞出版/2014年) 「セウォル号沈没事故まで? あらゆることを『反日』と結びつける力技」 第1位  竹田恒泰「日本人はもっと韓国に無関心にならなくてはいけません」 『笑えるほどたちが悪い韓国の話』(ビジネス社/2014年) 「まさかの『韓国に関心をもつな』論。嫌韓本に向き合った時間を返せ!」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●6.韓国学習サイトが開設されました!  一般社団法人学習サイトが「韓国学習サイト」を開設しました。代表理事 の李起昇さんはこのサイトについて、「このサイトは、韓国の民族や文化に ついて、遊び感覚で楽しんでいる内に、知らぬ間に学ぶことを目標にしてい ます。民族の如何に関わらず、多くの人に楽しんで頂ければ幸いです。」と 述べています。最初にメールアドレスを登録する必要がありますが、楽しみ ながら韓国のさまざまなことを学ぶことができる、よい機会になるのではな いでしょうか。詳しくは下記のURLをご覧ください。 http://kc-learning.com/ ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●7.編集後記  学生は夏休み真っ最中ですね、図書課題などで、ヘイトスピーチに関する 本をお探しの方もいらっしゃるようで、問い合わせがあります。入門として 以下をお勧めします。 ・ヘイトスピーチってなに? レイシズムってどんなこと? (のりこえブック ス:七つ森書館) ・師岡康子「ヘイト・スピーチとは何か 」(岩波新書) ・野間易通「「在日特権」の虚構 : ネット空間が生み出したヘイト・ス ピーチ 」(河出書房新社) ・安田浩一「ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて 」(講談社) ・加藤直樹「九月、東京の路上で 1923年関東大震災ジェノサイドの残響」 (ころから) ・石田衣良「憎悪のパレード 池袋ウエストゲートパーク11」(文藝春秋)  冒頭でも触れましたが、李信恵さんが桜井在特会会長から自らにうけたヘ イトスピーチに対し提訴する予定です。これについては、今後のりこえねっ ととして共闘・支援を行っていきます。 (か) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★メールアドレスのご変更等は、info@norikoenet.org までご連絡下さい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■のりこえねっと通信 0042号 2014年8月18日発行 info@norikoenet.org 発行:のりこえねっと事務局 運営団体:のりこえねっと 〒169-0072 東京都新宿区大久保2-7-1大久保フジビル 311 ペンの事務所気付 Tel.03-5155-0385/Fax.03-5155-0383 公式サイトURL http://www.norikoenet.org/ Twitter https://twitter.com/norikoenet (C) のりこえねっと All rights reserved. ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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