北方領土 共同経済活動で日本人訪問増へ期待の声 | NHKニュース   
日ロ両政府が、北方領土での共同経済活動をめぐる初めての公式協議を東京で行うのを前に、北方領土では、共同経済活動などで島を訪れる日本人が増えれば、経済の活性化につながると期待する声が上がっています。
 北方領土情勢がついに動き出しそうです。

 領土問題はとりあえず棚上げにして、共同経済活動をしようというのです。

 ここミラフツでは北方領土を何回か取り上げていますが、その一部が実現した形です。

 北方四島「面積の二等分案」! 日本に「陸の国境」ができる!?  
さっさとどこかで妥協して、活発に経済交流すれば、モスクワからの距離を考えれば、きっとこっちとのつながりの方が強くなるのに、とずっと思ってました。
 4年前のこのときは、面積二等分案がその妥協でしたが、今回実際には、領土問題を棚上げにするという妥協で進むことにしたようです。

 この記事だけ読むと、ロシアとしてはとにかく観光客を呼び込んで金落とせという意図に見えます。短期的にはそうかもしれませんが、長期的には実質上、北方領土が日本に返還される効果があります。

 なぜか。

 北方領土は日本に近いからです。

 あまり知られていないかもしれませんが、北方領土の北東に連なる千島列島。ここにはもっとも北のほうの島を除いて、人はほとんど住んでいないとされています。つまり北方領土の人たちは、あそこに孤立して住んでいるのです。

 ですから、一度日本と北方領土が経済交流を始めたらどうなるでしょう。もちろん日本人観光客が訪れていっぱいお金を落とすことになるかもしれませんが、そのお金を手にした島民たちは、根室や東京に訪れて返してくれることになる可能性が高いです。むしろ収支は日本の黒字になると思います。

 地図見てれば、ロシアが北方四島を維持するために税金を投入しているのは明らかです。軍事的には国後島と択捉島の間の国後水道は極めて重要です。しかし、ロシアとしてもひたすらお金をつぎ込むわけにはいきません。

 だからついに、ロシアは白旗を揚げたのです。地域の経済を活性化しなければ、とても維持できない。そのためにはお隣の日本との経済交流に頼るほかないのです。

 一度経済交流が始まれば、四島の人々は日本との結びつきが非常に強くなるでしょう。なにしろ近いのですから。樺太やロシアの東部より、根室や札幌の方が近く、モスクワより東京の方がはるかに近いのです。

 ロシアからみても、軍事的には極めて重要な拠点ですが、経済的にはほとんど価値がありません。今回、なんとか観光資源としての活路を見出そうと、ついに日本との経済交流に舵を切りましたが、長い目で見て黒字になる可能性はかなり小さいのではないかと思います。

 そうすると最終的には、四島を日本に返還もあるかもしれません。軍事的な要素を重んじるなら、たとえば国後水道の両側以外を返還なんて選択肢もあるかもしれません。
 
 逆に日本からすると、これは大きな経済効果があります。四島に行けるとなれば、もちろん多くの日本人が訪れることでしょう。繰り返しですが、それはロシアにお金を落とすだけにはなりません。そのおそらく大部分は島民たちが日本の商品・サービスを使って戻ってきますし、どちらかというと、ロシアが四島を維持するために費やす税金も日本に流れるようになり、結果として黒字になる可能性があります。

 あるいは、なんなら国策として、当面は東京からの飛行機直航便は認めず、根室中標津空港や新千歳空港からに限って見てもいいかもしれません。北海道にお金を落とすために。

 そして、日本人が四島に行くとなれば、さらに現在ほとんど訪れる人のない千島列島を観光地として開拓できるかもしれません。ネットで千島列島の写真とか見てみましたが、なんかちょっと憧れる感じの情景です。そうなればロシアとしても目くじら立てることにはならなそうです。

 実質返還に近いインパクトがあると思われる今回の流れ。全然さらーっと流れてるのがなんだか楽しいですね。


《ワンポイントミライ》(

ミライ
: 4年前の記事が、一部実現した形ですね! 未来の普通が今の普通!

フツクロウ: ホッホ。

ミライ: いや、でもその時考えてたより、はるかに日本有利に展開してますよね。